久しぶりのモデルX。最近モデル3やモデルYを扱うショップが増え取材する機会も断然増えているが、モデルXに関しては滅多に出会えない。聞けば「数がないんです」ということで、需要と供給のバランスが全く合っていないらしい。
だからか中古車としてHP等に掲載すると問い合わせが非常に多く、時には一瞬で売れてしまうらしい。
ちなみに、取材したブルートは2024年からテスラの中古車販売を始めているから、ここ最近取り扱いを始めたショップとは異なるノウハウがある。中古車に関する情報のみならず各種カスタムパーツの情報も豊富である。
そんなブルートが販売しているモデルXは2018年型「100D」。走行約6.8万キロの個体である。外装色はグレーメタリックで、外装に大きな瑕疵はなく、ホイール4本にもガリ傷が一切ない非常に優良なコンディション。

▲フルサイズSUVのごときサイズ感と風格を放つモデルX。実際にはEVのスーパーカーとも言える存在。

▲2018年型の中古車でグレードは「100D」。走行約6.8万キロの個体。
再び聞けば「当時「75D」「100D」「P100D」と3種類のグレードが存在するなかで、「100D」が一番安定しているから」という。これも様々な個体を扱うなかで得た見識ということだ。
改めてモデルX 100Dであるが、当時のグレードである「75D」と「100D」の違いは75kWhと100kWhのバッテリー搭載量の違いであり、100kWh仕様にはさらなるパフォーマンス仕様が存在し、それが「P100D」となる。ちなみに、DはAWDを表している。
当時の公式発表による最大航続距離は「75D」で最大417キロ、「100D」で最大565キロ、「P100D」で最大542キロというから、テスラがいかに大容量のバッテリー電池を搭載していたかがわかるだろう。
ちなみに、当然の話であるが、すでに中古車となっているわけだから、バッテリー等の消耗もあるだろうから、上記の最大航続距離は減っていると考えられる。だが仮に当時の80%程度と考えても「100D」で450キロは走るわけだから十分とも言える。
ということで、モデルXの概略を。2017年から発売が開始されているテスラモデルX。テスラモデルSに続くEVモデルであり、同社初のSUVであった。

▲モデルXの特徴の一つであるリアのファルコンドア。30センチほどのスペースがあれば開閉可能。

▲ガリ傷のないホイール。255-45R/20インチタイヤの組み合わせ。

▲グレードを示す「100D」のバッジ。
ボディサイズは全長5030×全幅2070×全高1680ミリ、ホイールベースが2965ミリ。くわえて車重が約2.5トンというからまさしくフルサイズ級のSUV。
丸みを帯びたクーペ風のデザインを有し、3列シートを持った6人乗車または7人乗車(取材車は7人乗車)を可能とし、室内空間は驚くほど広い。
そして特徴の一つがリアのファルコンドア。ガルウイングとも言えそうだが、実際の動作を観察すれば二重ヒンジにする等ガルウイング以上に複雑な機構を持ち天井部まで開口する。
これによりスライドドアよりも狭いスペースでのドア開閉を可能にしており、30センチほどのスペースがあれば開閉可能という。
このファルコンドアによって後席へのアクセスが格段に良くなり、2、3列目へのアクセスも超楽。しかも3列目の足元スペースの上下幅もあるから楽に座れるのもモデルXのポイントの一つである。

▲テスラ車の中ではまだ自動車的な名残が残っていると言えるインテリア。メーター類も設置されている。

▲インパネに設置されるメーター類には各種ゲージ類が表示される。非常に見やすい。

▲ステアリング右にシフトレバーが存在する。
そんな「100D」の0-100km/h加速は4.9秒! というから並みのスポーツカー以上の速さである。くわえて音もなく電気ならではの一気呵成の加速感で圧倒する。
それでいてバッテリー電池が床全面に敷き詰められているから低重心であり(同時に広い室内空間に寄与している)、そのバッテリーが前後車軸に装備されたモーターを駆動する4WDという仕組みであるから想像以上に安定感があり、コーナリング時の腰高な印象は皆無。
いわゆるアメリカンSUVらしい鷹揚とした乗り味は全くなく、逆にハンドルの遊びがほとんどなくキビキビ走るのがモデルXである=EV界のスーパーカー的存在と言われる所以である。
一方室内は、まだ初期のテスラ車の面影がいっぱい残っており、最新のモデルY等を見ている者からすると「ガソリンエンジン車に近い雰囲気を持つな」と思う。
それは、運転席目前に液晶のメーターディスプレイがまだ設置されており、センターコンソールの液晶タッチパネルにも前時代的な感じが漂っているから=逆に初めてのテスラ車としては、一部のモデルでDシフトやウインカーさえないモデルがある年式と比較すると、触れやすい印象も与えてくれる。
ちなみに最新モデルY等にはメーターディスプレイ自体がなく、センターコンソールのタッチパネルのみになり、インテリア全体が未来的な雰囲気を発しているし、年式が新しくなればなるほど極限までシンプルになっているのが特徴である。

▲ステアリング左側にウインカーが設置される。

▲センターコンソールにある巨大なタッチスクリーンに操作が集約されている。

▲ルーフはパノラミックガラスルーフで紫外線カットは当然のこと、室内が明るく開放感が味わえる。
取材実車は、距離数や年式から想像するよりも非常にコンディションが良く、インテリアの消耗が非常に少ない。特にセカンドシート以降には使用感すらない状態だから、今からでも十分楽しめる個体と言えるだろう。
なお、テスラ車の場合、年式が古くてもシステム自体はOTAによって更新されそのモデルの限界までは新しいバージョンのシステムにすることが可能であるから、年式が古い=システムも古いからダメとはならないところが、ガソリンエンジン車と大きく違うところである。よって2018年型のモデルXでも今から十分に楽しむことが可能である。
モデルXは、デザインや価格帯を含め一種のスーパーカー的存在とも言え、実用性はもちろんあるが、モデルYやモデル3と比較してかなり趣味性の高いEVと言えるかもしれない。そして恐らく今後、二度と登場することのない稀有なモデルだけに、そして中古車市場に流通しているモデルXの数が多くないだけに、気になる方は早い段階で乗ってみることをお勧めする。

▲使用感はあるが、想像以上の状態を維持しているシート。サイズ感も大きめで座りやすい。

▲二列目は3人乗車シート。さほどヤレを感じる部分がないのは嬉しい。

▲二人乗車の3列目シート。計7人乗車となる。

▲もう一台のモデルXを含めブルートには各種テスラの中古車が展示されている。
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