ダッジダコタは、1996年から2004年まで生産されたミッドサイズモデルで、シリーズ通算2代目となるピックアップトラック。
このダコタ、何が素晴らしいかといえば、ミッドサイズボディにV8エンジンが搭載されていること。
この「ミッド+V8」というコンセプトは、実はアメリカでは当時、異端児的存在であり=アメリカでは中途半端なサイズ感が売れない要素となっていたから、自動的に他メーカーの追随がなく孤立した存在となっていた。
だが、それが日本では逆に火をつけた。日本の道路事情を加味すればミッドサイズであることに越したことはない。くわえてV8エンジンが搭載されているのだから、売れないはずはないのである。
さらにもう一つ。ダコタデビューの2年後にダコタをベースにしたSUVが製作された。それがダッジデュランゴ。
デュランゴは、ダコタ以上の人気を得ていたが、それはダコタの作りの良さというか基本性能の高さによってもたらされた実力ゆえであった。
さて、実車である。2003年型のR/Tであるから5.9リッターV8エンジンを搭載したモデルのクワッドキャブ。
ダコタには複数のバリエーションが存在していたから搭載エンジンも複数あり(V6からV8(4.7、5.2、5.9リッターまで)、またピックアップだけに荷台の長さを加えたバリエーションも多数あるから、かなりの実車が存在していた。
が、この車両は2003年に新車で購入されたオーナーさんが約21年後の今もなお乗っており、他の個体がどんどん消えゆく中、1ナンバー取得で毎年車検を繰り返しつつ、大切に維持されてきた個体。
聞けば、オーナーさんは福島県在住の方であり、毎年この季節になると車検のためレーストラックに持ち込むという(21年前にレーストラックにて新車で購入されたから)。
ボディはノーマル状態を維持しており、21年間のほとんどを大過なく過ごしている。走行距離は約13万6000キロということだから、年6500キロ弱を走った計算になるが、プロによる毎年車検を継続することで完調を維持している。
ちなみに車検整備を行っているレーストラックは、90年代のダッジ系(バン、ダコタ、デュランゴ、ラム)を継続して整備し続けているから、少数派のダコタといえど今も全く問題なく対応しているという。
レーストラック高橋氏曰く「一台のクルマに長く乗る方が状態を維持するのは簡単です。例えば何処かで中古車を購入すれば、そのクルマにとっては使われ方が変わります=管理のされ方が当然変わりますから、調子を崩したりするのです。それにアメ車は基本頑丈ですから長く乗るのに適した車両でもあります」
若干、各部に色あせが見えるシャンパンゴールドのボディも、21年間乗り続けているからこそと知れば趣と捉えることができるし、荷台にあるツールボックスやベッドエクステンダーにもオーナーさんの趣味性がうかがえる。
オーナーさんは消防士ということで、これに乗り福島市内を移動しているらしく、そういう使い方ゆえにあえて派手なカスタマイズを好まず、フルノーマル状態を維持しているという。
それでも「ヘッドライトが暗い」ということでHIDのヘッドライトに交換しIPFのフォグランプを装着したというが、それらはあくまで実用性の向上を目指したものだということだ。
当たり前だが、エンジンは一発始動でかかり、動かしてもミシミシガタガタすることもなく、いたって普通にかつ軽快に走る姿に、しかもV8サウンドを奏で、それがレアなダコタなのだからめちゃくちゃ感動してしてしまう。
「弊社のユーザーにはヘダースを入れたりマフラー交換をしたりして楽しむ方が多くいらっしゃいますが、このダコタのようにノーマル状態を維持しながら長い期間維持されているオーナーさんも多数いますから、どちらもアメ車の醍醐味と言えるのではないでしょうか」
是非とも、日本に現存する最古のダコタになるまで大切に乗り続けて欲しい。
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