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[試乗記]

2002年から2005年まで生産された復刻モデル

フォード サンダーバード (FORD THUNDERBIRD)

ジェイメイズによるリメイク作品第一弾でもあった

古き良きアメリカを彷彿とさせるフォードサンダーバード。そのリメイク版と言われるコンセプトカーが登場し、2001年の北米自動車ショー、通称「デトロイトショー」で量産モデルが正式にデビューした。そのサンダーバードに取材した。取材車輌は2002年型で7万5000キロ走行車。フルオープンでの試乗となった。

更新日:2013.10.01

文/石山英次 写真/田中享

取材協力/ガレージダイバン TEL 0356073344 [ホームページ] [詳細情報]
     GDファクトリー千葉店 TEL 0432153344 [ホームページ] [詳細情報]

今に続く復刻モデルの第一弾だった

 サンダーバードと言えば、1955年に登場した初代サンダーバードを想い描く方が多いはず。丸目2灯のフロントマスクにグラスファイバー製のハードトップを装備したオープン2シーターとしてデビューしたモデルである。サンダーバードは、その後モデル変遷を繰り返しながら42年間製作された後、1997年に生産終了となる。

 そして。1999年のデトロイトショーで1台のコンセプトカーが登場した。初代サンダーバードをモダンにリメイクした新型サンダーバードである。そいつは2001年の同ショーで量産型が正式デビューし翌年発売に至ったが、瞬時にsold outになったという逸話を持つ(初期は限定生産&爆発的人気で一瞬にしてプレミア価格になったほど)。そしてその後に続く復刻路線の第一弾モデルでもあった。

 この復刻版サンダーバードは、1995年に登場した初代モデルを強く意識したモデルとなっているが、このデザインを担当したのがジェイ・メイズ。後にフォードGTや2005年に登場する現行マスタングを手がけた人物である。

 彼の特徴は、マスタングでもそうなのだが、基本的にはベースとなったモデルのスタイリングをそのまま踏襲すること。そしてそこに現代的な安全基準等を埋め込んで行く。したがって(当然ながら)サンダーバードに関しても、丸型ヘッドランプ、ボンネットスクープ、クロームメッキされたウインドシールド、左右一杯に広がったフロントグリル等、初代モデルの外見上の特徴をほぼすべて盛り込んでおり、さらにそいつを見事、現代風にアレンジしているのである(だからこそ魅力的)。ちなみに、この復刻デザイン路線(マスタングを含め)はもちろんアメリカ本国では大成功を収めたと言っていい。

初代サンダーバードは1955年から1957までの3年間のみ製作されたが、歴代モデルの中で最も受け入れられた超人気モデルだった。本国では「サンダーバード」と聞いて人々が思い起こすのは、必ずやこのモデルであり、だからこその復刻モデル誕生なのである。

インテリアも豪華絢爛であり、2シーターオープンとして超魅力的な存在だった。

サンダーバードをデザインしたジェイメイズは、後にフォードGTや現行マスタングを復刻させている。彼のデザイン的特徴は、リバイバル作品としてベースとなる個体を現代的にアレンジしつつも、忠実に再現すること。だがそれこそがヒットの最大の要因である。

見た目以上にシッカリした車輌

 今回取材したモデルは2002年型。ホワイトカラーのボディにブラックの内装というコンビネーション。さらに取り外し可能なハードトップとブラックの電動幌を備えたモデル。多少手間がかかるがハードトップは脱着が可能であり(ボルトあり、そして置き場所が必要)、取り外せばコンバーチブル、フルオープンボディと3つのスタイルを楽しむことができる。

 スタイリングは、丸目2灯に若干のかわいらしさを感じるものの、全体の雰囲気は非常に洗練されている。さらにボディ寸法の縦横比率が絶妙であり、トータル的に均整が取れていてバランスが非常にいい。初代ほど、とは言わないまでも、個人的には美しさを感じたほどである。

 このサンダーバードに搭載されるエンジンは、3.9リッターV8。リンカーンLSに搭載されていたモデルの改良版であり、252ps、最大トルク36.9kg-mを発生させる。そこに5段ATが組み合わされ、軽快感溢れる走りが可能となる。
 
 これまで過去に1度だけ取材をした経緯があるが直接触れた経験はなく、今回が初めての試乗となる。だが乗り込んでしまえば、ボディ四隅はかなり小さく見えるし、車内空間は快適そのもの。スポーツカーのようなタイトな感じではなく、あくまでスポーティカーとしての雰囲気を大切にしている空間であり、すべてにおいて扱いやすさがにじみでている。しかも各部の作りが非常に丁寧であり、室内にはアルミパネルが貼られる等デザイン的にも質感的にも満足できる。さらに電動開閉式の幌は、頭上のロックを手動で外し、センターコンソール下部にあるボタンを押すだけ。20秒もしないで開閉が可能となる。

