TEST RIDE

[試乗記]

先代も良かったが新型はもっと良い

フォード マスタング コンバーチブル

FORD MUSTANG CONV.

新型に進化しつつもこのマスタングのようにアメリカ的、大陸的なおおらかさが残っている存在は非常に珍しい。

更新日:2010.06.30

文/編集部 写真/編集部

取材協力/フォードジャパンリミテッド TEL 0120-125-175  [ホームページ]

積極的にコンバーチブルをオススメしたい

 以前コンバーチブルを借りた時、個人的にはもの凄く感動したが、今回は走りの企画。なのでどうしてもクーペがいいと考えていた。だから、最初はあまり期待していなかった。だが、神谷町でクルマを借りて霞ヶ関から高速に乗り、入間を目指す間にすべての印象は一変する。「もの凄くいい!」のである。
 2005年に登場した新型は、初代マスタングのデザインモチーフを取り入れた原点回帰の傑作車だった。そして今年登場した第二世代のマスタングは、その新型のデザインをさらに一層シャープにした洗練さが魅力の一台。パワーアップもさることながら、ハンドリング、車体剛性、インテリアの立て付け及び質感向上など、全面刷新されている。とはいえ、ハンドリングにおいては、まだまだおおらかな部分はあるし、V8+ATの鈍さなどもちゃんと残っている(笑)。このマスタングは、コンバーチブルであるが不快な振動や立て付けの悪さなど微塵も感じさせず、フロア剛性の高さをひしひしと感じさせる。そして幌のばたつきなども皆無に等しいので、走り出してすぐに、コンバーチブルであることを忘れてしまうほどだ。なので、もし懐具合に余裕があるならば、月一回のオープンのためだけにも、コンバーチブルを選んだ方が良いと思う。耐候性もほとんど問題にならないだろう。
 インテリアももの凄く進化している。各部の質感やウインカーなどの操作性が格段に向上し、個人的には先代型でも十分満足できたが、この新型なら仮に欧州車ファンが乗ったとしても満足できるほどフィーリングが良くなった。全体のバランスが良いし、シートなどの質感およびデザイン性が抜群に良く、今回はレザーがおごられていたが、非常に高いセンスが感じられたのである。

エンジンは、先代から11psアップした319ps、トルク441Nmを発生させ、より低温の吸気をエンジンに送り込む「コールドエア・インダクション」やデュアルCVT、可変吸気システムを採用することでエンジンの燃焼効率を上げている。ちなみに、V6エンジンは、213ps、トルク325Nmを発生。

アルミパネルがふんだんに使用されたインパネ。剛性感も高く各部のフィーリングも悪くない。こういった進化はクルマ自体の印象をもの凄く良くする。

シートはレザー張りで明るいブラウンカラー。非常にセンス良いインテリア。

アメ車的おおらかさがさらに進化した

 ボディの大きさは、全長×全幅×全高が4785×1880×1415ミリで、アメ車の中では小柄の部類に属するだろう。だが、ボディデザインが洗練されシャープさが増した分、迫力が増し、稚拙だがもの凄くカッコいいと思う。搭載されるエンジンは、V型8気筒SOHC。319ps、トルク441Nmを発生させる。正直、圧倒的なパワーではないが、パフォーマンスに対する馬力は十分かつ適切であり、コンバーチブルならなおさら全然OKであった。このクルマの良さは、普通に街中を走っている時に感じる「普通さ」である。カッコイイボディに300馬力を超えるエンジンを搭載し、のんびり走る優越感。街中を走る無機質なエコカーからは感じない満足感。そして過去のアメ車からは感じることの出来ない高い質感。そういったものを備えながら、走り難さを全く感じず普通の感覚で走行できることが最大のウリである。
 最近のアメ車の中では、ベストと断言できるほど個人的には気に入っている。というのも、このマスタングにはアメリカ的な部分がちゃんと残っているからである。新型=脱アメ車、みたいな新型アメ車が一時増えたせいか、新型に進化しつつもこうやってアメリカ的、大陸的なおおらかさが残っているクルマは非常に珍しいのである。たった200kmにも満たないドライブだったが、すべてにおいて進化したこの新型マスタング、「アメ車」に乗りたいなら、今一番オススメできる1台である。

個人的にもの凄く感動したバックモニター。バック時にバックミラーに後方視界が正確に現される。アメ車的には驚きのアイテムだった。

ホイールは235-50ZR18インチが標準装備。個人的な印象としては、V6装着のホイールがカッコいいと思うがいかがだろうか?

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