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[試乗記]

6.4リッターHEMI V8エンジン搭載

2018 ダッジ デュランゴ SRT

世界最速の3列シートSUV

2011年にデビューした三代目ダッジデュランゴに登場した新たなトップモデル。その名もダッジデュランゴSRTである。

更新日:2018.08.06

文/吉田昌宏 写真/古閑章郎

取材協力/ジャパンレーストラックトレンズ TEL 0356613836 [ホームページ] [詳細情報]

初代デュランゴからの乗り換え車両

 当サイト2010年5月の記事で紹介したガンメタボディのデュランゴ。長崎在住のオーナーが、その時点ですでに10年乗っており、その愛車を衣替えと称してエアロを装着し、カムシャフトの交換を行っているという内容である。

 そしてそれから8年の歳月が過ぎたちょうど数ヶ月前に、遂に乗り換えを決意(計18年以上乗っていたことになる)。乗り換えた車両ももちろんデュランゴ。新車である。

 だが。これまでの現行三代目デュランゴには興味がわかなかったという。走りのイメージがあまりなかったからである。

 ところが。2018年モデルに加わったトップモデル。SRTの登場によって一気に傾いた。ということで、そのSRTの紹介である。

ダッジチャージャーを彷彿とさせるフロントマスクとバイパーを模写したような抑揚の強いボンネットフードを装備したデュランゴのトップモデル。

リア回りの変更は少ないが、エキゾーストはSRT392チャージャーと同様のサウンドが響く。

一昨年のセマショーに登場したデュランゴシェイカー。これはこれでかなり魅力的。

こちらのデュランゴが2010年に紹介した記事内の個体。18年以上乗り続け最新のSRTに乗り換える。当時の記事は下記リンクからどうぞ。

もっと早期に登場すべきトップモデル

 ミディアムボディにV8エンジンを搭載した初代デュランゴの系譜を引くにもかかわらず、イマイチ走りのイメージが定着しなかった現行三代目デュランゴ。ジープグランドチェロキーとベースが一緒にもかかわらず、さらにグランドチェロキーにはSRT8があったにもかかわらず、デュランゴにはそういったパフォーマンスモデルが存在しなかった。

 そう言う意味で、しかもデビュー後7年が経ちそろそろモデルチェンジの話題が出るであろうモデル末期の状態において、一昨年のセマショーにて公開されたダッジ デュランゴシェイカーは、ダッジファンの密かな期待の一台だった。

 ヘルキャットや392チャレンジャーのようなパフォーマンスパーツを引っ提げ、B5ブルーという伝説のカラーリングに身を包んだシェイカーは、デュランゴのさらなる可能性を感じさせる存在だったのである。

 で、遂に登場したデュランゴSRT。ダッジらしい走りを予感させるマッスルSUVである。

搭載されるエンジンは6.4リッターHEMI V8。8速ATと組み合わされ475hp、最大トルク470lb-ftを発生させる。

簡単に言ってしまえば、チャージャーやチャレンジャーの392とまったく同じエンジンやミッションやエキゾーストを使用している。

駆動方式はトルク配分型のAWD。装着されるアダプティブサスペンションに20インチタイヤが組み合わされる。四駆の475hpには、チャージャーとはまた違った魅力がある。

物凄い速そう、というのが率直な印象。大排気量のV8エンジンを走りに使用するSUVは、このデュランゴとグランドチェロキーくらいだろう。

6.4リッターV8+4WDの面白さ

 搭載されるエンジンは、6.4リッターHEMI V8。475hp、最大トルク470lb-ftを発生させ、8速ATと組み合わされる。その0~60マイルスプリント加速は4.4秒という超がつくほど速い加速感を発揮させる。ダッジいわく、世界最速の3列シートSUVということである。

 くわえてデュランゴSRTのボディスタイルは新たな独特のムードに支配されている。まず目に付くフロントグリルの新型エアロ類、さらにバイパー風のフードスクープ&エアスクープやブラックノイズ仕上げの新20インチホイール等、過激な雰囲気は十分に感じとれる。リアのエキゾーストサウンドは392チャージャーと同サウンドというから刺激的である。

