TEST RIDE

[試乗記]

あえて名前を変えてのフルモデルチェンジ

2017クライスラーパシフィカ (CHRYSLER PACIFICA)

ミニバンのレベルをまた一段上げる

アメリカでのミニバン人気は減少ということで、他メーカーからのライバル車が減るなか、残ったメーカーたちのシェア獲得のしのぎ合いが激しさを増している。そんななか登場したクライスラーパシフィカが日本に初上陸。取材した。

更新日:2017.04.07

文/吉田昌宏 写真/古閑章郎

取材協力/BUBU / ミツオカ TEL 0120-17-2290 [ホームページ] [詳細情報]
     BUBU横浜 TEL 045-923-0077 [ホームページ] [詳細情報]

ミニバン新基準を打ち立てるべく新開発

 本国アメリカでのミニバン人気は凋落の一途を辿り、GMやフォードは早々にこのセグメントから撤退した。そして彼らは、これまでのミニバンユーザーを3列シートを持つクロスオーバーSUVへと移行させることで、ミニバンシェアをも奪い取ろうとしたのである。

 その結果、今現在、USトヨタ、USホンダ、US日産、クライスラーがミニバン生産を継続しているメインプレイヤーとなる。

 だが、面白いことに、ミニバンシェアは確実に減っているのだが、ライバルが減ったことによって上記のミニバン販売台数は一転好調に転じ、なかでもトヨタシエナは一強の強さを見せシェアアップを果たしているのである。

 そんな状況のなか、クライスラーは2017年ニューモデルとしてクライスラーパシフィカを登場させた。

 このパシフィカ、ニューモデルとはいえ、タウン&カントリーの生まれ変わりであるのだが、あえて名前を変えての再出発を図ったのである。

 2017年型パシフィカは、ベースとなったタウン&カントリーからプラットフォームを一新し、ハンドリングや乗り心地、その他機能面や安全性を高め、ミニバン新基準を打ち立てるべく開発されている。

 エクステリアやインテリアのデザインは、現行クライスラー系マシン(主に200)の影響を受けた部分が多く見受けられ、ひと目見てクライスラー製ミニバンという認識がなされるよう、スタイリッシュさを全面に押し出している。

 ボディには、フロントマスクやウインドー周り等にメッキパーツが使用されイマドキ感が増したとともに、高級感溢れるスタイルが確立されている。

現クライスラー200系のデザインをまとい、フロントマスクやウインドー周りにメッキパーツを取り入れるなど、スタイリッシュさを追求した新型パシフィカ。フロントからの見た目に野暮ったさは微塵も感じない。

リア周りはシンプルな形状。既存のアメリカ車は常にリア周りはシンプルである。

写真は旧タウン&カントリー。パシフィカはこのタウン&カントリーのモデルチェンジ版であり、あえて名前を変え新たなミニバン像を打ち立てるべく新開発されている。

エンジンやミッションは既存の熟成品を使用

 この洗練されたボディスタイルに搭載されるエンジンは、3.6リッターV6ペンタースターエンジン。287hp、最大トルク262lb-ftを発生させトルクフライライト9速ATと組み合わされる。

 このエンジン、さすがにクライスラーやダッジ(300、チャレンジャー、チャージャーに搭載されるエンジンと同機)の派生エンジンということで実力がかなり高い。

 くわえてダイヤル式のATセレクタを持つ9速ATが非常に小気味よく動作し、街中での最適ギアを瞬時にセレクトしてくれるため、重量感溢れるミニバン風情をまったく感じさせない。

 本国での試乗テストにおける八の字旋回において27.5秒というタイムを非公式だが記録している。同時にテストされたトヨタシエナSEが28.8秒、ホンダオデッセイが28.7秒、日産クエストが28.9秒ということを鑑みれば、エンジンパワーとそれを生かす足回りとのセッティングの妙ということが言えるだろう。

搭載されるエンジンは、3.6リッターV6ペンタースターエンジン。287hp、最大トルク262lb-ftを発生させる。実力は、すでにチャレンジャーやチャージャーで実証されているエンジン。

驚くべきことに、インテリアの質感が格段に高まっている。手に触れる各部の質感は日本車以上であり、全体の雰囲気は高級車レベル。

組み合わされる9速ATは、ダイヤル式セレクタ。慣れるまで若干時間を要するが、これによりインパネ周りが格段にスッキリしている。

こういう細かなデザイン的配慮にも優れており、外車を所有している満足感にも浸れる。

人を快適に運ぶに相応しいミニバン

 実際、街中でのパシフィカは乗り心地の当たりが非常に柔らかく、かといって過大なロールに悩まされることもなく、比較的軽いステアリングフィールと相まって、快適なドライブが可能である。ブレーキフィールやハンドリングにもまったくダルさがないため、かなり速い速度域になっても不安感がまったくない。

