TEST RIDE

[試乗記]

大排気量V8NAエンジンを搭載した最後のアメリカンマッスル

2019 ダッジチャレンジャー R/T スキャットパック ワイドボディ

硬派なデストロイヤーグレーのボディカラーがよく似合う

グレーを纏ったチャレンジャーワイドボディを取材した。

更新日:2025.01.24

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/BUBU / ミツオカ TEL 0120-17-2290 [ホームページ] [詳細情報]
     BUBU横浜 TEL 045-923-0077 [ホームページ] [詳細情報]

最後のチャレンジャー中古車選び

 恐らく、これが最後になるであろうチャレンジャーの中古車選び。というのも日本における新車&中古車個体が今後増えることはなく、減少の一途をたどることが確定しているから。

 その理由は、すでに生産終了していること、それに伴いアメリカ現地での価格が高騰していること、また為替の問題でアメリカからの輸入が途絶えていること etc。

 同時に日本国内での優良個体が激減しているから、選べるほどのモデルがすでに存在しない・・・。

 ということで、改めて現役当時のラインナップを振り返ると、大きく分けて3つのラインナップに分かれていた。V6群、V8群、V8スーパーチャージャー群。

▲ノーマルボディに幅3.5インチのワイドフェンダーが装備されたワイドボディモデル。デストロイヤーグレーのボディカラーと相まって、固有のオーラというか迫力を醸し出している。

▲走行1.4万キロのBCD認定中古車。今現在BCD
に展示されていた2台のチャレンジャー在庫のうちの一台である。

 ボディ自体がほぼ変わらないという前提で考えれば、エンジンのみの違いが購入時の最大のポイントとなる。そして自分の購入エンジンが決まれば、その段階でワイドボディのあるなしを検討し、ワイドボディが欲しければそれをチョイスすれば良い。

 ちなみにワイドボディは、6.4リッターV8、6.2リッターV8スーパーチャージャー搭載モデルにしか存在しないから、ワイドボディを選ぶということは搭載エンジンを絞るということになる。

 また、MT車が好み、というのであればモデルによってはチョイス可能なのがチャレンジャーのポイントである=V8エンジン搭載モデルにしかMTは存在しないから、おのずとV6エンジンは除外となる。

■SXT:3.6L V6
■GT:3.6L V6 
■R/T:5.7L V8
■R/Tスキャットパック:6.4L V8 (+ワイドボディ)
■SRTヘルキャット:6.2L V8スーパーチャージャー(+ワイドボディ)
■SRTヘルキャットレッドアイ:6.2L V8スーパーチャージャー(+ワイドボディ)
■SRTヘルキャットレッドアイジェイルブレイク:6.2L V8スーパーチャージャー

 上記のフルラインナップをベースにチャレンジャーの購入を検討すれば、やはり6リッター超のV8搭載モデルに視線がいく。V8スーパーチャージャーに憧れる気持ちは非常によく分かるが、いかんせん価格帯が現実的ではない。

▲搭載されるエンジンは、6.4リッターV8ヘミ。485hp、最大トルク475lb-ftを発生させる。まさに大排気量NAエンジンの醍醐味が味わえる名機。チャレンジャーオーナーなら一度は味わいたい。

▲305/35ZR20インチのピレリPゼロパフォーマンスタイヤが装着されている。

▲6ピストンのブレンボブレーキが組み合わされる。デストロイヤーグレーのボディに赤いブレンボキャリパーがよく似合う。

 くわえて6.4リッターV8ですでに500hp近いパワーを発生させるわけだから、最高とは言えずとも十分パワフルと言える。プラスしてアメリカ車最大の魅力である大排気量V8NAエンジンの存在。

 今や世界中が低排気量+ターボで1リッターから2リッター程度の排気量を主戦場としているマシンが多くある中での6.4リッターV8エンジン。

 もちろん、それなりの維持の苦労が生じるかもしれないが(燃費&税金等)、走らせた時に与えてくれる唯一無二のフィーリングはそんなネガを遥かに上回る。正真正銘の最後のアメリカンマッスルと言えるだろう。

