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[試乗記]

九州で90年代のアメ車と言えばハーツライジング

1994 GMC K1500 シエラ

古き良きアメリカンテイストが漂うフルサイズピックアップ

いま日本中でプチブームを巻き起こしている90年代のC/Kシリーズ。今回は熊本ハーツライジングにてK1500を取材した。

更新日:2018.10.16

文/田中享(Tanaka Susumu) 写真/田中享(Tanaka Susumu)

取材協力/ハーツライジング TEL 0963490073 [ホームページ] [詳細情報]

日本での認知度が高い88年から99年モデル

 シボレーC/Kシリーズといえば90年代に一世を風靡した伝説的ピックアップトラックとなるが、そのC/Kシリーズで最も認知度が高いモデルがシリーズ4代目となる1988年から1999年モデル。

 それまでの丸みを帯びたスタイルから直線基調のデザインをまとった力強いデザインが魅力のピックアップであり、筆者と同年代、すなわちアラフィフの方々には結構刺さったモデルが多かったに違いない。

 で、そのシボレーC/Kシリーズの兄弟車となるのがGMCブランドであり、フロントマスクの印象が異なる以外基本的にパーツが同じなため、当時両車の間でマスク替えのカスタムを行うユーザーが結構いたのを思い出す。

 ちなみにこの4代目以降、C/Kシリーズは「シルバラード」、GMCは「シエラ」と名前もデザインも変わってしまったために、「1500」とか「2500」とか数字で呼ばれる最後の年代モデルということになる。

 いまさら蛇足かもしれないが、あえて記すと「C/K1500シリーズ」とはシャシーのタイプを表しており、CとKは駆動方式で、Cは2WD、Kは4WDを意味している。そして4桁の数字は荷台の積載量を表している。たとえば1500は2分の1トン、2500は3分の4トン、3500は1トン積み。したがってC1500といえば2WDの半トン積みトラックとなり、K2500となれば4WDの3分の4トン積みとなる。

 そのほかにボディバリエーションは、レギュラーキャブ、エクステンドキャブ、クルーキャブ(ダブルキャブ)の3タイプがあり、ショートベッドとロングベッドという2種類の荷台が用意されていた。

年式なりに色褪せしたダークレッドのボディカラーが風味となって車両の存在感を際立たせている。誰が見ても古いクルマに見えるのだが、旧車的な弱さは微塵も感じさせない。いかにも「男のクルマ」という感じだ。

足回りはノーマル。タイヤ&ホイールは純正ホイールにヨコハマのジオランダーM/Tの組合わせで、サイズは前後とも285/75R16。Z71オフロードパッケージということもあり、本格的なオフロードも走破できる。

取材車は1994年型の四輪駆動

 くわえて、エンジンは4.3リッターV6を底辺とし、5リッターV8、5.7リッターV8、7.4リッターV8、そして6.5リッターV8ターボディーゼルと多彩なラインナップを誇っていたのである。

 これらの順列組み合わせにワークトラックパッケージ、シャイアントリムパッケージ、シルバラードトリムパッケージといった複数のグレードが用意されており、そこにピンキリの様々なオプションが用意されていたから、そういう意味では星の数ほどのバリエーションが存在していたことになり、日本にも様々なモデルが当時輸入されていたのである。

 ということで、1994年型のGMC K1500。繰り返すがGMのC/Kシリーズは後輪駆動と四輪駆動という違いのみで、見た目や装備にはほとんど違いはない。だがしかし、90年代当時に両車を購入したユーザーには、明確な趣味嗜好の違いが見て取れた。

5.7リッターOHVのV8エンジンは、スペック的には大した数字ではないのだが、実際に乗って見ると非常にトルクフルで、大柄なボディを過不足なく引っ張ってくれる。

現代の乗用車ライクなデザインとは異なるトラック然としたインパネ周辺と、ボディカラーと同じダークレッド(というよりも臙脂色?)の内装がいかにもこの時代のアメリカ車らしい雰囲気を醸し出している。

そして驚くほど良好な状態。

実際に走らせても現代の交通事情に難なく合わせられる素地がある。そして面白い。最新のピックアップと比べたら、フルサイズではあるがこのKはそれほど大きさを感じさせないのもいい。

内外装共にオリジナルに近い状態

 90年代に日本でC1500がブレイクした頃、K1500はC1500ほどには人気がなかったのだ。それは何故か?

