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[試乗記]

2000年代の名車候補たち vol.5

ジープ コマンダー

実質6年間しか生産されていないレアなV8搭載ジープ

2000年代の絶対的名車候補といえばジープコマンダー。セブンスロットルグリルを持つV8エンジン搭載のジープであった。

更新日:2023.09.15

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/ブルート TEL ブルート [ホームページ] [詳細情報]

V8搭載+3列シートの希少モデル

 この時代のジープコマンダーは、2005年から2010年まで生産された稀有なジープ。何が稀有かといえば、セブンスロットルグリルを持つV8エンジン搭載のジープという意味で。

 そして2006年から2009年まで日本にて正規販売が行われていたということで、しかも右ハンドル車が導入されていたということで、かなり気合いの入ったモデルだったと言っていいだろう。

 だが。時代が悪かったのか、突如デビューしたV8エンジン搭載ジープの販売は振るわず、実質6年間のみの販売だった(日本国内ディーラー車は4年)。

 この時代はまだV8信奉者がさほど多くなかったのだ。当時同じく正規販売されていたフォードマスタングやダッジチャージャー、そしてその後デビューするダッジチャレンジャーでさえ、最初はV6エンジンの方が多く売れていたのだ。

▲セブンスロットルグリル等のジープブランドを象徴するデザインが採用されている。個人的には91年まで存在していたグランドワゴニアの復刻版のような気もしている。

▲ボディサイズは、全長×全幅×全高=4795×1900×1830ミリということでミッドサイズであるのもジープらしいし日本でも扱いやすい。

 とはいえ、今、この時代のコマンダーを見ると俄然輝いて見える。なんてったってV8エンジン搭載である。しかもセブンスロットルグリルを持つのだから、ラングラーよりも魅力的に見える方がいても不思議ではない。

 世はアウトドアブームであり旧車人気である。なのでランクル70が復活し、新たに登場する250も旧時代のランクルのデザインをモチーフにしているわけだから、今、当時のコマンダーが登場すれば、それこそラングラーを上回る人気を得たかもしれない。そういう意味での名車候補である。

 さて、日本国内デビュー時のコマンダーであるが、販売グレードは、4.7リッターV8SOHCエンジンと5.7リッターV8OHVの2種類であり、後者の販売価格が700万円越えだった。

 当時のジープブランド車にしては衝撃的に高価だったからこその短命だったのかもしれない。

▲搭載されるエンジンは、5.7リッターV8OHV。いわゆるHEMIエンジンで330hp、最大トルク370lb-ftを発生させる。

▲ボルト留めの台形オーバーフェンダー等、いかにもジープ車らしいタフでワイルドなテイストを演出している。

 が、当時のジープモデルでは稀有な3列シートを持つ余裕の居住性にV8エンジン搭載ということなのだから、ジープのフラッグシップモデルとしてもう少し大切に扱ってもらいたかった。

 特に直4、V6がメインの今の時代に登場していればもっともっと売れただろうし、オフロードSUVの頂点を狙えた存在だったかもしれないとつくづく思う。

 で、個人的には、このデザインの魅力がコマンダーの価値の5割を占めていると思う。さらにV8エンジンであるということが3割、そして実際に運転したときの満足感が2割を占めるといった感じだ。

 取材車は2007年型のV8搭載モデルだが、国内正規モデルではなく並行モデル。よって本国仕様の左ハンドル車となる。

▲サスペンションは、フロントが独立懸架式、リアは5リンク式。またステアリングシステムにはラックアンドピニオンが採用され、オンロードでのハンドリングと乗り心地の向上が図られている。

▲質感でいえば、「2007年車だな」と思ってしまうかもしれないが、ハンドルのクセはなく、ブレーキもよく効き、ステアリングもよくきれるから、運転に関する重要項目にマイナスがないのがコマンダーの特徴である。

▲組み合わされるオートスティックの5速ATは、シフトレバーを左右に動かすことでマニュアルシフトが可能。当時の300にも搭載されていた。

 搭載される5.7リッターV8OHVエンジンは、いわゆる当時の300やチャージャー等と同じHEMIエンジンである。330hp、最大トルク370lb-ftを発生させ、5速ATと組み合わされる。

 この5速ATは、オートスティックの5速ATであり、シフトレバーを左右に動かすことでマニュアルシフトが可能なAT。とはいえ、巨大なトルクによって街中を非常に気持ちよく走らせる。

 オフロード走破性のベースであるシャシーは、モノコックに強靭なラダーフレームを埋め込むというジープ特有のボディ構造であり、今乗ってもめちゃくちゃシッカリしている。

 このクルマが現役時代だった時には、「結構ガチャガチャしたオフ車かな」というイメージがあったが、今触れれば驚くほど硬質なボディと巨大なトルクで悠然と走らせるその走りに、そして非常に静かな室内の遮音性に驚きと感動を覚えたのである。

 左ハンドルだから着座位置はいたって普通であり、ブレーキもまったく普通に効くから、ネガティブ要素がほとんどない。

▲レザーシートは大柄で座り心地はラグジュアリーSUVのごとき。

▲リクライニング可能な2列目シート。中央のシートにドリンクホルダー付きの肘掛が収納されており広い空間が確保されている。

▲2列目、3列目ともに座席は可倒式でフルフラットにすることが可能。

 同時に、「ステアリングの切れないジープ」という思いもあったのだが、この手のサイズのSUVにもかかわらず最小回転半径が5.6mと小さく、非常に小回りが効くことにも驚いた。

 くわえて若干高い着座位置に座り、大きなサイドミラーによる視認性も良く、アクセルを踏み込めばあのV8サウンドが咆哮するのだから楽しくないはずがない。

 ジープらしいオールドテイストなスタイリングにあのV8HEMIエンジンが搭載され(そこがすでにレア)、シッカリしたボディと足が組み合わされ、さらに整備やパーツの心配をする必要がまだまだないという事実。

 そしてジープブームである今だからこそ「あえて人と違うジープ」にすることで一段と映えるだろうし、フルサイズからの乗り換えとして、同時にアウトドア等に興味を持った方々にもオススメの1台だと思うのである。

 ちなみに、国内にある中古車としては俄然正規ディーラーの右ハンドルモデルが多いだろう。右ハンドル車はステアリング位置とペダル配置に若干違和感を感じるかもしれないが、経験上、しばらく走れば慣れる程度のもの。

 よって拒絶するほどのことはなく、悠然と走るV8エンジン搭載のジープを大いに楽しんで欲しい。

▲当時ジープ初の3列シート車ということで、頑張った形跡は多分に見えるものの、3列シートを使用すれば、ご覧のようなリアの荷室は致し方なし。

▲3列目を倒せばご覧のスペースが現れる。

▲今見ても魅力的だし、「デビューが10年早かった」と思える逸品。

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