クワッドドライブが新たなベース車を引っ提げ、新プロジェクトを開始する。ベースとなるのはレクサスLX570。言わずと知れたレクサスブランドのフラッグシップSUVである。
本国ではあのキャデラックエスカレードよりも価格が高いということで、まさにプレミアムな存在だが、そいつをベースに同社オリジナルのパフォーマンスモデルにカスタマイズするという。
「弊社の中では、『高級SUV・トラック系』、『スポーツカー系』、そして『逆輸入車系』と大きくわけて3つの柱があるのですが、これまでにクワッドでは前2つの柱に関して様々な手法を試みてきましたが、今回はもうひとつの重要な柱である逆輸入車系に的を絞ってやっていこうと考えております。
レクサスの場合、アフターパーツが少ないというネガがあるんですが、そこはクワッド流の現車合わせで対応し、外見はジェントルに、そして中身は凄みを増した状態で、あくまでも街中をサラッと走れる仕様を目指します」と代表の林氏。
逆車と聞いて思い出す車両といえば、タンドラにセコイア、そしてシエナ辺りが一般的だと思うが、レクサスLX570は基本、ランクル200をベースとしていることもあって、570への注力によってタンドラやセコイア辺りにはもちろん流用できるだろうし、570を仕上げることで今後インフィニティ等への波及効果も期待できるはずだ。
ちなにに、レクサスLX570は、今年8月以降日本でも販売が開始されるということで、まさにジャストタイミングではないかと思う。
「ご存知かもしれませんが、カスタムや改造は、クルマの知識だけでなく、修理の技術がないとできないのです。弊社の考えるカスタムは、単なるパーツの取り付けではありませんし、弊社なりに『そのカスタムはやっていいのか、やってはいけないのか』を判断していますし、やるならやるで、それにまつわるテスター等の機器が揃っていないと万全ではないのです。
さらにエンジンをいじれば足回りの負担を考え、ブレーキを考慮し、それら以外にも電気系やコンピューターや空力やアライメントに至るまでetc、弊社なりに総合的に判断して作業しています。なのでLX570を仕上げること、すなわちトヨタ系逆輸入車全般のスタディケースとして、いろいろ試してみたいと考えています」
コンセプトは、あくまで日常的に気軽に使えるクルマ、だがアクセルを踏み込めば爆発的な加速力によって欧州パフォーマンスSUVにヒケを取らないハイパフォーマンスカーを目指すという。
だからこそ、ド派手なエアロは装着せずにワンオフ加工でシックにキメ、かつ極端なローダウンも行わず、あくまでレクサス風情を壊さずパフォーマンスで勝負する。
「現状で、エンジンパフォーマンスを上げるスーパーチャージャー、吸排気系、足回り、そしてブレーキにホイール等を検討していますし、ボディ系も若干手を加える予定です」
スーパーチャージャーはTRD製を使用し、ブレンボの大径ブレーキキットに、ホイールはノーマルの20インチから22インチ程度へのインチアップを検討している。加えてパフォーマンスにこだわるだけにモノブロックのホイールを検討しているという。
「LX570は、スペック的には383hpですから、最終的には新型エスカレードを超えるくらいのパワーは出せると思いますし、確実に速くなると思います」
すでにノーマル状態でのパワーチェックを済ませており、車両のコンディションもおおむね良好ということで、今後の進展に注目である(今まさに実作業中である)。
編集部的には今後も取材を続け、作業編、そして完成編と今回を含め3部構成にて紹介していくつもりである。なお、ノーマル状態で試乗させていただいた試乗記は、別途参照しているのでそちらを確認いただきたい。
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