アメ車ワールドで何度もお伝えしてきた新型SRTバイパーの日本上陸第一号車がついに船積みされた。
この新しく生まれ変わったバイパーの輸入を手がけるのはASDN。バイパーに関しては発表当初から取り扱いを予定したというが、アメリカ本国でのディーラー網の構築が遅れていたことと、予想以上のプレミア価格が付いてしまったことなどから導入時期が遅れてしまっていたという。
だがついに、実車が日本に向けて送られた。アメ車ワールドでは、現地スタッフにて船積み前の状況で一度取材させてもうことにしたのである。
なお、日本上陸後には日本の道路にて試乗させてもらう予定である。
まずバイパーに関しての情報として、標準モデルとGTSの2種類が用意されている。旧ダッジバイパーの時代には、GTS=クーぺという意味だったが、この新型では標準モデルとGTSでは、エンジンとパワートレインは共通だが、サスペンションの設定や装備、ボンネットフードのデザインといった部分が異なっており、価格もGTSの方が標準モデルよりも約2万ドルほど高くなっている。つまり、新型におけるGTSは、標準モデルに対するラグジュアリー的な上位モデルと考えて良いだろう。
で、今回日本に向けて送られた第一号車は、「ローンチエディション」(Launch Edition)という2013年初期ロッドの限定モデルである。
この「ローンチエディション」はGTSをベースとした150台限定の特別モデルである。クラシックブルーにホワイトのレーシングストライプが描かれており、旧バイパーから続くレーシーなイメージがウリのモデルである。
ASDNの個体には、147/150というシリアルナンバーが刻印されており、また「ローンチエディション」は新型バイパーのGTSをベースとしていることから、豪華なインテリアパッケージが装備されていたりと、スペシャル感が高いモデルとなっている。
上記でも触れた通り、「ローンチエディション」だからといって搭載されるエンジン等に違いはない。改めて記すと8.4リッターV10NAエンジンは最高出力640hp、最大トルク600lb-ftを発生させる。旧型は同排気量のV10で600hpを発生させていたから、新型は40hpのパフォーマンスアップを果たしている。
目の前に見る実車であるが、オーラが凄まじい。ボディ自体は旧モデルからそれほど大きくなってはいないが(日本車でいえばGTR程度の大きさ)、見た目に感じる迫力は確実に高まっている。
というのも新型は、旧バイパーにおける初代モデルをイメージしてデザインされたと言われているが、一世代前のバイパー(二世代目)よりもボディラインの抑揚が激しいから、今風のスポーツカーとして見ても非常に流麗なデザインとして評価でき、かつ洗練されている。
さらに旧モデルにあった「ちょっとした安物感」がまったくなくなり、たとえばボディのチリの甘さや内装のプラスチッキー感などなど、超高級車たちと遜色ない質感を示していることに驚きを感じるのである。
旧モデルでさえも形状としてはスポーツカーらしさ溢れるタイトなインテリアと雰囲気を有していたが(ここは無機質なインテリアのコルベットよりも断然勝っていた部分)、新型ではそこに質感がプラスされている(液晶タイプのメーターもgood!)。
しかも、それは「ただレザーを使いましたよ」というようなものではなく、使用されるマテリアル選びから工作精度、およびデザイン等、あらゆる部分で向上し、さらに親会社のフィアット的(フェラーリ含む)な助言もあったのではと思えるほど、インテリアに華やかさが増しているのである。
感覚的な話で申し訳ないが、旧型比で「10倍くらいの質感向上」と、内装だけでもまったく違うクルマのイメージに変化(進化)していると言って良い。
だからこそ、旧バイパーのイメージでこの新型に触れると、ちょっと拍子抜けする。少なくとも見ているだけでは、「すげー高級なスーパーカー」といった感じで、「スパルタン」なバイパーはイメージできず、ただ逆に、それだからこそ今度の新型は「かなり間口が広まった」とも言えるかもしれない。
アメ車ファンからするとバイパーというのは、ある種雲の上の存在的なイメージがあるが、逆にフェラーリやランボルギーニ乗りからすると、単なる「パワーが凄いアメ車」といったイメージにとどまるらしく(上記で触れた安物感においてナメられていたのかも)、だが今度の新型は、そういう意味においても、スーパーカー乗りたちに十分アピールできる存在になったのである。
初めて実車を見たが、今度の新型は完成度を増し、さらに存在価値を高めることで、改めて「アメリカンスーパーカー」の世界へ踏み出そうとしている感がある。だからこそ、比較対象として考えるのはコルベットではなく、フェラーリやランボルギーニ、ジャガー、アストンマーチンといったワールドワイドな超高級車たちなのかもしれない。
新型は、旧バイパーにあった「乗り手を選ぶ特殊なスポーツカー」というタイプのクルマではなくなったのは確かだろう。
今回の取材ではバイパーの性能のほんの触りの部分を体感したに過ぎないが、いずれにせよバイパーが高級スーパーカーたちと肩を並べる存在になったことは間違いない。
実際には、これほどの性能がフェラーリやランボルギーニの2/3程度(ものによっては半分程度)の金額で手に入るところに、新型バイパーの価値を知るのである。
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