当サイト2010年5月の記事で紹介したガンメタボディのデュランゴ。長崎在住のオーナーが、その時点ですでに10年乗っており、その愛車を衣替えと称してエアロを装着し、カムシャフトの交換を行っているという内容である。
そしてそれから8年の歳月が過ぎたちょうど数ヶ月前に、遂に乗り換えを決意(計18年以上乗っていたことになる)。乗り換えた車両ももちろんデュランゴ。新車である。
だが。これまでの現行三代目デュランゴには興味がわかなかったという。走りのイメージがあまりなかったからである。
ところが。2018年モデルに加わったトップモデル。SRTの登場によって一気に傾いた。ということで、そのSRTの紹介である。
ミディアムボディにV8エンジンを搭載した初代デュランゴの系譜を引くにもかかわらず、イマイチ走りのイメージが定着しなかった現行三代目デュランゴ。ジープグランドチェロキーとベースが一緒にもかかわらず、さらにグランドチェロキーにはSRT8があったにもかかわらず、デュランゴにはそういったパフォーマンスモデルが存在しなかった。
そう言う意味で、しかもデビュー後7年が経ちそろそろモデルチェンジの話題が出るであろうモデル末期の状態において、一昨年のセマショーにて公開されたダッジ デュランゴシェイカーは、ダッジファンの密かな期待の一台だった。
ヘルキャットや392チャレンジャーのようなパフォーマンスパーツを引っ提げ、B5ブルーという伝説のカラーリングに身を包んだシェイカーは、デュランゴのさらなる可能性を感じさせる存在だったのである。
で、遂に登場したデュランゴSRT。ダッジらしい走りを予感させるマッスルSUVである。
搭載されるエンジンは、6.4リッターHEMI V8。475hp、最大トルク470lb-ftを発生させ、8速ATと組み合わされる。その0~60マイルスプリント加速は4.4秒という超がつくほど速い加速感を発揮させる。ダッジいわく、世界最速の3列シートSUVということである。
くわえてデュランゴSRTのボディスタイルは新たな独特のムードに支配されている。まず目に付くフロントグリルの新型エアロ類、さらにバイパー風のフードスクープ&エアスクープやブラックノイズ仕上げの新20インチホイール等、過激な雰囲気は十分に感じとれる。リアのエキゾーストサウンドは392チャージャーと同サウンドというから刺激的である。
駆動方式はトルク配分型のAWD。装着されるアダプティブサスペンションに20インチタイヤが組み合わされ、旧モデル比でフロント4%、リア15%ほどスプリングの剛性を上げている。それらによるボディ重量配分は52:48を実現し、ニュートラルなハンドリングを提供する。
一方ブレーキは、15.0インチローターに6ピストンのブレンボキャリパーで、リアは4ピストンキャリパーと13.8インチのローターとなる。
デュランゴという存在は、アメリカではミディアムクラスのサイズ感しかなく、3列目シートを有していてもキャパが小さいことから選ばれにくい存在だったことは想像に難くない。しかも、その存在としてのアピール度が他のSUVよりも少なければ個性がないと断じられても仕方がない。
たとえばフォードエクスプローラー。搭載エンジンは2リッター直4エコブーストだが、ボディはデュランゴよりもサイズ感があり、室内空間も大げさではなく圧倒的に広い、というようなアピールポイントが少なかったのだ。
だが、6.4リッターHEMI V8エンジンを手に入れたことで、世界最速の3列目シートSUVという、自慢のフレーズができたことで、その存在価値は一気に上がる。まさに最速のSUVが手に入る!
日本では、いまだ初代デュランゴが中古市場で大きな人気を得ているが、その最大の魅力は「パフォーマンス」を連想させるアメ車らしい存在感である。
だとすれば、このデュランゴSRTは、日本でも大いにウケるのではないだろうか(というか、最初からこういったモデルを出すべきだったのだろう)。
ちょっとマニアックな方ならお分かりだろうが、このデュランゴSRT、フロントマスクが現行ダッジチャージャーに似ていることに気がつくだろうか?
ほんとに少しだが、同乗させてもらった。で、感想を述べるなら、非常に現代的な硬派なSUVということになるだろうか。
乗り比べれば、たしかにフォードエクスプローラーよりもボディは小さい。だが、そこに詰められたエンジンは、大排気量V8の475hp。エクスプローラー+200hp超のパワーである。
引き締められた4WDの足と大パワーが奏でるワープ感。そしてV8サウンド。たとえばポルシェマカンも相当に速いらしいが、言うてもV6パワーである。率直に、相手にならんでしょう(笑)。
さて、こちらのデュランゴSRTを直輸入したのはレーストラック。いまだ初代デュランゴの整備からカスタマイズまでを一手に引き受けているデュランゴマイスターである。
初代に関しては、つい最近も新たなオーナーさんが増えるなど、まだまだ人気であり引く手あまた。当然モノはどんどん減っているからそう簡単には入手不可能だが、レーストラックには常にモノが一台以上在庫されている。くわえて事故車等のパーツ取り車も豊富にあり、今後に備えた予防策にも余念がない。
また、初代のみならず二代目ユーザーもいるというから、今回の三代目オーナーもくわえ、レーストラックには歴代フルラインナップのユーザーが存在していることになる。
「SRTの登場で、やっと『らしさ』が出てきましたね。デュランゴには実際の速さではなく、速さや悪っぽさのようなイメージが必要なんです。SRTはボディを含め雰囲気が変わりました。『デビュー当初から出ていればな~』とホントに思いますね」と代表の高橋氏は言うのである。
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>> 10年10万キロのダッジ デュランゴ を見る
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