タンドラ言えば、フォードF-150、シボレーシルバラード、そしてラムトラックなどと競合する北米トヨタの専用フルサイズピックアップトラックであり、現行タンドラは2006年、シカゴモーターショーでデビューすると同時に、圧倒的な存在感によって競合たちの度肝を抜いた。
それから7年を経た2013年、2014モデルとして初の大幅改良が施された。そしてタンドラは、再び衝撃的な二の矢を放ったのである。
タンドラのようなフルサイズピックアップトラックは、米国おいて牧場で使われるケースが多いというから、そんな顧客層を意識した特別モデルを用意したのである。それが「1794エディション」である。
それまでF150King Rnach、ラムLaramieといった他メーカーの高級ピックアップトラックたちが独占していたシェアを奪いにかかったわけである。
1794エディションとは、タンドラの生産工場があるテキサス州サンアントニオ市のWalsh Ranch(ウォルシュ)牧場ができたのが、今から200年以上前の1794年だったことにちなんだものであり、古くからピックアップを愛する牧場のユーザーに強くアピールするモデルとなっている。
しかも、ビッグ3のピックアップには存在しない5.7リッターV8エンジンを搭載している。381hp、最大トルク401lb-ftを発生させるが、じつはパワー以上に5.7リッター=「350のV8」にこだわる向きは多い。リアルアメリカンにこだわるテキサス州のピックアップ乗りにはなおのことウケがいいのである。
すなわちそれは、フォードF150「King Rnach」やダッジラム「Laramie Longhorn」などに真っ向から勝負を挑む、タンドラのスペシャルモデルということである。
インテリアは、米国西部のライフスタイルにヒントを得たものといい、専用のサドルブラウンのレザーシートは、スエードのアクセント入り。シフトコンソールや前後のドアトリム、インパネには、ソフトタッチ素材が使われるなどして質感を高めている。
またヒーター&空調機能付きシートやJBL製プレミアムオーディオ、ナビゲーションシステム、車載コネクティビリティの「Entune」を標準装備するなど、圧倒的なプレミアム感が満載のピックアップである。
ちなみにF150King Rnachとは、テキサス州にあるキングランチ牧場とのタイアップモデルであり、F150の上級グレードして存在している。ウッドで囲まれたインテリアとブラウン系のプレミアムレザーシートのコンビネーションはトラックのレベルを超えたまさしくラグジュアリーカーといえる存在だった。
第二世代のタンドラは、こうした一部上級ユーザーをも奪いにかかったわけである。
この1794エディションは、現行タンドラにおいてはトップグレードとして存在し、従来のトップグレードである「プラチナム」よりも上位にあたる。ボディはクルーマックス専用であり、外装色は選べるものの、インテリアはサドルブラウンのみとなる。ちなみにこの白は売約済だが、黒なら在庫があるという。
エクステリアは、基本プラチナムと同様であり(グリルや20インチホイール等も)、ボディに貼られるエンブレムバッジだけが専用品となる。
だが、ドアを開けた瞬間の雰囲気はまったくの別物である。室内を明るく見せるサドルブラウンのレザーシートは、テキサスの伝統的なライフスタイルを象徴したもののように見え、一般的なタンドラよりもアメリカ濃度が格段に高い。
これまで見たタンドラは、モケットシートやブラックレザーシートで、いわゆるトヨタ的な内装が普通であったが、1794エディションには米国西部の古き良き文化が垣間見れるのである。
実際に乗ってしまえば、1794エディション専用の装備的なものはなく、いわゆる「タンドラ」であることに間違いないのだが、だが乗っている間中、常に視界に入る部分や、実際に手に触れる部分がカウボーイチックな意匠だけあって、ドライバーの意識がまったく違うのである。
常にどこかで「トヨタ」を意識していた他モデルとは異なり、タンドラであるにもかかわらず、アメリカンを気取れる雰囲気がいい。
たとえばウエスタンシャツとか、ウエスタンブーツとか、日本でアメリカンホースライディングを楽しむような方々には、たまらないピックアップではないだろうか。
このタンドラ、単なるタンドラの上級グレードとして乗ると意外につまらないかもしれないが、前述したようにアメリカ西部伝統のライフスタイルに興味ある方、もしくはそういう雰囲気を気取りたいという方なら間違いなく最高の1台になるだろう。
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES