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[試乗記]

初代マスタングの実車が複数台見比べられる

1965 フォードマスタング ハードトップ

旧車との生活を今始めるならBCDビンテージは最適

初代マスタングといったビンテージカーに本気で乗りたいと思うなら、ある程度シッカリしたコンディションの車両を購入した方が良い。できれば購入前に実車を確認し、納得して購入することができれば最高だ。BCDビンテージならそれが可能である。

更新日:2023.10.25

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/BUBU / ミツオカ TEL 0120-17-2290 [ホームページ] [詳細情報]
     BUBU横浜 TEL 045-923-0077 [ホームページ] [詳細情報]

マスタング専門店として扱う初代モデル

 1965年型マスタングは初代モデルであり、言わずと知れた旧車の王道モデルである。中でもファストバックは世界中のコレクター垂涎のモデルでありその価値は計り知れない。

 一説によると「ボロボロの状態でも1本(1000万円)はいく」らしく、ピカピカのコンクールコンディションであれば数千万はくだらないらしい。

 だがBCDは、あえての2ドアハードトップをチョイスする。その方が確実性の高い仕入れが可能だからである。

 くわえて2ドアハードトップにも旧マスタングならではの美しさがあり、それを日本のユーザーに伝えたいという思いがあるからである。

 ということで初代マスタングであるが、1964年の途中で発表されたからデビューイヤーは64・1/2(ロクヨンハーフ)と表記され、65年型は年間約55万9000台、66年型では約60万7000台という驚くべき生産台数をマークした大ヒットモデルである。

▲1965年型マスタング2ドアハードトップ。ファストバックを狙わずにあえてのハードトップモデルを上陸させている。

▲アンバーメタリックのボディにラグジュアリーポニーインテリアを備えた個体。もちろんコンディション良好かつセンス良くまとめられた一台である。

 ボディスタイルはオーソドックスなノッチバックタイプの2ドアハードトップとコンバーチブルでスタートし、65年型からは流麗なルーフラインを誇るファストバックが追加され、その基本的なデザインは66年型までそのまま継承される。

 ちなみに67年からボディデザイン(初代後期型へ)が変更されているから、初代前期型は66年までとなる。

 そういった詳細を頭に入れ、取材車両の65年型を見るが、その前にのちの66年型との違いはどこか?

 基本的には大きな変化はないが、見分けがつくポイントはフロントグリルである。グリルの形状が異なっており、その違いで65と66が判別できる。

 ちなみに、さらにのちの67年型になるとボディ形状にも違いが表れ、アメリカンマッスル的なロングノーズ&ショートデッキが強調され始めたデザインに変化する。ただし、上記66年とデザインに変更が加わる67年、68年型はともに初代モデルとして括られる。

▲搭載される289のV8エンジンは、各部の強化が施されており、コンディションも非常に良い。このまますぐにでも走れそうなほど快調。

▲熱対策や点火系強化等、現代の交通事情にすぐにでも対応可能な対策が施されている。

▲強化のみならず、見た目の雰囲気を高めるメタル系パーツを豊富に使用している。これらが過剰ではないから好感がもてる。

 さて、取材車両であるが、非常に良好なペイント状態が目立つ65年型。アンバーメタリックのボディにアメリカンレーシングホイールがよく似合っている。

 搭載されている289のV8エンジンは、当時200hp、最大トルク282lb-ftを発生させたスモールブロックの傑作と言われるフォード謹製V8エンジンであり、現車にはその当時の面影がエンジンルームにきっちりと残されている。

 聞けば、「エンジン、ミッションなどはシッカリ調整された車両であり、熱対策や点火系強化等が施されている」という。

 実際、エンジンルーム内は非常にクリーンな状態である。ゴテゴテしたカスタマイズというよりはノーマルベースに効果的なパーツを組み合わせた適切な処置(強化)が施されており、エンジンも普通に一発始動である。

 くわえてボディカラーと同色コーディネートが施されたラグジュアリーポニーインテリアがまた素敵である。もちろん完璧なオリジナル状態ではないが、旧車の雰囲気を壊さずまとめられているから、ボディを含めたトータルバランスに優れている。

▲ステアリングを含め、全体的にラグジュアリーな雰囲気でまとめられたインパネ。センスも良く、ラグジュアリーポニーパッケージ装着車ならでは。またパワステやパワーロックも完備。

