早ければ来年後半にも登場する新型ダコタ。新型モデルはダッジではなく、ラムブランドから登場するからラムダコタになる。そしてトヨタタコマやフォードレンジャーの市場を奪還する目的という。
だが、そんな新型ダコタの搭載エンジンは直4&直6。一方で、以前存在していた旧時代のダコタはダッジブランドのミッドサイズ。しかもV8エンジンが搭載されていた。
が、実はデビュー当時からアメリカでの存在感は希薄だった。まだミッドサイズピックアップブームが巻き起こっておらず、アメリカ的には「中途半端なサイズ感」と評価され、あまり売れず=早すぎた天才的存在であった。
一方で、日本ではミッドサイズはジャストサイズ。しかもV8エンジンが搭載されている。ということで、今現在も稼働中の2003年型ダッジダコタを取材した。

▲1996年-2004年まで存在したダッジダコタ。搭載エンジンからボディバリエーションに至るまで豊富なラインナップが形成されていた。

▲取材個体は2003年型R/Tのクワッドキャブ。5.9リッターV8エンジンが搭載される。マフラーはノーマルで出口パイプのみ交換している。
旧時代のダッジダコタは、1996年から2004年まで生産されたミッドサイズモデルで、シリーズ通算2代目となるピックアップトラック。このダコタの何が素晴らしいかといえば、ミッドサイズボディにV8エンジンが搭載されていること。
この「ミッド+V8」というコンセプトは、当時のアメリカでは異端児的存在であり=アメリカでは中途半端なサイズ感が売れない要素となっていたから、自動的に他メーカーの追随がなく孤立した存在となっていた。
だが、それが日本では逆に火をつけた。日本の道路事情を加味すればミッドサイズであることに越したことはない。くわえてV8エンジンが搭載されているのだから、売れないはずはないのである。
さらにもう一つ。ダコタデビューの2年後にダコタをベースにしたSUVが製作された。それがダッジデュランゴ。
デュランゴは、ダコタ以上の人気を得ていたが、それはダコタの作りの良さというか基本性能の高さによってもたらされた実力ゆえであった。

▲▲搭載される5.9リッターV8エンジンは、245hp、最大トルク345 lb-ftを発生させる。

▲シンプルかつクリーンなインテリア。21年前の車両とは思えない状態の良さ。見た目はまんまデュランゴでもある。

▲メーター周りも当時のアナログメーターを採用。V8サウンドとリンクするアナログ針の動きが新鮮。
さて、実車である。2003年型のR/Tであるから5.9リッターV8エンジンを搭載したモデルのクワッドキャブ。
ダコタには複数のバリエーションが存在していたから搭載エンジンも複数あり(V6からV8(4.7、5.2、5.9リッターまで)、またピックアップだけに荷台の長さを加えたバリエーションも多数あるから、かなりの実車が存在していた。
が、この車両は2003年に新車で購入されたオーナーさんが約23年後の今もなお乗っており、他の個体がどんどん消えゆく中、1ナンバー取得で毎年車検を繰り返しつつ、大切に維持されてきた個体。
ボディはノーマル状態を維持しており、23年間のほとんどを大過なく過ごしている。プロによる毎年車検を継続することで完調を維持しているのだ。

▲フルノーマル状態を維持するだけあって、ホイールも純正品。

▲荷台にはツールボックスを搭載している。

▲ヘッドエクステンダーはたくさんの荷物を積む時に有効。
ちなみに車検整備を行っているレーストラックは、90年代のダッジ系(バン、ダコタ、デュランゴ、ラム)を継続して整備し続けているから、少数派のダコタといえど今も全く問題なく対応しているという。
レーストラック高橋氏曰く「一台のクルマに長く乗る方が状態を維持するのは簡単です。例えば何処かで中古車を購入すれば、そのクルマにとっては使われ方が変わります=管理のされ方が当然変わりますから、調子を崩したりすることがあります。ですが、オーナーが継続していると使われ方や乗り方に統一感が出てきます。アメ車は基本頑丈ですから定期的な点検をしながら長く乗るのに適した車両なんです」
若干、各部に色あせが見えるシャンパンゴールドのボディも、長年乗り続けているからこそと知れば趣と捉えることができるし、荷台にあるツールボックスやベッドエクステンダーにもオーナーさんの趣味性がうかがえる。
オーナーさんはあえて派手なカスタマイズを好まず、フルノーマル状態を維持しているという。それでも「ヘッドライトが暗い」ということでHIDのヘッドライトに交換しIPFのフォグランプを装着したというが、それらはあくまで実用性の向上を目指したものだということだ。

▲モケットのシートの状態も驚くほどいい。運転席は使用感のみで破損は全くない。

▲リアシートに至っては使用感すらないコンディションの良さ。
当たり前だが、エンジンは一発始動でかかり、動かしてもミシミシガタガタすることもなく、いたって普通にかつ軽快に走る姿に、しかもV8サウンドを奏で、それがレアなダコタなのだからめちゃくちゃ感動してしてしまう。
「弊社のユーザーにはヘダースを入れたりマフラー交換をしたりして楽しむ方が多くいらっしゃいますが、このダコタのようにノーマル状態を維持しながら長い期間維持されているオーナーさんも多数いますから、どちらもアメ車の醍醐味と言えるのではないでしょうか」
来年、新型モデルが登場したとしても決して色あせることのない旧型の魅力。やはりというべきか、V8エンジンの魅力には抗えない。そしてミッドサイズピックアップという絶滅危惧種な点にも惹かれてしまう。
是非とも、日本に現存する最古のダコタになるまで長く大切に乗り続けて欲しい。
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