 当時日本で流行っていたのは、ローライダーと呼ばれる車高を下げるカスタムが施されたスタイルだったから。

 当時、K1500の方はノーマルで乗られるか、あるいはリフトアップして乗られるかが主流であり、C1500やサバーバン、タホといったシャシーを共有する兄弟車達のブレイクとは少し離れた位置で、本当のアメ車好きが乗っていたイメージがある。

 90年代に日本に輸入されたC/Kシリーズは、感覚的にはCが八割。Kが二割といった感じだった。しかし、20年の歳月を経た現在、中古車市場における球数は完全に逆転しており、程度良好なCを探すのは難しいが、Kであれば時間さえかければ良い個体が見つかるようになっている。これは前記の通り、KがCの様な無茶なカスタムが施される事がなかった故だろう。

 で、このK1500は、九州のハーツライジングの在庫車だが、元々は同社代表の山本氏が自分で乗るために仕入れた車両とのこと。

 聞けば「第四世代のC/Kシリーズの中でも個人的にはこの94年型までのモデルが好みです。後期モデルとの違いは微妙なデザイン上の違いだけなんですけどね。

 この車両は外装色も内装色も90年代のアメ車らしくて良い感じでしょう? GMCはシボレーよりも少し高級感があるのもいいし。また、この車両は新車並行で来歴がはっきりしていて、内外装ともにオリジナルに近い状態を保っている。金額的にはけっこう高めだったんですが、こういう車両はこの先ちょっと出てこないと思って仕入れました」

シートもオリジナルコンディションを保っており、それなりのヤレはあるが、いい味となって現れている。正直、汚い車両が多い中で、この状態は驚きである。

リアシートは使用感すら感じさせない状態。プロのショップオーナーが自らの愛車にしようと惚れ込む理由もよくわかる。

荷台もご覧のとおり十分に使える。

徐々に90年代モノも扱うようになってきた

 また、「ハーツライジングは元々は80年代のK5ブレイザーとかサバーバンなどがメイン車種だったんですが、最近は少しずつ90年代のモデルにシフトしています。70年代や80年代のアメ車って独特の雰囲気があってカッコいいんですが、遊びの道具として使うにはやっぱり少し古いんですよね。日常的に使えないわけではないんですが、どうしても気を使う。

 でも90年代のモデルであれば細かいことは気にせずにガンガン使えますから。仮に壊れても割と簡単に修理出来ますしね。『所有しているだけで満足』という楽しみ方を否定するつもりはありませんが、弊社としてはアメ車は『遊びの道具』であって欲しいと考えているので、車両本体価格的にも、維持費的にもリーズナブルで、それなりに『味』のある90年代のバンやSUVも最近はオシしています」

 現代のアメリカのピックアップトラックは、高級車かつ乗用車ライクになり過ぎて、働く男の車という感じはしない。だから当時の雰囲気を味わいたいとか、ツールとして使い込みたいとか、そういった興味があるならこのK1500のようなピックアップは最高である。

 維持に関しても、パーツは比較的安価だし、日本中どこにでも修理できるショップがある。現代の車両はメーカー純正のスキャンツール等の電子デバイスがないとメンテさえできないし、1ナンバーであれば維持費も安くて済むし。

 気軽に乗れる最後の世代といわれる90年代。興味があるなら早いうちに一度乗っておくことをオススメするし、このK1500であれば、それこそこの先10年は十分乗れるだけの程度が備わっていた。

ハーツライジング代表山本氏が常々語る「人生を変えるほどの魅力あるアメ車を提案したい。そして道具として、また遊びの相棒として使い込まれるよう、シッカリ走ることができる状態で収めたい」というポリシー。今回のK1500は、そんな同社の提案する一台である。

ハーツライジングではこうした80年代車両を積極的扱っているが、日常的にガンガン使用するなら90年代も選択肢として、今は扱うようになっているという。もちろん、写真のような極上の1991年型シボレーK5ブレイザーも存在する。

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