今回取材したマスタングは直4エコブーストターボを搭載した2021年型のBCD車両で走行9000キロの個体。
アメ車といえばV8というのがデフォルトかもしれないが、マスタングに限ってはその限りではないというのが定説で、免許証取り立ての若者から年金受給者に至るまで人気が高い。
それは、まだ日本にフォードのインポーターが存在していた頃のダウンサイジング戦略が功を奏し、当時から非常に人気が高かった。
だが、インポーターが消滅し、その後並行輸入車が多くなるとV8モデルの存在感が増していた。
が、BCDは当時からV8と直4モデルを常時ラインナップさせており、他店がほぼほぼ扱わなくなった今になっても直4モデルの扱いを減らすことなく続けている。そして今、新たなBCD車両が入荷している。
また直4ターボといえど、V8エンジンに劣らないそのパフォーマンスが魅力的である。
2.3リッター直4エコブーストターボは310hp、最大トルク350lb−ftを発生させる。一方で当時のV8GTの5リッターV8は460hp、最大トルク420lb−ftを発生させた。
だから、スペック的な数値だけを見れば150hpのパワー差でGTの圧勝である。
だがこの両者の車重には約90kgの違いがあるから(直4エコブースト1603kgに対しV8GTの1693kg)、曲がりくねった道を走り回れば、直4モデルの優位性が効いてくるかもしれない。
くわえて車両の耐久性で言えば、V8GTと同じボディに約90kg軽く150hp低いパワーのエンジンが搭載されているわけだから、ボディに与えるダメージが少なくなり、10年15年と経つにつれボディの印象の違いが明確になるはずである=長く乗るならおすすめ。
それでいてリッター100hpを超える310hpの直4ターボは非常にパワフルであり、唸りを上げる直4エンジンサウンドもかなり攻撃的で面白い。
もちろんV8ほどの情感はないが、それでもスポーツカーとしての盛り上がりやパワー感は十分に感じられるから、直4ターボに魅力を感じる方々の気持ちも十分にわかるのである。
くわえてこの個体はコンバーチブルである。しかも高年式の低走行距離だけに非常に貴重な存在である。
余談だが、現代のアメ車においてその進化がはっきりと体感できるのがコンバーチブルである。幌の耐候性、ボディ剛性、そして屋根を開けた時のスタイルetc、旧時代のアメ車とは全てにおいて一線を画す。くわえて日常と非日常とを一台で、しかもワンタッチで味わえるのだから素晴らしい!
ということで取材個体。2021年型のBCD車両ということで抜群のコンディション。インテリアの質感やコンディションも非常によく、レザーシートにおいても使用感がほとんどない状態。何よりコンバーチブルというのがフルラインナップを謳うBCDらしい。
くわえてボディカラーのアンチマターブルーが非常に素敵である。大人っぽくもあり、聞けば「日の当たり方によって見え方が異なる」というほど魅力的なカラーである。
コンバーチブルは電動仕様で、シートに座り頭上の手動ロックを外しボタンを押せば約10秒ちょっとでトップが開く。もちろん幌を閉めた状態での耐候性や静粛性は十分あり、クーペとしても使えるほどである。
同時に手を伸ばすシフトの位置や触れたときの感触の良さ、シフトを動かしたときの動作感や節度感にインパネ周りの作り込みは、アメリカ的というよりは世界品質のそれであり、もはや粗雑さを嘆くことはまったくない。
プラスして幌を下ろした状態でのスタイリッシュな雰囲気は筆舌に尽くしがたい。
実際に乗っても満足感は非常に高い。なんせ一粒で二度美味しいクルマだし、リッチな気分にも浸れる。
というのも4座のコンバーチブルには独特のムードがあり、個人的にはちょっと裕福な、セレブ的な印象が漂っていると思っている。くわえて4座ならファミリーカーとしても使えるし、それでいてマスタングの動力性能を備えているわけだから、言うことなしだろう。
ちなみに、310hpを発生させるターボエンジンが搭載されているから飛ばせば間違いなく速い。が、飛ばさなくても気持ち良いのがコンバーチブルの魅力だし、そういう意味では金銭的にも精神的にも余裕のある方にこそコンバーチブルは似合うのかもしれない。
カマロもそうだが、4座のコンバーチブルは意外に数が少なく、欲しいと思ってもそう簡単には買えない時代である。だから、もし今、程度の良い4座のオープンカーを探しているなら積極的にこのマスタングを確認すべきだろう。
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