▲3速ATのシフトノブもメリハリの効いた操作感を示す。

▲この5連メーターこそが初代マスタングを象徴する。もちろん全メーター稼働する。

 またまた余談だが、こうした旧車にはオリジナルを重視する方がたくさんいることは重々承知している。

 だが、65年型となれば58年前の車両である。普通に考えて何かしら手が加わっていて当然である=ようはその際のセンスやバランスが大切であり、そこはBCDも認識しているから今現在展示されている他のビンテージを見ても筋が通った個体の品揃えを展開している。

 それにしても初代マスタング66年型まで(いわゆる初代前期)のデザインは素晴らしい。前後四隅のデザインバランスの均整がとれていて、そして細部のディテールがとにかく美しい。

 ボンネットフードから水平に引かれたライン、その上をトップからリアテールまで緩やかに流れているルーフ形状、そして軽く盛りあがったフェンダーやボンネットフードの形状etc、細かく挙げればキリがない。本当に惚れ惚れする美しさである。

 そしてそれを今、日本で乗れるというのだから素晴らしい。今現在、BCDには複数台のビンテージ個体がショールームに展示されており、実物を見比べることが可能である。上記した65、66、67年モデルをまじかで見て比較して購入することが可能である。

 と同時に、注文販売ではなく、現車ありきで購入することが可能であるわけだから、他のどんなショップよりも安心して購入できる。

▲スカッフプレートの状態も良好。

▲膝下に水温計のサブメーターが装着されている。

▲ラグジュアリーポニーインテリアは、ベージュレザーで覆われたドア内張りにまで及ぶ。

 最近、というか今になって初めて、「アメ車に乗るなら旧車をメインに据えてもいい」という思いを持っている。というのも、その方がより如実にアメ車の魅力を味わうことができるんじゃないかと思うようになったからである。

 もちろん、最新車両であれば、車両としての完成度のほか、インテリアの質感の高さや200キロ巡航が可能な走行性能が手に入る。が、同時にそれら進化によって失われたものも確実にある。

 例えば保安基準を満たすために失われたデザインの美しさ。我々が好む現代版ダッジチャレンジャーは非常に魅力的な存在だが、だがその一方で、サイドから見るデザインの分厚さに嘆く方々がいるのは事実である(というか、現代車はどれもそうだ)。

 一方旧車であれば、見ているだけで楽しい。美しいデザインを眺め、時代を感じさせる運転席に座り、そして実際に走ればキャブレターサウンドが奏でる独特の世界観に浸れる。

 決して200キロ巡航はできないけれど、所有しているだけ毎日の生活が楽しくなり潤いが加わる。そんな生活を始めるのにBCDのヴィンテージは最適なのである。

▲この時代を象徴する三角窓が健在。

▲ボディカラーのアンバーメタリックと同色コーディネートを施したようなレザーシート。ベージュが非常に効いている。

▲リアシートも同様のカラーコーディネート。非常に美しい。

 なお、BCDがビンテージにおいてマスタングにこだわっている理由の一つが、マスタング専門店としてのプライドである。マスタングにおいては、これらビンテージ年式だけでなく、2000年代からの新車&中古車を扱ってきており、2007年からのシェルビーシリーズの復刻モデルも同様に販売してきているから、新旧マスタングのノウハウが豊富である。

 同時に現代版マスタングに必要な電子デバイス・VCMの最新バージョンも所有しているし、それらを使い整備もかなりの数こなしている。

 一方ビンテージにおいてはマスタングのみならず、コルベットやカマロ、ダッジ系、etcと魅力的なモデルを販売してきているだけに、そういった車両への整備的な問題にも十分に対応できる素地が整っているのである。

 マスタングに関して、初代から現行に至るまでが展示され、実際に整備され、そして販売しているのは、BCDしかないのである。

▲65年型と66年型はフロントグリルの違いで見分けがつく。

▲17インチタイヤを履きこなす車高やブレーキ等が装備されている。

▲ウイルウッドのディスクブレーキを装備しているから、このまますぐに日本の道路を走れるだろう。

▲初代マスタングから近年のマスタングに至るまでが同時に展示されている専門店はBCDをおいて他にないのである。

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