TEST RIDE

[試乗記]

日本で生まれてアメリカで育った帰国子女

FJクルーザー チームトレイルエディション (FJ CRUISER Trail Teams Special Edition)

左ハンドルながらトヨタ車の安心感

FJクルーザーのイヤー限定モデルとなるチームトレイルエディションの2012年モデルに試乗した。

更新日:2016.03.25

文/椙内洋輔 写真/古閑章郎

取材協力/シャインストリートジャパン TEL 045-507-6464 [ホームページ] [詳細情報]

日本国内で一大ブレイクを巻き起こす

 FJクルーザーは、2007年にデビューした北米専用車種だった。だが、製造は日本の東京羽村の日野工場というのは周知の事実であり、日本で製作され北米に輸出されていた車両だった。

 だが、そんな経緯があったとしても、FJクルーザーのネーミングとチャーミングなデザインが一気に広まり、日本国内で一大ブレイクを巻き起こす。いわゆる逆輸入車の代表格として日本に逆戻りしてきた車両が大量に現れたのである。

 ちなみに、トヨタタンドラは北米トヨタ工場にて製作されているからホントの逆輸入。だがFJクルーザーは、日本からアメリカに行き、また戻って来た、まるで帰国子女のような存在だった。

 なおトヨタ自動車は、こうした並行車としてのFJクルーザー人気が高まったことを理解してか、アメリカデビュー4年後の2012年に日本での発売を開始する。もちろん右ハンドル車。北米逆輸入車では6速MTや2WDも選べたというが、日本国内右ハンドルモデルは5速ATの4WDのみだった。

デザインは60年代に登場した第3世代のランクルの格好の再現を狙ったもの。単純な箱のカタチの組み合わせで構築されているのだが、デビュー当時に流行っていた流麗なSUVたちとはまるで異なる別格なチャーミングさで人々を魅了した。

北米仕様のFJクルーザーは2014年をもって生産終了となっているから、程度の良い車両をいち早く入手し、大切に乗るのも楽しみ方のひとつだろう。

リアドアは下から上に開く方が使い勝手は良いはずだが、あえて右開きのドアになっている。

リアドアはフロントドアを開けてから後ろ側に開く観音開きタイプ。慣れれば問題ないが、最初は若干戸惑う。

往年の雰囲気を持つデザインであえて勝負

 それにしてもFJクルーザーのデザインは衝撃的だった。箱型の道具感を満たしながらも独特のチャーミングさで包まれたデザインだ。

 たとえば、スポーツカーのスタイリングは「いかにスピード感やパワフル感を醸し出すか」がテーマである。だからノーズは空気を切り裂くように尖り、全体のプロポーションはくさび型になる。

 一方でクロカンやSUVは、絶対的なスピードでなく、荒地を走破するための、言わばアウトドアギアである。つまり道具だから、道具としてのカタチが相応しい。

 そこで昔からこの手のジャンルのクルマたちは、各職種のプロが使うツールのように、シンプルで力強い格好にデザインされてきた。道具に余計な飾りはいらない。シンプルで造り易い形状が一番。で、そういうカタチのほうが、見るからに信頼できる。それと同じようにクロカンやSUVはだから四角く無骨だったのである。

 そんな時代が続くと思われたはずだったが、SUVのデザインに改革がおき、ガンダム風のSUVが登場したかと思えば、スポーティカーを売りにするメーカーや高級車を擁するブランドが、ブランド力の目印となる要素を取り込んで流麗なデザインのSUVを作ってきた。

 いつの間にか四角い無骨なSUV(のデザイン)は時代遅れの産物となったのである。

 だがFJは、そういう状況を振り払うかのように、往年の雰囲気を持つデザインであえて勝負を挑んできた。デザインは60年代に登場した第3世代のランクルの格好の再現を狙ったもの。単純な箱のカタチの組み合わせで、それは構築されている。

 実は材料は鉄ばかりでなく、樹脂も多用しているのに、鉄板をプレスで簡単に折り曲げて作ったような箱型である。FJクルーザーは、単なるレトロではなく、そこから立ち上る印象や温度感まで、実に道具っぽかった昔のクロカンSUVを再現しようとしており、事実、そのデザインが何ともチャーミングにみえ、人々を魅了したわけである。

TRD6スポークスペシャルエディションアロイホイール。

サイドステップにて乗降性は悪くない。

マフラーはボーラに交換されている。

左ハンドル車だがトヨタ車の心地良さ

 いまだに珍しいのか? 街行く人が怪訝な顔をする。丸目にTOYOTAのエンブレム。キョロキョロ、左ハンドルか…。隣を走るトラックの兄ちゃんがコチラを覗いてくる。さらにキョロキョロ…。多少気恥ずかしい感のある赤いFJクルーザー。ボディの幅は、全幅1895ミリ、全高1829ミリ。だからパッと見、正方体。そんなプロポーションのクルマが勢いよく一般道を走れば、誰もが注目するはずである。

