2015年に登場した現行マスタングは、これまでの北米専用車からグローバルカーとして生まれ変わったことにより、世界中の法規や安全基準を満たさなければならなくなった。
くわえて、それまで数千台だった輸出が、新たに110カ国16万台強に激増することによる各部の念入りなチューニングや製作精度の向上により車両のクオリティは段違いに上がっている(この部分が非常に重要である)。
だからこそ、日本からフォードディーラーが撤退してしまった今なお、最新マスタングやその他魅力的なフォード車が欲しいというのなら、今回取材させていただいたBCDのような、長年自社で直輸入したフォード車を積極的に取り扱い(マスタングに限らずF150やエコノライン、さらにはラプター、ナビゲーターetc)、整備や保証を兼ね備えたアフターフォローのしっかりした店舗であれば、「正規ディーラーと同様」とまでは言わずとも、それに近い状態で今後もマスタング(フォード車)に乗ることは可能だと思うのである。
同時に、新車に関して言えばボディカラーや細かい仕様、オプション装備等にこだわって注文することも可能だし、何より現車を見て商談が可能であるということ、そして場合によっては直接試乗が可能だったりするわけだから、「直輸入モデル」という不安をまったく感じることなくフォード車を楽しむことが可能なのである。
なお、そんな直輸入されたBCDの車両には、まずはアメリカでBUBUの日本法人によるチェックが入り、その後日本にてBUBUのスタッフによる確認と第三機関による車両の精査が入る。
つまり新車以外の直輸入車両は計三度の見極めが行われるのである。
ということで、展示車両としてBCDの売り物になっている車両たちには、そうした壁を越えたものだからこその手厚い保証があり、買い取り価格の良さにも繋がるのである。
さて、そうした基準をクリアした2018年型のコンバーチブルである。走行距離は2万4000キロ弱走行。価格は458万円。グレードは、エコブーストのプレミアムだから搭載エンジンは直4エコブーストターボであり、それに10速ATが組み合わされる。
それにしても驚きである。最新マスタングにしてコンバーチブル。それが500万円を大幅に切る価格帯。それでも見た目はまるで新車のようだし、室内関連の各部にもヤレや粗雑に扱われた形跡は皆無である。=こうした程度良好の車両を見極め日本に持ち込むのがBCDの使命ではあるのだが、それにしても超が付くほどのお買い得車両だろう。
早速取材である。シートに座り頭上の手動ロックを外しトップ開ける。ボタン操作でざっと約10秒。あっという間にオープンになる。その動きの完成度はかなり高い。もちろん幌を閉めた状態での走行はまるでクーペのような耐候性および静粛性である。
さらに手を伸ばすシフトの位置や触れたときの感触の良さ、シフトを動かしたときの動作感や節度感にインパネ周りの作り込みは、アメリカ的というよりは世界品質のそれであり、もはや「アメ車だから」と粗雑さを嘆くことはまったくない。
くわえてステアリングの剛性感が非常に高く、先代マスタング後期から採用されていた電動パワーアシストのフィーリングも違和感なく自然な切れ味が好ましい。またブレーキのタッチと剛性感がこれまた非常に高く、これまでのアメ車では体感したことのない欧州車のような硬質なフィーリングである。
まったくの余談だが、この車両の直後に最新のチャレンジャーR/Tの新車を少し動かしたのだが、その時のチャレンジャーのステアリングの軽さやステアリング径の大きさは、まさしく旧アメリカ的なそれだった(笑)。ようは、わかり易いアメリカ的セッティング。一方で、マスタングはステアリング径がチャレンジャーのそれよりは明らかに小さく、パワステも重い。
個人的な感想を言えば、マスタングは本気で欧州車的フィーリングを目指しているのではないか。そのくらいの明確な違いである。
さて、2018年モデルのエコブーストでは、2.3リッター直4エンジンに新たに10速ATが組み合わされる。しかも、そのオープンモデル。2018年からフロントマスクを含むデザインの変更が行われ賛否両論あったと聞くが、筆者的には「見慣れた」というのが正直なところ。
実際、このシルバーのコンバーチブルは恐ろしいくらいにカッコイイ。個人的にシルバー好きというのもあるし、取材日の天気が曇っていたこともあり、鈍く輝くメタル的なボディが非常に素敵だった。
もちろん、このシルバー×ブラックの組み合わせがシックだし大人びてオススメだが、もし新車を検討するなら、このボディカラーに「内装はレッドもいいかも」と、遊び心を効かせた仕様も本気でオススメである。
それにしても、マスタングのコンバーチブルは本当に素晴らしい。見た目は常にスタイリッシュだし、実際に乗ってもボディの取り回しで苦労することもなく、ボディの剛性感が低いわけでもなく、逆に全域で気持ちよく、低速で走っている時にも楽しく、それでいて雨が降っても耐候性高いわけだから、選ばない手はない。
もちろん、310hp、最大トルク350lb-ftを発生させる直4ターボエンジンが搭載されているから飛ばせば間違いなく激速だが、飛ばさなくても気持ち良いのがコンバーチブルの魅力だし、そういう意味では金銭的にも精神的にも余裕のある大人にこそコンバーチブルは似合うのだろう。
オープンのまま走らせても想像以上に風の巻き込みは少ないし、取材した11月中旬の気候なら一段と気持ちいい(真冬のオープンもオススメである)。さすがは「オープンカーの国が作っただけはある」と感心しきりだった。
2015年に登場した現行マスタングだが、初期モデルを購入したオーナーさんはそろそろ車検を迎えるのではないだろうか。もちろん、継続車検を取ることに異論はないが、もし乗り換えを検討するなら、「次はコンバーチブルはいかがでしょう」と提案したい。
現行マスタングの進化を味わうことが可能であるし、コンバーチブルという変化を得ることも可能である。それにくわえてディーラーに匹敵するBCDのような存在があるわけだから、乗り換えもスムーズに行えると思うのである。
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