 同時にSUVよりも着座位置が低く安定感が高いため、人を快適な状態で運なら「SUVよりもミニバンだろう」というのが、正直なところ。

 左ハンドルの巨大なミニバンという車体構成ではあるが、フロント、リアビューの360°カメラがパーキングアシストなどに使われ、ドライブ補助もかなりシッカリしているし安全装備も充実しているから、国産ミニバンからの乗り換えも意外とスムーズに行えるはずである。

 室内は、広いのは当たり前だが、まずドライバー周りの空間的広さが突出しており、足元の広さもお見事。そういう巨大な居住空間であるにもかかわらず、走行フィールがシッカリしているので安心感は高く、飛ばせるバンとしての能力もかなり高い。

 また、手に触れる各部の質感が日本車以上であるのは間違いなく、全体の雰囲気は高級車のそれであり、ザ・ガイシャ的な異国情緒にも溢れている。その点でも所有欲が満たされること間違いないだろう。

 クライスラー系のミニバンでは、2列目3列目が完全なフルフラット状態になることが旧モデルから喧伝されているが、このパシフィカにおいてもStow'n Go(ストウンゴー)は健在である。この巨大なボディに後席空間のフルフラット状態は何にも勝る巨大な積載空間だけに、荷室の使い勝手を求める向きにも最高の1台となるはずである。

パシフィカの運転席周りの広さは特筆もの。足元周りやセンターコンソール下の空間が広大で開放感に溢れる。

センターコンソールのデザイン的まとまり感や操作性にも優れている。

各所に物入れが豊富であり、実用車としてかなり使えるクルマである。

本国にはPHEVも存在する

 ちなみに余談だが、元祖ミニバンと言われるこだわりからか、クライスラー製ミニバン特有の「初物好き」としての隠し球もちゃんと用意されている。それがセグメント初となるPHEV(プラグインハイブリッド)の存在である。

 搭載されるエンジンは、ガソリンエンジン同様に3.6リッターV6ペンタースターエンジンとなるが、パワーを抑えCVTと組み合わされることでリッター30キロ以上を実現させるというから恐れ入る(あくまでカタログ数値)。

 このPHEVは、セカンドシート下にリチウムイオンバッテリーを収納する関係上、セカンドシートを床下に収納することはできなくなっているが、それを除けば、ガソリンモデルとほぼ同様の装備や取り回しが可能となるという。

フロントシートは電動調整式で、レザーの質感も良く、ホールド性も良好。着座位置も思いのほか高くないため、運転時の安心感はかなり高い。

セカンドキャプテンシートの足元周りのスペースは広大であり、何ら不満の出ない快適性である。

当たり前だが、SUV以上に使える3列目シート。当然ながらまったく普通に座れるスペースが用意されている。

3列目シートを使用した状態でも荷室のスペースも十分確保されている。

ガイシャ感満載で所有欲が満たされる

 US系ミニバンのなかで日本における人気最右翼はUSトヨタシエナということになるのだろうが、室内空間の巨大さや品質感においてはパシフィカが圧倒しているだけに、旧クライスラー系ミニバンユーザーのみならず国産ミニバンユーザーにも検討していただきたい1台であると言えるだろう。2ドアクーペであるダッジチャレンジャーのセカンドカーとしても大いにオススメである。

 なお、取材したBCDの2017年型パシフィカ・ツーリングLは、2万2000キロ弱走行の個体。現地に日本法人を持つBCDならでの品質チェックのもと日本に直輸入されたものだ。その甲斐あってか、中古車であるにもかかわらずまるで新車のようなシッカリ感が残っているのが最大の特徴である。

 BCDは、日本人ユーザーが好む中古車の質の部分をシッカリと認識しているため、安かろう悪かろうという車両が日本に持ち込まれることは決してないのである。

 また、BCDでは積極的に新型車を導入している関係上、「パシフィカの新車が欲しい」ということになれば、本国仕様の中から好みのボディカラーやオプション等を自由に選ぶことが可能であり、くわえて日本において3年6万キロの新車保証を付帯してくれることから、まるでディーラー車のような手厚いフォローが受けられるのが特徴である。

クライスラー製ミニバンの代名詞となったStow'n Go(ストウンゴー)。2列目3列目が完全なフルフラット状態になる。

3列目までをフルフラットにした状態。十分な広さ。足を伸ばした状態での車中泊が可能なほどだ。

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