このモデルのタホは99年に2000年モデルとしてフルモデルチェンジされた、このクラスのSUVとしては最新のモデル。ベースとなっているのはいうまでもなくシボレーのフルサイズピックアップで、99モデルとしてデビューしたシルバラードだ。ベースとなったシルバラード自身が、ピックアップの中でもかなりセダンライクなものになったということで、最新のタホも一層セダンライクなクルマに仕上がっている。デザインはシボレーのアイデンティティである上下2分割のグリルなどを継承しているが、グリルを含めて、全体的により曲面を多用した、グラマラスなものになった。姉妹車のユーコンももちろんGMC顔を継承し、タホと同じ手法でデザインのアップデートが行なわれている。
この型のタホでの最大の特徴はボディがついに4ドアのみの設定になったこと。乗車定員も8人もしくは9人となっている。デザインもバリエーションも、ライバルであるフォード・エクスペディション、トヨタ・セコイアを強く意識した結果といえるだろう。エンジンはディーゼルターボが廃止され、4.8リッターV8と5.3リッターV8がラインナップされている。トランスミッションはもちろん4速AT、4WDシステムは従来のオートトラックを継続。オートモードでは、通常は後輪駆動で、必要に応じて前輪にトルクを伝えるシステム。サスペンションはフロントがショート・ロングアーム&トーションバースプリング、リアが5リンク&コイルスプリングだ。
取材車両は2000年型のタホ。1SDパッケージを装着した豪華バージョン2000年タホは、それまでの無骨で力強いスタイリングと決別し、全体的に丸みを帯びたグラマラスなスタイリングを特徴としている。巷では、「迫力がなくなった」と嘆く輩も多いと聞くが、実際にはそうではなく、それなりの迫力を感じさせるだけの魅力は持っている。このタホには285馬力、トルク44.9kg‐mを発生する5.3リッターエンジンが搭載されている。出だしのトルク感では旧型に一歩引けを取るが、その後の伸びはこちらの方が一枚も二枚も上手である。しかも新型車らしく、室内の静粛性が格段に高く、高級車としての資質も先代よりは上である。
また、2000年からのタホにはリアの足回りにコイルスプリングを使用するようになり、挙動、乗り心地全てが洗練されている。この新型モデルのタホには旧型タホに飽きた人、もしくは高級セダンなどに乗ってる人が、似合うかもしれない。その方がこのクルマの魅力をよりいっそう感じることができると思うからである。
330,000円
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