更新日:2021.10.27
文/田中享(Tanaka Susumu) 写真/ゼネラルモータース
C8発表直後から話題になっていたZ06の存在。これまでにも(C7までは)必ずや登場していたコルベットのトップモデル。だが、C8発表直後から噂されていたZ06の存在はかなり現代的なマシンになることが予想されたのだ。
エンジンはターボ化、もしくはスーパーチャージャーで武装された他モデル共用エンジン使用とか。またはハイブリッドも噂され、そうなれば現状日本には入ってこない…。
そもそもC8ですら、かなりのパフォーマンスだから、「個人的にはもういらない」とも思っていたが、事前のティーザー情報からはかなり期待ができるマシンであることがわかったのだ。
なんと、エンジンは新設計のNAV8というのである。もはやイタリアンスーパーカーですらターボ化されているなか、「あえて作るか?」と全く信用してはいなかったが、昨日発表されたニューZ06は、まさしくスーパーカーといったレベルで仕上げられていた。
搭載エンジンは、5.5リッターV8DOHC(LT6)。しかも高回転型を目指し、フラットプレーンのクランクシャフトを使用しているという。
ご存知、フラットプレーンのクランクシャフトは、シェルビーGT350に使用され、アメ車オーナーのなかでも認知度がかなり広まったクランクシャフトの形であるが、Z06もそれを使いレッドゾーン8600rpmを実現している。これ、シェルビーGT350の8250rpmをゆうに超えるている。
そのパワーは670hp/8400rpm、最大トルク460lb−ft/6300rpmを発生させる。それぞれの発生回転数に注目である。ミッションは8速のDCT。
ノーマルC8の6.2リッターV8LT2エンジンで495hp/6450rpm、最大トルク470lb-ft/5150rpmを発生させるから、最大トルクで若干劣るが、マックスパワーで175hpアップというのは凄まじい。というか、まさしくC8.Rがベースにある証でもある。
一方、これに合わせサスペンションを改良。タイヤサイズ、フロント275/30・20インチ、リア345/25・21インチを履き、カーボンホイールの設定もあるという。当然ブレーキもアップグレードされ、オプションにはセラミックカーボンブレーキも用意されている。
ボディは、ノーマルのZ06においてすでにフロントスプリッターと小ぶりなリアスポイラーが装備され、それにてダウンフォースを増やすことが可能というが、カーボンファイバーエアロパッケージを装着すればレーシングカーさながらの大型リアウイングが装備され、フロントスプリッターも大型化、アンダーボディに至るまでのエアロが装備され、一段と大きなダウンフォースを得ることが可能という。
さらにZ07パフォーマンスパッケージもあるから、相当なレベルに仕上げることも可能だろう。
ということで、C8コルベットデビューから2年、その進化版&トップモデルたるZ06は、さらなる高性能マシンとしてスーパーカーのごとき性能と造り込みを実現したのである。
なお、現時点での詳細発表がないため価格情報はなく、半導体チップ不足やコロナウイルス、および予期せぬ生産遅れを除き、2022年夏に発売が開始されるということだ。
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