最新マスタングといえば低くてワイドで流麗で、「ザ・クーペ」といわんばかりの素晴らしいボディラインとパワフルなV8、もしくは最新鋭の直4ターボエンジンとが組み合わされた最強の一台と言っていい。
もちろん車両のクオリティも格段に上がっており、為替高騰により価格も上がっているという難はあるが、憧れる方はかなり多い。
だが、あまりにも流麗かつスポーティなボディラインに、ちょっと違和感を感じる部分もある。「昔のイメージなさ過ぎだろ」と。
マスタングといえば、やはりマッスルカー。マッスルカーといえば、箱型ボディ。ま、あくまで個人的な意見ということで、最新マスタングを非難しているわけではぜんぜんないのだが、時に旧型ボディのマスタングを見ると、なぜだかいつもそう思ってしまう。
もちろんそれは旧型ボディに格別な魅力があるからに他ならない。
筆者の言う旧型ボディとは、2005年にデビューしたマスタング。復刻デザインをベースに一躍大ヒットをもたらしたスター的存在である。
ちなみにこの型のマスタングは2005年にデビューし2014年まで続いたモデル。そして最終2014年までの間に2度ほど大きなマイナーチェンジを施しており、実質3つの型が存在していた。
2005年から2009年までのデビュー型、2010年から2012年の中期型、そして2013年からの最終型である。
今回取材した個体はその最終型にあたる2014年型のV8GTコンバーチブル。ディーラー車ベースの走行3.7万キロの個体である。
まず変遷について。2010年までは4.6リッターV8OHVエンジンが搭載されていたが、2011年から5.0リッターV8DOHCに進化し、馬力も319psから一気に100ps近い418psまでアップしている。
同時にミッションも5速ATから6速ATへと進化し、ボディデザインも年式により変遷を重ねている。いわゆる最終型と言われる2013年以降はシェルビーシリーズと同型となり、一種の完成型とも言われているのだ。
くわえて取材車はディーラー車。この車両が現役だった時代でもディーラー車のV8コンバーチブルは希少車だった・・・・。
まさか今の時代に走行4万キロ以内の実車が見つかるなんて。しかもディーラー車ということで輸入時のPDIが効いているのか、恐ろしいくらいシッカリしている!
筆者もこの型のマスタングにはそれこそ何十回も乗ってきたが、その中でも「V8コンバーチブルが常に最高」という記憶だけは残っているから、久々の中古車個体に興奮である。
ブルーのボディカラーにブラックカラーのレザーシート&幌の組み合わせで、レザーシートの感触が非常に心地よい。シートアレンジも容易く、常にフレンドリーな存在である。
そしてエンジン始動。と同時にセンターコンソール頭上のロックを外しボタンを押し続ければ、15秒もせずにフルオープンが完了する。
シート位置、ステアリング位置、シフト位置といった人間工学的なフィーリングも上々で、着座位置も適切だからそれとともに視界の良さが最高。非常に乗りやすい。
プラスして艶っぽいV8エンジンをリアルに聞きながらのドライブが可能なのだから最高だろう。
ちなみに搭載されるエンジンは、5リッターV8DOHC32バルブ。418ps、最大トルク53.9kg-mを発生させるから、パワー不足はまったく感じないし、最強のV8フィーリングの持ち主であるから、サウンド等の感覚性能においても満足度は圧倒的に高い。
余談だが、幌の耐候性は非常に高く、リアウインドーはガラス製だから視認性は確保されており、クーペボディのような使い方が普通に可能である。一粒で二度美味しいではないが、何通りもの楽しみ方があるのがコンバーチブなのである。
この車両は、中古車ではあるがディーラー車かつ修復歴なしの個体であり、純正度の高いマスタングであるから、今となってはかなり希少な個体と言っても過言ではない。
個人的には、この車両をこのまま20年くらい所有し、誰も乗らなくなったその時にこそ大手を振って乗りたいと思う。もしかしたら、その時には今の65、66マスタングのような存在になっているのかもしれない。いわゆる自製のクラシックカー作りに最適な存在だと思うのである。
同時に販売しているのがBUBU横浜店であって、BCD車両を通じてこの型のマスタングを初期の頃から販売している実績を持っているから、整備を含めたアフターフォローにも信頼が置ける=多くのフォード車ユーザーたちが管理顧客として今も名を連ねているのだ。
もちろん、フォード車専用の電子デバイスを持ち適切な整備が可能であり、またパーツの取り扱いや情報についてのノウハウも豊富であるから、旧時代のマスタングを長く乗るためのアフターフォーローに関しても優れている。
そんなBUBU横浜店に入庫したディーラー車ベースの旧型マスタングコンバーチブルは、あえて「旧型が欲しい」という方には「これしかない」と断言できるほど素晴らしい個体だった。
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