更新日:2012.03.21
文/椙内洋輔 写真/トヨタ自動車
北米トヨタがラインアップするパッセンジャーカーの中では、最大級のボディサイズを誇る3列シートミニバン。3代目となるこの現行シエナがデビューしたのは2010年。プラットフォーム自体は2代目からの継承だが、ボディサイズが大型化され6速ATが採用されるなど、デザイン、機能ともに格段に進化した。
日本では大小さまざまな車種を揃えるミニバン大国のトヨタだが、北米で販売するのはこの「シエナ」のみ。日本で販売されるミニバンと比べると、狭い道幅や「5ナンバー」などの規制に捕われないおおらかな設計が特徴。とくに5.1m×2mに迫る全長×全幅は、日本でのフラッグシップたるアルファード/ヴェルファイアを優に超えている。
一方で全高は1.8mに抑えられており、全高より全幅の大きな安定感のあるボディフォルムをキープ。限られた中で最大の車内空間を得ようと汲々とする日本のミニバンとは、ひと味違う思想で設計されている。
もちろん車内空間は広々としたもので、室内高こそ日本の箱型ミニバンには劣るものの、室内長・室内幅は圧巻のゆとりを誇る。また脱着可能な2列目シートなど、ユーティリティも優秀。多人数乗車に特化した日本のミニバンとは違い、いざと言う時にはバンやワゴンに匹敵する積載性も発揮してくれる。
グレード展開はベースグレードの他、「LE」、「SE」、「XLE」、「リミテッド」の全5種類で、最上級グレードにはムーンルーフやレザーシート、10基のスピーカーからなるJBLのオーディオシステムなども装備される。
搭載エンジンはパワフルな3.5リッターV6が主流だが、下位グレードには2.7リッター直4もラインアップ。直4とはいえ「4ランナー」などSUVの心臓も担うパワーユニットだけに、こちらもミニバン用としては十分なパフォーマンスを秘めている。駆動システムはFFと4WDの用意があるが、4WDは3.5リッターのみの設定となっている。
デビューからまだ間もないために、2012年モデルにおいても変更はない。