TEST RIDE

[試乗記]

新たに発見したバイパーの日常性

ダッジバイパーSRT10 (DODGE VIPER SRT10)

生涯最後のクルマとして欲しい…

ダッジバイパーが生産終了し、SRTバイパーとして再び登場したが、果たして旧型バイパーはもう終わってしまったのか? じつは個人的にかなりの興味を持っている。ということで試乗させてもらった。

更新日:2014.02.25

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/ジャパンレーストラックトレンズ TEL 0356613836 [ホームページ] [詳細情報]

日常的な足としても普通に使える柔軟性

 HREを履いたグレーの2009年型SRT10。この時代のバイパーはエンジンスタートがキーではなく、すでにプッシュボタン式。まるで「コックピット」のようなインテリアの中においては、戦闘機のミサイル発射ボタンのような雰囲気である。

 またABCペダルの距離間、そしてステアリングのタッチからして、クラッチもかなりヘビーなモノを想像していたが、びっくりするほど軽くて、ストロークが深い。ただ、1速に入れてからの動き出しからは、めちゃくちゃ扱いやすくなる。しかもこのシフト、めちゃめちゃ操作しやすい。いわゆる「コキコキ系」で、ストロークが短いから、スポーツカーらしさも万全。

 普段の足がコルベットや国産セダンだからというわけではないが、バイパーを目の前にすると若干ひるむのが正直なところではある。が、このバイパー、動き始めてしまえばコルベットと同等の扱いやすさ(街乗りしているだけなら)。最近月島で日常的に使われているSRT10のオーナーカーを何度も目撃するのだが、その理由も良くわかる。

 ただし、これは2000回転ぐらいを常用する範囲の話しであって、街中で2500回転を超えて、2速から3速にシフトアップしたくらいからその雰囲気は激変する! いきなりスイッチが入った感じで一気にワープ。そしてそのまま3速、4速と(4速に入れたらすぐにブレーキ)シフトアップしていくと、超極太なトルクの爆発感が感じられ街中でも簡単にホイールスピンが可能である。

 たとえばこれが高速道路だと、もう周りの景色が目に入らない速度くらいまで一気にフル加速。その加速感は、自分でもアドレナリンが分泌されるのが分かるぐらいの高揚感に満たされる。過去に、レーサー古賀氏をして「この加速感はホントにヤバイ」と言わせたのだからその凄まじい感じがお分かりいただけるだろう。

搭載されるエンジンは8.4リッターV10 OHV。600hp、最大トルク560lb-ftを発生させる化け物エンジン。ガソリンエンジン車史上最大の8.4リッターが生み出す豊潤な低速トルクは、2000回転も回していればすべてが事足りる。街中での柔軟性は今回確認済み。

ドライバー側に向けられている計7つのメーター類。こういった雰囲気作りはコルベットにないバイパー特有のもの。これだけでもスポーツカーを運転している気にさせる。タコメーターは7000回転まで目盛られ、速度メーターは220マイル(355km/h)まで刻まれている。エンジンは、赤いスターターボタンにより始動し、爆音の中まるで普通の乗用車を転がすかのごとく安易に発進することができる。

非常にタイトなシート周りなど、ドライバーをその気にさせる雰囲気はピカイチである。シートサイズは若干大きいが、シートセンターがスエードということもあり、コーナリング中に体が揺られることはない。よく考えられたスポーツカーだ。

毒蛇の名にふさわしい、特有のスタイリングが旧モデルの特徴。エアロ等の装飾はまったく必要ない。

スパッとリアが流れるような雰囲気

 最初は、街中でのあまりの扱いやすさに正直、「大したことないかも」と思っていたが、明らかに間違いだった。

 しかし、この加速感は危険を伴う感じではなく、極めてスムーズ。少なくとも直線加速においてはぜんぜん危険じゃない。つまり、ボディやシャシーがこのパワーをきちんとものにしているということ。けど、コイツを曲がりで使うには…。