 そして、それらエンジンを包んだ魅力的なデザイン。

 やはりどこをどう考えても唯一無二のスタイルであり、往年のチャレンジャーの復刻版ではあるが、現在販売されている新車及び高年式モデルに、チャレンジャーに匹敵するデザインを持ったクルマは存在しない。

 だからこそ、生産終了してすでに2年が経つというのに未だ人気者であるのだろう。

▲今チャレンジャーに乗るならあえて6.4リッターV8モデルをチョイスすべき。

▲ドライバー側に向けられたセンターコンソールも含め満足感が高いインテリア。赤いシートとの組み合わせも魅力的。ブラック&レッドが非常に効いている。

▲搭載される8速ATモデル。

 で、こうした諸々の状況を加味した理想的なチャレンジャー選びの、最後に重要なのが購入価格。

 すでに忘れ去られているかもしれないが、2020年はコロナ禍であり、それに伴い2020年、2021年の個体が極端に少ない。よって販売のメインは2018年、2019年、2022年、2023年となる。

 が、2023年は最終年だからある種のプレミア価格になっている=狙うなら2018年、2019年、2022年だが、これらの年式における違いは上記の搭載エンジン等のバリーションによるものであり、ベースモデルの違いは皆無であるから、距離やコンディションで決めれば良い。

 とはいえ、それでも1000万円前後の費用が必要になるが、今や国産スポーツカーの最上位モデルをチョイスすればそれこそ800万円程度の価格帯になるわけだから、ダッジチャレンジャーの価値を鑑みればある程度の納得感は得られるはずである。

▲8速ATはパドル操作によるシフトも可能である。

▲デジタルとアナログを併用するオリジナルメーター。デザイン的にも飽きのこない秀逸なものであり視認性にも優れる。

 ちなみに、もちろんだが「そこそこの値段でそこそこ楽しめればいい」という選択をする方もいるだろう。

 だが、現代のチャレンジャーは、旧時代のアナログ車ではなく、コンピューター制御で埋め尽くされた現代車。

 だから整備には専用機器が必要になり、オイル交換一つとっても車両に見合った見識が必要になる=適切な整備やトラブルを処理できる工場も非常に限られているから、「安物買いの銭失い」に陥ることだけは避けたい。

 ということで「心から納得できるもの」をチョイスするのであれば、実車を確認できるBCD車両が最大の近道である。横浜店に行けばわかるが、室内展示である個体の保管状態が非常に良い。くわえてコンディションも厳選されている。

 さらにワイテック2.0といった専用電子デバイスによるテスターの確認作業や改善整備等が統一コンディションで行われているから、BCD認定中古車になっても整備コンディションが非常に安定している。

▲レザーとレッドカラーのスエードインサートの専用シート。バケットタイプでホールド性が非常に高い。とにかくグレーのボディカラーとレッドの内装色の取り合わせも最高。

▲ドアパネルもレッドカラーにコーディネートされている。内外装のコンディションも抜群に良い。

 今回取材した走行距離1.4万キロの2019年型チャレンジャーR/Tスキャットパックワイドボディも例に漏れず、非常に状態が良い。くわえてボディカラーのデストロイヤーグレーが非常にいい。各部に散りばめらたレッドカラーとのコーディネートが抜群である。

 デストロイヤーグレーのボディカラーは2017年から2019年までのカラーであり、ちょっと濃い原色のグレーカラー。

 2020年からはスモークショーに取って代わっているが、スモークショーはどちらかというと薄いグレーであり、光の加減によってはブルーグレーにも見えるから全く違う。

 どちらもグレーではあるが、デストロイヤーグレーの方がちょっと攻撃的というか硬派というか、個人的にはチャレンジャーの雰囲気にものすごく似合っていると感じるだけに、めちゃオススメのカラーである。

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