今回ベルエアーが導入した2014年型トヨタタンドラは「SR5」のクルーマックス。前回紹介したように、タンドラは複数のグレードを有するが、好みのモデルを手に入れようとするとグレードによっては不可能な組み合わせがあるために、あえて「SR5」を選んだという。
その「SR5」のクルーマックスであるが、あえてベンチシートをチョイスし標準のコラムシフトと合わせることで、よりアメリカンなスタイルを目指したのである。実際に2013年型のタンドラと並べてみたのだが、フロアシフト&バケットシートでは「一瞬セコイア?」とも思える雰囲気があり、あえてトラックに乗るならこのベンコラはある意味正解ではないかと思える。
ただし、このベンコラ「SR5」のクルーマックスでは、標準シートがファブリックであり(アメ車っぽくて個人的にはファブリックが好きだが)、2013年モデルではチョイス可能だったサンルーフが組み合わせ不可となったことで、2013年まで可能だった「サンルーフ+ベンチシート」という王道の組み合わせが出来なくなったのが惜しい。ちなみに2014年からサンルーフは「リミテッド」でオプション、「プラチナム」、「1794エディション」では標準装備となり、「SR」、「SR5」では選択できなくなった。
一方エクステリアは、車高はそのままに20インチホイールを装備し、後送されるオーバーフェンダーが装備されることで定番のビジュアル変化をもたらすことにしているという。
タンドラとしては、トップグレードとなる「1794エディション」が気になるところではあるが、個人的な印象としてあの茶色いレザーインテリアがどうしても欲しいのであれば別だが、それ以外であれば無骨な雰囲気をもたらすグリルとミラー等を配した下位グレードボディでも十分魅力的であり、このベンコラスタイルと組み合わせれば、それこそアメリカンピックアップからの代替えとしても十分にお勧めできる存在だと思っている。
そんな風に感じていたら、ドアを開けてビックリ。ファブリックと聞いていたシートは本国にて張り替えられ、しかもそのシートは背もたれ部分がパンチグレザーとなり、全体的にシルバーのステッチが施されたオシャレなものとなっていたからである。
シフトアップダウンの「+−」パドルスイッチがついているコラムシフトのノブを「D」レンジに入れ、いざ出発。
ドライバーズシートから見える景色はまごうことなきタンドラそのもの。走りの印象も直前に乗った13年型タンドラとほぼ変わらない(加速感&ブレーキングも)。ともにまったくの新車なので(ともにインチアップされているが)ヤレ等ないから、これが2014年タンドラの真実となるだろう。
ただ2014年型は若干乗り心地が良いようにも思うし、曲がりがより軽快な印象も受ける。あとステアリングのキレというかパワステの効きが14年型の方が軽くスムーズな印象だった。
聞けば、「ボディ外寸はほとんど変わりないが、デザイン的なものもあって、14年型のエンジンは搭載位置が低いんですよね」という。
2014年型の新デザインでは、フロントボンネットが1.6インチ(約4センチ)盛り上がったことで、相対的にエンジン搭載位置が低くなり重心位置が下がり、それによって安定感や軽快感に繋がっているというのである。実際にエンジンルームを見比べたが、明らかな差があり、それが効いている可能性は非常に高い。
13年型と14年型の両者を乗り比べると、明確な差はそのくらいであり、仮にどちらか一方にだけ乗ったのであれば、そのどちらにも満足できる内容であった。
ただし、2014年型モデルの方が、インテリアの質感が格段に上がり(個性は減っているが)、手にした時の満足感が高いだけに、まだ13年型も14年型も手に入る現状においては、両者を見て「良く検討すべし」と言わざるを得ない(好みやオプションの組み合わせによって13年型がいいと言う方もいるかもしれない)。
タンドラの直接のライバルとなるダッジラムやF150のモデルチェンジが近づき、シルバラードが今年フルモデルチェンジしたことで、タンドラに対する風当たりも強くなる時期でのビッグマイナーチェンジ。
基本的にはトップグレード「1794エディション」の登場により全体的な高級感が増したことで、さらにリデザインを受けたことで、ライバルたちと対等に戦える土俵にまで登った感じではある。あとはライバルが進化を受けた後の次なるモデルチェンジこそが、エンジンや足回りを含めた本当のフルモデルチェンジとなるだろう。
ということで、この2014年型のモデルチェンジは、前回お伝えした通りデザイン関連を含めたビッグマイナーチェンジと呼ぶに相応しいのである。
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