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新型300、ファーストインプレッション!

クライスラー 300C (CHRYSLER 300C) VOl.2

新型は、旧型を超えるほどの人気車となるか?

2004年に登場した初代クライスラー 300がモデルチェンジし、2代目が登場したのが2011年のこと。そのモデルチェンジに関しては、各方面でかなりの反響だった。というか、どちらかというと賛否両論といった方がいいかもしれない。もちろんそれは、初代の影響力が強いからに他ならないのだが。登場から1年が経ち、日本にもかなりの数の2代目モデルが出回ってきた。ということで、早速取材させてもらった。

更新日:2012.05.11

文/石山英次 写真/田村翔

取材協力/レアルトレーディング TEL 0429601611 [ホームページ]

初代との違いは歴然

 取材車両は2011年型の「300 リミテッド」。3.6リッターV6エンジンを搭載したモデルである。ちなみにこの2代目モデルのエンジンバリエーションは3.6リッターV6、5.7リッターV8、6.4リッターV8の3つとなる。これらに5速ATと8速AT(2012年モデルから追加された)が組み合わされ、パワーと高効率のエンジンを駆動する。

 この2代目モデルの最大のポイントはそのスタイリングにある。初代と同じLXプラットフォームを踏襲してはいるものの、ボディデザインはより洗練されたものとなり、初代にはあった「迫力」「威圧感」というものが消え、どちらかと言うと「高貴」「優雅」といった雰囲気が全身にもたらされている。

 また全体のデザインバランスも改められ、初代のチョップドルーフ的なスタイリングではなくなり、ありきたりと言ったら失礼だがよくあるフルサイズセダン風のバランス感覚に戻されている。そういう意味では、個性が減ったという印象を持つかもしれないし、当初ニューモデルの写真を見たときには筆者自身もそう思っていた。
 
 実際に、エクステリアデザインに対しては失望感を表すファンやユーザーが後を絶たないという。「旧型のドスの利いたスタイリングは、アメ車の株を上げた逸品」と言われ、ここ数年続いた懐古主義的なアメリカンマッスルのデザインとは一線を介した「奇跡の1台」との称賛の声が絶えなかっただけに、反動が強いのかもしれない。モデルチェンジに対する期待感の裏返しで「いくら性能があがっても…、顔がねぇ」との声が多く聞かれるというのである。
 
 だが個人的な意見として、初めて見た新300の印象は決して悪いものではなかった。どちらかというと、積極的に認めたいとさえ思った。ただし、「アメリカンマッスル」としてではなく、上質な「アメリカンフルサイズセダン」としてである。

 上に記したが、この2代目モデルに漂う全身のオーラは「優雅さ」であって、初代にあったある意味攻撃的なオーラはほとんど感じない。だが、インテリアなど、全体をくまなく見渡すとすべてにおいてその優雅さが貫かれており、質感の向上には目を見張る物がある。つまり初代と2代目とでは、少なくとも日本においては、捉え方がまったく別物になったといってもいいかもしれない。

一番の大きな変更点がフロントマスクの造形だろう。これまでの迫力を伴ったマスクを見ていると、新型のちょっと穏やかな雰囲気が気に入らないという方がいるかもしれない。だが、このマスクを含めた全体の雰囲気は、高尚なものであり、大人のフルサイズセダンとしては申し分ないと思う。

フロントマスクに比べ、リアはどちらかというと旧型の延長線上にある。非常に滑らかなリア造形は、高級車としての資質を高めてくれる。リアに関しては旧型よりもこの新型の方が確実に洗練されている。

SPEC:300リミテッド
全長:5044mm
全幅:1902mm
全高:1485mm
ホイールベース:3052mm
車両重量:1817kg
エンジン:V6 DOHC
排気量:3604cc
最高出力:292hp/6350rpm
最大トルク:260lb-ft/4800rpm
トランスミッション:5速AT

格段の性能向上

 新型を、見た目上のスタイリングをベースに論じれば、明らかに「別世界」という結論が出せるかもしれないが、困ったことに実際に走るとまた違った印象が見えてくる。
 ステアリングの滑らかさ、ボディの剛性、エンジンパワーやミッションの変速、サスペンションのいなし、走らせれば初代をすべてにおいて上回っているのである。また、この先登場するSRT8におていは圧倒的な性能向上を果たしているだけに、走りの「速さ」だけをターゲットにすれば、明らかに初代以上と断言できるのだ。

 すべてにおいて、まるっきり別方向に向いてしまっているのなら「別物」と区別してしまえばいいのだが、スタイリングの好き嫌いを除いてしまえば、性能は、基本的に旧型の延長線上にあるわけで、明らかに旧型を上回っており(当たり前なんだが)、この3.6リッターV6でさえも非常に良いのである。
 さすがに5.7リッターV8には及ばぬものの、V6でも俊足セダンとして質感の高い走りを実現してくれる。一方で、足回りの洗練も格段に向上しており、驚きの連続である。乗ってしまえば新300に不満などまるでない。