 ステアリングの反応はかなりビビッドなもので、ステアリングを拳ひとつ分動かせば瞬時にノーズが動き、旋回体制に入る。多少勢いを付けてコーナリングするには、リアのグリップを意識しながらでないと、スパッとリアが流れてしまうような雰囲気がある。取材のために借り出した一編集部員ではさすがに無理はできない(乗り馴れたオーナーならまた違うでしょうが)。それでもバイパーの片鱗には十分触れることができた。

 バイパーを語るとき、どうしてもエンジンにばかり目が行きがちだが、それ以外にも駆動系の作りがかなりシッカリしているし、足回りも、バンプを乗り越える際のサスペンションの動きのしなやかさが特筆モノで、アメ車という枠に収まらないほど各部が精密である。
 
 それにしばらく乗っているとバイパーだからといって怖じ気づく必要もなくなり、多少乗り降りに気を使う程度で、運転自体には何ら問題はない。コルベット等と同じように両フェンダーの峰がハッキリと認識できるため、車体の大きさの認識もしやすいし。

 あ〜出来れば欲しい! コルベットフリークだが、生涯最後の一台としてならSRT10が良いかもしれん(これに乗って島根に帰れるか?)。唯一気になるのがクラッチの踏みしろの大きさくらいで(クラッチが繋がる位置がかなり奥の方にあるから)、重さ自体は意外にも軽いから慣れてしまえば問題ないだろうし。十分アシとしても使えるぞ。

強大なパワーが伝わったとしてもビクともしない屈強なミッションは、剛性の塊のようでかつゲートが明確で操作しやすいので意識しないでもギアはガンガン吸い込まれていく。しかもシフトは速度を上げるほどシックリくる。

クラッチペダルの重さは、国産スポーツカー程度のもの。だが、クラッチの繋がる位置が思っているより奥にあるから、慣れるまで若干の違和感を感じるかも。ただ、ブレーキとアクセルペダルの位置感覚はスポーツカーさながらの適正なものであり、ヒール&トウなどの足さばきは良好そのもの。

フロント19インチ、リア20インチのHREホイールを装着している。ガンメタのボディに合わせ、さらにバイパーの性能に耐えうる最高のホイールをセレクトしている。これにより乗り心地が良くなっているのもポイント。

エンジンフードのエアインダクションやフロントフェンダーサイドのベンチレーション、さらにはサイドエキゾーストは、バイパーの造形美を語る上でも外せないポイントであろう。

全米での価値が高騰中

 今回の車両にはHREホイールが装着されていたことも見逃せないが、見た目以上に乗り心地がマイルドなのに驚いた。SRT10なら普段使いも十分できる。しかもこんな化け物的なマシンを日常的に使うことが男らしい。

 新型SRTバイパーが登場して久しいが、まだ日本にはほんの数台しか上陸していないという話である。もちろん新型が素晴らしいのは分かっているが、この旧ダッジバイパーSRT10でも十分に刺激的だし、そのうち中古車の争奪戦が始まるような気がする。全米ではすでに価格高騰を迎えているというし。C5からC6に行くか、一気にSRT10にいくか…。悩みどころである。

<DODGE VIPER SRT-10>
全長×全幅×全高mm
4459×1911×1210mm
ホイールベースmm:2510mm
車輌重量:1575kg
エンジン:V10 OHV
排気量:8.4リッター
最高出力:600hp/6100rpm
最大トルク:560lb-ft/6250rpm

600hpという数字を見れば、もはやAWDや電子制御の塊と化しても致し方ないという時代に、あえてFR。しかも電子制御はまったくない。こんなクルマ、アメ車でしかあり得ない。その走りは、当然のごとく迫力があり、正直、言葉では表現できないほどの凄さと緊張感に満たされる。だが今回、街中での柔軟性を新たに発見した。欲しい!

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