 FJクルーザーは、旧ランドクルーザー・FJ40からデザインコンセプトを受け継いだオフロードビークルだ。ファニーなフロントマスクは、丸目ヘッドライトと四角いラジエターグリルで構成され、樹脂製バンパーやフェンダーアーチ、背面タイヤなどで、チャーミングでありながら無骨なオフロードスタイルをアピールしている。

 ボディは5人乗車の4ドアで、リアドアはフロントドアを開けてから後ろ側に開く観音開きタイプ。居住性はどちらかというと前席メインでリアシートへのアクセスや居心地は、お世辞にも良いとは言い難い。 だが、それでもFJの評価はまったく変わらない。すばらしく楽しい雰囲気で満たされている。

 搭載されるエンジンは4リッターV6の1GR-FE。276ps、最大トルク38.8kg-mを発生させ、5速ATと組み合わされる。余談だがこのエンジン、ランクルプラドや4ランナー、タコマ等と同じエンジンだったが、みな新たなエンジン搭載となってしまっていることからも、FJの生産終了が噂されていたのである。

 実際に走り出すと感じる軽快感。すべてに感じる「軽さ」。だが、ステアリングの反応はしっかりと掌に伝わり、ブレーキも踏めば確実にスピードを殺す。でもこの感覚こそトヨタ車の心地良さ。左ハンドル車だが、いい意味での安心感に満たされる。

 インテリアも遊び心満載のデザインであり、見た目にも機能的にも充実しているところはトヨタ的というよりは、どちらかというと外車的な印象を与えてくれる。厚手のグローブを着けたまま操作できるヒーターコントロールダイヤルやインサイドハンドル、ドアグリップなど、実用性とデザイン的なインパクトを見事両立させているのはさすがである。

2011年はアーミーグリーンカラーのトレイルチームスペシャルエディションだった。硬派なイメージが人気を呼んだが、震災の影響もあり非常に入手困難な仕様だったといわれている。

搭載されるエンジンは4リッターV6の1GR-FE。276ps、最大トルク38.8kg-mを発生させ、5速ATと組み合わされる。性格上、パワー感は十分だった。TRDのラムエアは後付けパーツ。

左ハンドル車で室内空間は特有の個性で満たされるが、走れば感じるトヨタ車としての安心感。この味を嫌う方ももちろんいるだろうが、逆に好きな人にはたまらないフィーリングだろう。

2012年専用のラディアントレッドの内外装

 今回撮影したFJクルーザーは、2012年型のFJクルーザートレイルチームスペシャルエディションという限定車。

 この限定モデルは、2008年から毎年発売され毎年仕様が異なるFJクルーザーの中でのイヤー限定モデルであり、日本では2011年に発売されたアーミーグリーンカラーのトレイルチームスペシャルエディションの人気が高く、即売が相次いだという。すなわち、ベースカラーがアーミーグリーンであり、ファニーな印象をもたらすFJに硬派な雰囲気がもたらされたことが勝因であったのだろう。

 一方、この2012年モデルは、ラディアントレッドという赤いボディカラーによって構成されている(2013年はセメントグレーだった)。ブラックアウトされたグリル、ミラー、ドアハンドル、バンパーなどが、外見上の特徴となっている。一方インテリアは、ドアトリム、ステアリングホイールやファブリックシートにこのボディカラー同様、赤いアクセントがもたらされている。

 なお、アクティブトラクションコントロール(A-TRAC)やTRD6スポークスペシャルエディションアロイホイール、ビルシュタインショックなどが、前年モデル同様に装着され、その名に恥じないスペシャルな走りを実現しているのは間違いない。また今回の試乗車のように走行距離1万8000キロという奇跡的に短い走行距離は、滅多にお目にかかれない代物だろう。

 またまた余談だが、このトレイルチームスペシャルエディションは、2014年にトレイルチームアルティメットエディションに様変わりし、いわゆる究極の最終モデルという意味を含んだ貴重な最終限定モデルとして北米で人気を博したのである(北米モデルのFJは2015年で生産終了である)。

 シャインストリートでは今回取材させてもらったトレイルチームスペシャルエディションのほか、希望すれば他の年代のトレイルチームスペシャルエディションを北米から輸入することも可能である。

 また日産&インフィニティ系の逆輸入車も積極的に扱っているだけに(ムラーノ、アルマダ、QX、MX-5等が当日在庫されていた)、逆輸入車ファンもしくは興味を持ったユーザーはいろいろ相談してみるといいだろう。かなり有益な情報を教えてくれるはずである。

インテリアは、ドアトリム、ステアリングホイールやファブリックシートにこのボディカラー同様、赤いアクセントがもたらされている。全体のムードは非常に良好。

厚手のグローブを着けたまま操作できるヒーターコントロールダイヤルやインサイドハンドル、ドアグリップなど、実用性とデザイン的なインパクトを見事両立させている。

在り来りなシートよりもこうしたデザインされたシートの方がオーナーとしての所有欲が満たされる。室内空間の赤いアクセントの使い方がお見事である。

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