更新日:2020.07.08
文/石山英次 写真/FCA
チャレンジャーにチャージャーにグラチェロに。そしてデュランゴにも及んだ700hp超の世界。2021年にデュランゴのヘルキャットがついに登場する。
で、面白いのがグラチェロトラックホークとの差別化である。世間一般的には、グラチェロは2列シートで、デュランゴには3列シートが装備されている、ということだが、今回、FCAはグラチェロに対し3hpのみ、デュランゴのカタログスペックを上げている。グラチェロの707hpに対しデュランゴの710hpである。
まあ、たった3hpであるから、その差はほとんどないに等しいが、あえてその差を設けたことに何かしらのFCAの意図があるように思えて仕方ない(シート1列分の補いか)。
というのも、このデュランゴSRTヘルキャット、想像以上に手が加えられている。単純に6.2リッターV8スーパーチャージャーエンジンが搭載されただけではないのである。
改めて見ていこう。ヘルキャットと同機のエンジンは、710hp、最大トルク645lb-ftを発生させ、0-60マイル加速を3.5秒でこなし(デュランゴSRTよりも0.9秒速い)、1/4マイル加速を11.5秒というタイムで走りきる。
さらにサーキットでも、同コースを走るデュランゴSRTよりも1.5秒速くラップするというから、加速、ハンドリングといったあらゆる部分において進化している。
組み合わされるミッションは8速ATだが、変速スピードを求め、2018年に限定モデルで登場したチャレンジャーSRTデーモンと同機のミッションを搭載。ちなみに、牽引能力は約4トンというから、走りだけではない万能SUVとも言えるのである。
ボディは、全域で空力を見直し、SRTに対してリアのダウンフォース400%超を実現している。具体的には、フロントに新しいリップスポイラー、エンジンオイルクーラーダクト、エアガイド、シュノーケルが設けられ、リアには新型のリアスポイラーが装備され、フロントエンドからリアエンドにかけての空力バランスを改善し、それに伴う400%アップということである。
一方、ハンドリングには、モード変更可能な電動パワステが採用され、走行中のハンドリングパフォーマンスが改善される一方で、駐車時の旋回時の軽妙なフィールにもこだわり、操作性を上げている。
新しい10.1インチのタッチスクリーンを介してドライバーは、トランスミッションシフトスピード、ステアリング、パドルシフター、トラクション、全輪駆動(AWD)、およびサスペンション設定を制御することが可能であり、SRTドライブモードも新たに加わっている。
ちなみに、インテリアは、デュランゴSRTから大きく変わり、センターコンソールがドライバー側に7度傾けられ、ドライバーを囲む、いわゆるチャレンジャーのようなドライバー中心のコックピットを構築し、同時に既存のデュランゴとは異なるボタン配置を行っている。
あわせて、チャージャーやチャレンジャーのようなフラットボトムのステアリングを採用し、パドルも両車と同様のものが装備されている。
2021 ダッジデュランゴ SRT ヘルキャットには、11色のボディカラーが存在し、1年間の限定モデルという。今年秋からオーダーが開始され、納車は来年年明けからということである。
チャレンジャーデーモンと同じように1年間の限定モデルということだから、迷っている暇はない、ということだろう。
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES