アメ車好きなら、フォード好きなら、マスタング系のアメリカンハイパフォーマンスたるシェルビーGT500とGT350は何としても味わいたい!
個人的にはラプターを含めた計3台のフォードスペシャルマシンに乗れたならアメ車オーナー冥利に尽きると思う!
中でもGT350は4年間限定モデルであったということで生産台数が少ないこと、個体があったとしてもハイパフォーマンスモデルだけに状態が気になること、さらに購入後のメンテナンスを含めたアフターを考えると、かなりシビアな選択眼が求められる。
ということで、取材個体の2017年型シェルビーGT350である。
シェルビーGT350は、2016年に登場した近年では稀に見る高性能モデルであり、ハードな作り込み(専用設計)により非常に手間のかかる存在だった。
たとえば、フロントセクションの一部にカーボンパーツを使用し、ノーマルマスタングとは別構造になっている。だが、これにより高剛性と軽量化を実現している。
たとえば、エンジン。搭載されるエンジンは5.2リッターV8NAエンジンで526hp、最大トルク429lb-ftを発生させるが、ポイントはレブリミット。なんと8250rpmと、アメ車としては超高回転型ユニットであった。
この高回転を実現するためにフラットプレーンのクランクシャフトを採用し、しかも手組みである。
すなわち、シェルビーGT350がたった4年で生産終了になったのはこうした専用設計が仇となってしまったと言っても過言ではなく、だが逆にこうした専用設計のマシンだからこそ希少価値が高く、当然乗ってもスペシャルな感覚で満たされる。
そもそも8000rpm以上回るV8エンジン自体が稀なのだから。
プラスして筆者がこのクルマが好きな理由は、とにかく唯一無二の雰囲気を発していること。そして締め上げられた箱型マシンのアメリカンマッスルカーであるということ。
例えばビッグパワーで圧倒するヘビーなGT500とは一味違う俊敏なマッスルカーで、レーシーな雰囲気が伝わってくるし、この感覚は例えばマツダロードスターのような小型スポーツカーとも違うし、ダッジチャレンジャーヘルキャットとも違う。
エンジンの息吹も含め、本当に唯一無二の存在だけにめちゃくちゃ刺激的であり、そこに物凄く惹かれるのだ。
さて、そんなGT350の2017年型は走行3.4万キロのBCD認定中古車。もとはアメリカ現地からBCD車両として日本に上陸し、日本で大切に乗られていた個体が再びBCDに戻ってきたということで、その程度はお墨付き。
実際の個体を動かしたが、距離数に応じたヤレのようなものはほとんど感じない。ボディやホイール等にも瑕疵はなく、コンディションが際立った個体だった。
今やアメリカ現地で車両を探しても5万キロ未満の車両はほとんどなく、仮にあっても1000万円を優に超える現地価格ということだから、この個体の価値は高い。
「今、スーパースポーツ系モデルのアメリカ現地での価値は上がりっぱなしでして、そう簡単に入手出来るものではなくなりました」とBCDスタッフ。
そういう意味でも、将来的にアメ車的世界遺産となるべき現存する個体と言っても過言ではないのである。
くわえてBCDは、初期の頃に発売された「シェルビーGT350R」を輸入させたほどGT350には注目してきており、2020年に生産終了となって以降も常にアンテナを張り巡らせ良質な個体を探し続けている。
「これまでにBCDが日本に導入したGT350は30台を超える」というから、当然ながらメンテナンス等の情報やノウハウが蓄えられているという点においても安心感が高い。
昨今、EVシフトへの転換が鈍化しているというニュースを目にすることが多くなってきたが、鈍化というだけで、EVシフトへの基本的な流れは変わらない。それが証拠にダッジチャレンジャーはEVのダッジチャージャーに生まれ変わったのだ。
なので少なくとも、これまで通りの脱V8は基本路線だろう。よってハイパワーV8に未来はなく、ちょっと大げさに言えば、現行型新車といま世に出ている中古車からしか選べない時代が確実にやって来る。てか、もうやってきている・・・・。
となれば、シェルビーGT350のようなガソリンエンジン搭載のスペシャルマシンの希少価値はより一段と高くるに違いないから、そして入手が困難になるに違いないから、目の前に優良個体があるうちに是非とも乗ってみて欲しいと思うである。
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