TEST RIDE

[試乗記]

フルサイズに極めて近いミッドサイズモデル

GMC キャニオン (GMC CANYON)

日本にベストマッチの1台ではないか

これまでいくつものモデルが日本に持ち込まれたが決して根付くことがなかったアメ車のミドルサイズモデル。だが最近は、いわゆる環境問題&エコブームもあってか、アメリカ本国においても徐々にだが人気が高まっているという。その中で断然オススメな1台を紹介しよう。

更新日:2015.05.08

文/椙内洋輔 写真/ゼネラル・モーターズ

ミッドサイズトラックは日本メーカーの独壇場

 「ミドルクラス」というワードは、日本のアメ車業界おいては禁句のような言葉だった。過去これまでに様々なミッドサイズモデルが海を渡って上陸を果たしたが、完璧に根付いた1台を除いてはまったく人気が出なかったと言っていい。

 さらに日本のアメ車ユーザーにおけるアレルギー的な要素があったことも否めない。「どうせ買うならV8フルサイズ」。たしかにミッドサイズは基本V6や直4エンジンを搭載していたモデルがほとんどであり(中には直6もあった)、それまでのアメ車観においては、どうしても受け入れられない要素の一因となっていたのは間違いない。

 しかも、そうしたモデルたちは、ほとんどがアジア向けモデルとして開発された、アメリカンテイストが薄いモデルだったりもするから、デザインを含め余計に冷めてしまったのだろう。それ以降、どんなに力を入れたミッドサイズを作ろうとも、アジア向けアメリカンが日本で人気を得た試しはまったくないのである。

 こうした日本のアメ車事情とは裏腹に、本国アメリカでは徐々にだがミッドサイズモデルが動きを強めているという。単純に燃費競争の意識が高まっているからというのが本当のところなのだが、メーカーもそうした流れに乗ってか、徐々にだが魅力的なモデルを開発するようになっている。

 たとえば、ここで紹介するミッドサイズトラックである。ちなみに、ご存知かもしれないが、アメリカ本国におていはこれまで、ミッドサイズトラックはまったく意味の無い存在として軽視されていた事実がある。

 だからかこのカテゴリーにおけるラインナップは、日本メーカーのみ(フォードレンジャーは数年前に撤退している)。その代表的存在がトヨタタコマであり、ニッサンフロンティアである。そういう意味では近年トヨタタコマの独壇場だったと言っていい。

 ところが、世の流れに応じてユーザーの意識が燃費に向かいつつあることを察知すると、GMは、かつて生産終了しアジア向け戦略車として誕生させた車両を、あえて北米モデルに仕立て直して最新トレンドデザインを導入し再びデビューさせたのである。

 それがシボレーコロラドである。そしてその兄弟車がここで紹介するGMCキャニオンである。

パッと見だとフルサイズのシエラとも思えなくはないキャニオンのデザイン。アメリカンピックアップトラック特有の力強いフロントマスクがポイント。V6エンジンなら走りも強烈であり、サイズ的にも日本に最もマッチしたピックアップではないかと思う。

兄弟車たるシボレーコロラド。もちろん、旧コロラドとの違いは一目瞭然であり、シボレーらしさを備えた最新ピックアップとなる。ちなみに、トラックオブザイヤーを獲得しており、性能は折り紙つき。キャニオンとはデザイン&ブランド違いのみ。好き嫌いでどうぞ。

キャニオンはあくまでフルサイズのシエラありきであって、シエラの存在なくしては語れない。デザイン的迫力はまさにアメリカン。ただし、日本ではサイズ的に辛いという話はよく聞くところ。

GMCシエラと瓜二つのマスク

 シボレーコロラドとGMCキャニオンは、基本兄弟車であるから、これまでに数多あったシボレーとGMCとの関係性と同じ範疇内に属し、デザインやブランド以外での違いはほとんどないといっていい。だから好きな方をお選びいただければ結構なのだが、今回はあえてGMCオシをさせていただく。

 単純にデザインの好き嫌いによるものであり、シボレーコロラドにはどうもこれまでのアジア戦略車の面影がチラホラ見えてしまい(特にフロントマスクのヘッドライトが旧コロラド等に見える)、好きになれない(笑)。

 一方でGMCキャニオンは、驚くことに上級モデル・フルサイズのGMCシエラと瓜二つのマスクを持ち、圧倒的な迫力と雰囲気を醸し出している。ということで、両車で仮に迷うなら絶対的にキャニオンだろう。

