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日本上陸第一号車を現地撮影

SRTバイパー (SRT VIPER Launch Edition)

もはやスーパーカーの領域に!

日本上陸第一号車となるSRTバイパーが現地アメリカから日本に向けて船積みされた。アメ車ワールドでは、その直前に現地スタッフによる撮影を行った。現地速報第一弾としてSRTバイパーはいかに?

更新日:2013.06.20

文/T.akatsuka 写真/Takenao Hayashi

取材協力/ASDN公式ホームページ TEL 052-408-0620 [ホームページ] [詳細情報]

ASDNによる日本第一号車

 アメ車ワールドで何度もお伝えしてきた新型SRTバイパーの日本上陸第一号車がついに船積みされた。

 この新しく生まれ変わったバイパーの輸入を手がけるのはASDN。バイパーに関しては発表当初から取り扱いを予定したというが、アメリカ本国でのディーラー網の構築が遅れていたことと、予想以上のプレミア価格が付いてしまったことなどから導入時期が遅れてしまっていたという。

 だがついに、実車が日本に向けて送られた。アメ車ワールドでは、現地スタッフにて船積み前の状況で一度取材させてもうことにしたのである。
 なお、日本上陸後には日本の道路にて試乗させてもらう予定である。

 まずバイパーに関しての情報として、標準モデルとGTSの2種類が用意されている。旧ダッジバイパーの時代には、GTS=クーぺという意味だったが、この新型では標準モデルとGTSでは、エンジンとパワートレインは共通だが、サスペンションの設定や装備、ボンネットフードのデザインといった部分が異なっており、価格もGTSの方が標準モデルよりも約2万ドルほど高くなっている。つまり、新型におけるGTSは、標準モデルに対するラグジュアリー的な上位モデルと考えて良いだろう。

 で、今回日本に向けて送られた第一号車は、「ローンチエディション」(Launch Edition)という2013年初期ロッドの限定モデルである。

 この「ローンチエディション」はGTSをベースとした150台限定の特別モデルである。クラシックブルーにホワイトのレーシングストライプが描かれており、旧バイパーから続くレーシーなイメージがウリのモデルである。

 ASDNの個体には、147/150というシリアルナンバーが刻印されており、また「ローンチエディション」は新型バイパーのGTSをベースとしていることから、豪華なインテリアパッケージが装備されていたりと、スペシャル感が高いモデルとなっている。

クラシックブルーのボディカラーにホワイトのレーシングストライプは、ローンチエディション専用のカラーである。旧バイパーにもこのカラーリングは存在していたから、思い出している方も多いかもしれない。

ローンチエディションには、専用の鍛造アルミが装着される。フロント18インチ×10.5J、リア19インチ×13.0J。タイヤはフロントP295/30ZR18、リアP335/30ZR19。

また、4ホイール・ディスク・パフォーマンス・ブレーキもローンチエディション専用装備となっているパーツである。

旧型比でまるで別物になったような進化

 上記でも触れた通り、「ローンチエディション」だからといって搭載されるエンジン等に違いはない。改めて記すと8.4リッターV10NAエンジンは最高出力640hp、最大トルク600lb-ftを発生させる。旧型は同排気量のV10で600hpを発生させていたから、新型は40hpのパフォーマンスアップを果たしている。

 目の前に見る実車であるが、オーラが凄まじい。ボディ自体は旧モデルからそれほど大きくなってはいないが(日本車でいえばGTR程度の大きさ)、見た目に感じる迫力は確実に高まっている。

 というのも新型は、旧バイパーにおける初代モデルをイメージしてデザインされたと言われているが、一世代前のバイパー(二世代目)よりもボディラインの抑揚が激しいから、今風のスポーツカーとして見ても非常に流麗なデザインとして評価でき、かつ洗練されている。

 さらに旧モデルにあった「ちょっとした安物感」がまったくなくなり、たとえばボディのチリの甘さや内装のプラスチッキー感などなど、超高級車たちと遜色ない質感を示していることに驚きを感じるのである。