初代モデルの特徴を上手く捉えており、ボディ縦横比のバランスが良く、質感も高い。クロームメッキされたフロントウインドーと丸形サイドウインドーにレトロな雰囲気を感じる。まさにコレクションにうってつけの1台。

全長×全幅×全高:4733×1829×1323ミリ
ホイールベース:2724ミリ
車重:1699kg
駆動方式=FR
エンジン:3.9リッターV8 DOHC
パワー:252ps / 6100rpm
最大トルク:36.9kg-m / 4300rpm
ミッション:5速AT

搭載されるエンジンは、3.9リッターV8。小気味良い5段ATと相まって、軽快な走りを可能にする。中古車としては7万5千キロ弱走行しているが、距離を感じさせないコンディションの良さである。

取材前に取り外してしまったが、ハードトップも装備している。これも初代同様の装備。ピラーに開いた丸形のウインドーも初代と同様。ただ唯一の難儀は、取り外したハードトップの置き場所。置き場所があれば、気軽にコンバーチブルを楽しむことができるはずだが、これまで日本で見たこの型のサンダーバードはすべてハードトップ装着のままだった。

コレクションの1台として最高

 ということで、今回はあえてハードトップを外し、オープン状態での走りを試してみた。というのも、これまで日本で見た復刻サンダーバードのほとんどすべてがハードトップ状態であったことと、アメ車と言えばオープン、と言われた時代があっただけに、オープン時の性能を見てみたいと思ったから。

 3.9リッターV8と、あまり馴染みのない排気量ではあるが、走り出せばすべての操作系の軽さと相まって、軽やか、かつスムーズなドライブが可能である。5段ATの変速マナーも素晴らしく、ブレーキフィール等にもまったく違和感がないために、運転自体はすぐに慣れるし、楽である。さらにオープンにしても、サイドウインドーを上げれば風の巻き込みを最小限に抑えることも出来るため、嫌な感じがほとんどない。

 気になるオープンボディの剛性感だが、ミシミシガタガタといった低級音がなく、クルマ自体の程度がもの凄く良いために(後で知ったが7万5千キロ走行)、少なくとも一般道を普通に走るレベルにおていは、まったく気にならない。緩さはあるのだろうが、嫌な緩さではまったくない。ちなみに、この個体はフルノーマルで下手にカスタムされていないぶん、クルマに与えるダメージが出ていないのかもしれない。

 加えてエンジンルームは見事なほどキレイな状態を維持しているし、室内は自分で触れて確認済みだがコンディション良好。さらにトランクを開けてビックリ。ほとんど使用した形跡がないほどクリーンな状態を保っている。「こんな珍しいクルマで、ここまでの程度のものがよく残ってましたよね?」。試乗を終えて思わず口に出た最初の言葉がそれであった。

 まだ2002年程度だと、それほどアメ車の急激な進化(硬化)に飲まれたモデルではないから、乗っていて「アメ車」を感じる部分が豊富にあることが、このクルマの最大の魅力である。だからこそ、「パフォーマンス」に固執しないアメ車好きには格好の1台のような気がする。
 さらに中古車としては驚くべきほど程度が良いので、しかもクオリティが高く洗練されているので、コレクションの1台として追加するのも悪くない。フォードGTと現行マスタングとこのサンダーバードを3台、ガレージに並べるなんてステキだと思いますね。

インテリアは、パフォーマンスカーのようにタイトな空間ではなく、程よい密度の、洗練された質感で満たされていた。各部操作系も適度に軽く、全体の感触も統一されており、違和感を感じる部分はまったくない。ただ少し残念なのが、センターコンソールにデザイン的な遊びがほとんどないこと。メーター周りのポップな雰囲気をそのままコンソールにも用いてほしかったと思うのは少々欲張り過ぎか。

シートも、距離の割にはヤレが少なく、レザーの質感も高い。ホールド性も良く、不満はまったくない。

搭載される5速ATは、エンジンとのマッチングも良く、変速も小気味良い。シフトノブの形状も握りやすく、ゲートの動きも極めてスムーズ。この手の高級車に必要な洗練されたフィーリングである。ちなみにその奥に見えるコンソールのスイッチが電動開閉可能な幌のスイッチとなる。

中古車の場合、こういった隅の部分にまで気をつけて見てみると、クルマの状態を把握する一助になるはず。このクルマはまるで使用感がなく、新品のようだった。

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