 キャニオンのボディサイズおよび搭載エンジン等の詳細を知るに、このクルマがトヨタタコマをいかにライバル視しているのかがハッキリと伝わってくる。

 ちなみに、近年のミッドサイズトラックは、これまでの旧ミッドサイズよりはかなり大きくなってきており、フルサイズと旧ミッドサイズの中間くらいにまで成長しており、フルサイズオーナーがたやすく乗り換えられるサイズ感を有している。

 すなわち、状況によってはフルサイズモデルをもライバルとして競うことが可能になったのである。

搭載されるエンジンは2種類あり、2.5リッター直4は200hp、最大トルク191lb-ftを発生させ、上級モデルとなる3.6リッターV6は305hp、最大トルク269lb-ftを発生させる。燃費重視か走行性能重視かで選べる有効的な選択肢である。

カマロに搭載されるV6エンジンを搭載したモデルは、圧倒的な速さと走る楽しさを融合した魅力的な1台である。

水温や走行速度にに応じてに自動的にコントロールされるアクティブグリルシャッター。走行中にグリル内のシャッターが閉まり空気抵抗を低減させる役割を果たす。

カマロ譲りのV6エンジン搭載

 キャニオンに搭載されるパワートレインはコロラドと基本的に同じもの。ガソリンエンジンは2種類あり、2.5リッター直4は200hp、最大トルク191lb-ftを発生させ、上級モデルとなる3.6リッターV6は305hp、最大トルク269lb-ftを発生させる。

 この直4エンジンは2.5リッター級セグメントにおいて最も良いハイウエイ燃費を誇っており(27mpg)、一方で3.6リッターV6は、じつはカマロに搭載されるV6エンジンでもあり、もちろんこのセグメントにおける最もパワフルなエンジンとして、最速ピックアップの称号をキャニオンに与えてくれるのである。

 燃費が良く見栄えの良いピックアップが欲しければ断然2.5リッターモデルでいいわけで、もし燃費を気にしつつアクティブなピックアップが欲しければカマロ譲りのV6モデルを選べばいいわけである。実際、上級モデル・フルサイズのシエラに搭載される5.3リッターV8エンジンが355hpであることを考えれば、この305hpはかなり立派な数値と言えるだろう。

 なお、駆動方式も2種類ありFRと4WDが用意され、それぞれに6速MTと6ATがチョイス可能となっている。さらにボディは3タイプあり、2ドア+ロングベット、4ドア+ショットベットおよび4ドア+ロングベットとなっている。

 ということで、キャニオンの素性を知るにつれかなりの力作ということでかなり興味がわき、個人的には今まさに流行りのダウンサイジングという波に乗り、さらにアメリカンテイストを存分持ち合わせたキャニオンなら日本に根付く可能性がかつてのどのモデルよりも高いと感じるだけに、だれか日本に入れないでしょうかね~?と思ったりする。

 まあもっと言ってしまえば、日本だとやっぱりSUVこそが人気だし、キャニオンのSUV版が欲しかったりするのだが。ちなみにキャニオンのSUV版は存在せず、かわりにミッドサイズのテレインとかになるのだろうが、そっちは依然微妙なんだわな(汗)。

さすがにシエラそのものとまでは言えないが、それに準じるデザインのインテリアを構築しているキャニオン。グレードによりレザーシートになる等、品質感の向上は凄まじい。

アナログデザインのメーター類だが、それを囲むクラスターフレームのデザインには気を使っている。昔のような質素極まりないトラックたちとは大違いの進化といえるだろう。

ダッシュ中央に位置するコントロールインフォメーションも現代的な意匠になっている。

■車名:GMCキャニオン
■全長×全幅×全高:
5395~5705×1886×1785~1795mm
■ホイールベース:3258~3569mm
■エンジン:2.5L 直4 DOHC
■最高出力:200hp/6300rpm
■最大トルク:191lb-ft/4400rpm
■エンジン:3.6L V6 DOHC
■最高出力:305hp/6000rpm
■最大トルク:269lb-ft/4200rpm
■トランスミッション:6速MT or 6速AT
■駆動方式:FR or AWD
■ハンドル位置:左

<関連記事>
>> トヨタタコマ (TOYOTA TACOMA) を見る

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