 この300には、レグザーニの「R-FIVE」22インチが装着されているが、こういったラグジュアリー的なカスタマイズにも柔軟に対応できるだけの懐の深さを備えているし、ラグジュアリー系カスタマイズが非常に似合う。これは、新型がもたらす新たなオーラによるものだろう。

新型の最大のセールスポイントは、ある意味「改善された」と言ってもいいほど見違えた、内装のクオリティ向上である。ドアを開けた瞬間から感じる質感とインテリアの造形および改善された各種の素材が、まるっきり別物のクルマ感を味わわせてくれる。

常に視界に入るメーターの視認性および質感の向上は、300がさらに一段と良質なクルマになったことを物語る。それにしても、旧型とは歴然の差である。

レグザーニの22インチホイールを余裕で履きこなす懐の深さが、新型の新たな魅力だろう。

300は、すでに高嶺の花ではない?

 実際に販売しているレアルトレーディングのスタッフに300に関する実情を聞いてみた。
「販売実績においては、まだまだ旧型が主流ですね。弊社でもここ数ヶ月でかなりの300を販売してきましたが、基本的に旧型がメインです。旧型はどちらかというと、ここ最近では若い世代の方々が乗られているケースが多く見られますが、新型に関しては幅広い年齢層の方々が興味を持ち、来店している感じですかね。取材をされてお気づきかもしれませんが、新300が醸し出す雰囲気がそうさせるのかもしれません」

 たとえばボディカラー。白系で言えば旧型はクリーム白だったのに対し、新型はいわゆる一般的な白になっている。そんな違いも要因になっているかもしれない。

 実際にはもろもろあるにせよ、一番大きな要因は旧型の相場が下がっていることが旧型人気に拍車をかけているという。「車両によっては200万円台の旧型300を見つけることも可能になりましたね。また内外装をフルカスタムしても400万円以内で収まる車両もありますので、『こんな値段で買えるんですね〜』と驚かれる方がいらっしゃいます。『300は高嶺の花』というイメージが、若干ですが崩れてきたかなという印象です。
 また一方で、年式やモノによっては旧型よりも新型の方が安価ということもあります。円高時に輸入したとか、いろいろ世情が絡んだりした場合のものにそういった傾向がありますので、プライスだけを鑑みれば新旧織り交ぜた幅広い選択が可能かもしれません」

 もちろん付加価値のついた旧型300などもあるから、一概に300が安値ということは言えないが、ある程度の範囲で言えば、旧型が買いやすくなったというのは事実である。だからこそ購入層の年齢が下がり、そして新型モデルのデザイン不評(落ち着いた雰囲気が若者に伝わらない?)という噂が一人歩きして、旧型モデルの人気上昇へと繋がる一面もあるのだろう。

 しかし、「機械」としての一面だけで考えれば新型がより上質になっているのは、言わずもがなである。個人的には、魅力的なデザインの旧型を買うか、機械的洗練度の高い新型を買うか…、多いに迷うところである。

スターターボタンにて始動する新型。メーター内のブルーライトが非常に優雅な空間を作り出す。ステアリング裏にあるボタンによって、シフト操作が可能。センターコンソールに装着されているアナログ時計も、良質な雰囲気作りにひと役かっている。

クールバニラと呼ばれる、旧型のボディのホワイトボディカラー。新型は真っ白に近いもの。オヤジ臭い高級車に使われている色と言えば分かりやすいか(笑)。

300を買うのなら、一度「新型」を見た方がいい

 間近で実物を見て実際に触れた感想は、過去に写真で見ていた印象を遥かに上回る非常に良いものだった。たしかにフロントマスクの造形に関しては、賛否両論あるのは理解できるし、逆に言うとその点以外に新型に不満を申し付けるところはまったくない。機械として見た場合には、新型の質感の高さや滑らかさは特筆ものである。

 旧型モデルの機械的な寿命が訪れたわけではないので、旧型を積極的に選ぶことは間違いではないし、われわれも闇雲に新型が良いとか旧型がダメとか、そういうことを言うつもりもない。だが、新300には写真やニュースで見ただけでは分からない魅力があるのは事実である。
 そういう意味では、一度実物を見ることをお勧めしたい。見れば何かしら伝わるものが必ずあるはずである。旧型を選ぶなら、それからでもぜんぜん遅くはないと思う。

 次回以降も新旧300情報を含めたLX系プラットフォーム車両にスポットを当てていく。

<関連記事>
>> このクルマの詳細を見る
>> クライスラー 300C VOl.1を見る

ブラックなどの濃いボディカラーになると、だいぶ印象が変わるような気がするので、今後見てみたいと思っている。

グリルのバーの入り方が、旧型と新型とでは異なる。

LEDのデイライトが、新型のフロントマスクの特徴である。

1930年代に採用されていたブルーリボンをモチーフにしたエンブレム。

3.6リッターV6エンジンは、かなり気持ちいいエンジンだ。

トランクの容量は、さすがにフルサイズセダンと言ったところ。

最近爆発的に売れているというレグザーニホイール。「R-FIVE」22インチを装着している。

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