 旧モデルでさえも形状としてはスポーツカーらしさ溢れるタイトなインテリアと雰囲気を有していたが(ここは無機質なインテリアのコルベットよりも断然勝っていた部分)、新型ではそこに質感がプラスされている(液晶タイプのメーターもgood!)。
 
 しかも、それは「ただレザーを使いましたよ」というようなものではなく、使用されるマテリアル選びから工作精度、およびデザイン等、あらゆる部分で向上し、さらに親会社のフィアット的(フェラーリ含む)な助言もあったのではと思えるほど、インテリアに華やかさが増しているのである。

 感覚的な話で申し訳ないが、旧型比で「10倍くらいの質感向上」と、内装だけでもまったく違うクルマのイメージに変化(進化)していると言って良い。

旧型のインパネにあった縦並びのメーターがスパルタンさを演出していたが、この新型ではそういった演出よりも、すべてにおいて質感向上が図られ、あらゆるオーナーに対する間口を広めた印象が強い。

液晶タイプのメーターも、質感向上とともに視認性向上が図られている。メーターは、中央にタコメーターが配置され、左にスピード、右に燃料計を配置。それ以外は必要に応じて内容が変えられるようになっている。

センターコンソール中央に配置されるインフォテイメントモニター。周りに使用されるパーツは、他車との汎用品もあるが、全体の質感向上が目覚ましい。まるで高級車のようだ。

先代までと異なり、シャープなデザインに変更されたヘッドライトが印象的だ。現在の市販車に搭載される自然吸気エンジンとしては、世界最強ではないかと言われる8.4リッターV10 SFIエンジンは、最高出力640HP、最大トルク600lb-ftを発生させる。街中を流すだけでも浸れるマシンである。

ついにスーパーカーの領域に迫る

 だからこそ、旧バイパーのイメージでこの新型に触れると、ちょっと拍子抜けする。少なくとも見ているだけでは、「すげー高級なスーパーカー」といった感じで、「スパルタン」なバイパーはイメージできず、ただ逆に、それだからこそ今度の新型は「かなり間口が広まった」とも言えるかもしれない。

 アメ車ファンからするとバイパーというのは、ある種雲の上の存在的なイメージがあるが、逆にフェラーリやランボルギーニ乗りからすると、単なる「パワーが凄いアメ車」といったイメージにとどまるらしく(上記で触れた安物感においてナメられていたのかも)、だが今度の新型は、そういう意味においても、スーパーカー乗りたちに十分アピールできる存在になったのである。

 初めて実車を見たが、今度の新型は完成度を増し、さらに存在価値を高めることで、改めて「アメリカンスーパーカー」の世界へ踏み出そうとしている感がある。だからこそ、比較対象として考えるのはコルベットではなく、フェラーリやランボルギーニ、ジャガー、アストンマーチンといったワールドワイドな超高級車たちなのかもしれない。

 新型は、旧バイパーにあった「乗り手を選ぶ特殊なスポーツカー」というタイプのクルマではなくなったのは確かだろう。
 今回の取材ではバイパーの性能のほんの触りの部分を体感したに過ぎないが、いずれにせよバイパーが高級スーパーカーたちと肩を並べる存在になったことは間違いない。
 実際には、これほどの性能がフェラーリやランボルギーニの2/3程度(ものによっては半分程度)の金額で手に入るところに、新型バイパーの価値を知るのである。

旧型ACRからシフト改良が行われていたが、この新型でもシフトフィーリングは最良かつ適切で、シフトする歓びを感じさせるもの。

「ローンチ・エディションには「GTS ラグナ・インテリア・パッケージ」が含まれているので、インテリアはサベルト・ラグナ・レザー・シート、アルカンターラ・ヘッドライナー、ラグナ・レザー・シフト・ノブ、プレミアム・レザー・ラップド・ドア・トリム・パネルといった豪華装備が奢られている。

バイパーになくてはならないサイド出しのエキゾーストは、日本の加速騒音試験に適合させるために、ASDNが独自にエキゾーストを開発して改善を行うことが決定しているという。

今回の取材ではSRTバイパーの性能のほんの触りの部分を体感しただけの印象なので、将来的にサーキットなどで思いっきりアクセルを踏み込んだ時にはまた違った一面が見えるかもしれない。

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