 駆動方式はトルク配分型のAWD。装着されるアダプティブサスペンションに20インチタイヤが組み合わされ、旧モデル比でフロント4%、リア15%ほどスプリングの剛性を上げている。それらによるボディ重量配分は52:48を実現し、ニュートラルなハンドリングを提供する。

 一方ブレーキは、15.0インチローターに6ピストンのブレンボキャリパーで、リアは4ピストンキャリパーと13.8インチのローターとなる。

 デュランゴという存在は、アメリカではミディアムクラスのサイズ感しかなく、3列目シートを有していてもキャパが小さいことから選ばれにくい存在だったことは想像に難くない。しかも、その存在としてのアピール度が他のSUVよりも少なければ個性がないと断じられても仕方がない。

 たとえばフォードエクスプローラー。搭載エンジンは2リッター直4エコブーストだが、ボディはデュランゴよりもサイズ感があり、室内空間も大げさではなく圧倒的に広い、というようなアピールポイントが少なかったのだ。

誰もが期待していた大排気量V8エンジン搭載モデル。

ブレーキにはブレンボが装備される。またフロントバンパーグリル内にある大型カメラによって自動ブレーキ等の充実した安全装備が加わっている。

基本的な造形には変化はないが、乗れば全体的な硬質な印象に驚くに違いない。

世界最速の3列シートモデル

 だが、6.4リッターHEMI V8エンジンを手に入れたことで、世界最速の3列目シートSUVという、自慢のフレーズができたことで、その存在価値は一気に上がる。まさに最速のSUVが手に入る!

 日本では、いまだ初代デュランゴが中古市場で大きな人気を得ているが、その最大の魅力は「パフォーマンス」を連想させるアメ車らしい存在感である。

 だとすれば、このデュランゴSRTは、日本でも大いにウケるのではないだろうか(というか、最初からこういったモデルを出すべきだったのだろう)。

 ちょっとマニアックな方ならお分かりだろうが、このデュランゴSRT、フロントマスクが現行ダッジチャージャーに似ていることに気がつくだろうか?

 ほんとに少しだが、同乗させてもらった。で、感想を述べるなら、非常に現代的な硬派なSUVということになるだろうか。

 乗り比べれば、たしかにフォードエクスプローラーよりもボディは小さい。だが、そこに詰められたエンジンは、大排気量V8の475hp。エクスプローラー+200hp超のパワーである。

 引き締められた4WDの足と大パワーが奏でるワープ感。そしてV8サウンド。たとえばポルシェマカンも相当に速いらしいが、言うてもV6パワーである。率直に、相手にならんでしょう(笑)。

フロントマスク全体の印象が悪っぽく変わっている。

本国にはこういったストライプのオプションが。それにしてもデュランゴにはストライプがよく似合う。

いまだ初代デュランゴの人気は高い

 さて、こちらのデュランゴSRTを直輸入したのはレーストラック。いまだ初代デュランゴの整備からカスタマイズまでを一手に引き受けているデュランゴマイスターである。

 初代に関しては、つい最近も新たなオーナーさんが増えるなど、まだまだ人気であり引く手あまた。当然モノはどんどん減っているからそう簡単には入手不可能だが、レーストラックには常にモノが一台以上在庫されている。くわえて事故車等のパーツ取り車も豊富にあり、今後に備えた予防策にも余念がない。

 また、初代のみならず二代目ユーザーもいるというから、今回の三代目オーナーもくわえ、レーストラックには歴代フルラインナップのユーザーが存在していることになる。

「SRTの登場で、やっと『らしさ』が出てきましたね。デュランゴには実際の速さではなく、速さや悪っぽさのようなイメージが必要なんです。SRTはボディを含め雰囲気が変わりました。『デビュー当初から出ていればな~』とホントに思いますね」と代表の高橋氏は言うのである。

いまだにこれだけの初代デュランゴを販売するショップは皆無だろう。初代はメンテナンスのほか、カスタマイズにも力を入れておりカスタムからチューニングに至るまでを確実にこなす。

二代目デュランゴをも手がけている。

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>> 10年10万キロのダッジ デュランゴ を見る

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