TEST RIDE

[試乗記]

ガンメタ風のボディカラーにシェイカーが付いたMT車

2022 ダッジチャレンジャー R/Tスキャットパック

人とは違う差別化チャレンジャーにはもってこいの1台

まるで新車のような佇まいの個性あふれる個体を取材した。

更新日:2022.12.24

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/BUBU / ミツオカ TEL 0120-17-2290 [ホームページ] [詳細情報]
     BUBU横浜 TEL 045-923-0077 [ホームページ] [詳細情報]

最後の1台に絶好のモデル

 つい最近知ったのだが、チャレンジャーの「ラストコール」にて6番目に発表されたブラックゴーストが今本国で8万ドルのプレミアムプライスを付けているという(笑)

 ブラックゴーストは、ゲイタースキンと呼ばれるオリジナルグラフィックにて飾られた300台限定モデルである。

 それにしても8万ドルである。1ドル140円で計算しても1120万円。それに車両本体価格が加わり、日本への輸送費や改善作業費等が加わればざっと見積もって2500万円は超えるか?

 それでも「買う」という方々が後を絶たないという。日本にもそうした人がいらっしゃるということだから、素晴らしいとしか言いようがない。

▲2022年型R/Tスキャットパック。走行距離約300キロのBCD車両。

▲ワイドではなくあえてナローボディを選ぶだけの各種パーツが組み合わされている絶好の個体。

 まあ、考えてみればR34GT−Rの中古車が3000万円とか5000万円とかする時代である。ポルシェやベンツやBMWに至っても通常ラインナップの上位には普通に2000万円越えのモデルが数々並んでいる時代である。

 くわえて世界的な話でみればレンジローバーの最上級モデル、3200万円する5リッターV8ツインターボの530hp仕様は売れすぎて納車待ち3年以上となり受注停止というから、いつの間にやら高級車の標準価格は数年前の1.5倍以上くらいには確実になっているのだろう。

 上記のブラックゴーストであるが、日本にて入手を待ち望んでいる方は、複数台の高級車をお持ちといい、「欧州車と比較すればそんなに高くはない」ということだから、そういうことだのだろう(笑)

▲搭載されるエンジンは6.4リッターV8で485hp、最大トルク475lb-ftを発生させる。MT車ベースだから感覚的にはよりいっそう速く感じる。

▲シェイカーフード装着車でもあるから、ボンネット上の突起物によって視覚的な前後バランス感覚も優れているように見える。

▲ボディ同色系のホイールが一体感を与えてくれ、硬派な印象をもたらしてくれる。

 さてそんなチャレンジャーであるが、あと一年ちょっとで生産終了である。ダッジの親会社であるステランティスは着々とEVシフトを進めており、つい最近もジープラングラーのPHEVモデルの日本国内受注を開始させているから、徐々にだが確実にそうした時代の到来がやってくる。

 余談だが、ラングラーも現行型が最終型だと思っている。だからチャレンジャーにラングラー、歴史に残る名車もあと少しということである。

 ということで、「だからその前に最後の1台を」として、初めてのチャレンジャー及び乗り換えチャレンジャーとしてオススメの車両を紹介したい。

 で、絶対に一度は乗りたいモデルとして6.4リッターV8エンジン搭載車をオススメする。

 多くのファンから「そんなに変わらないでしょ?」とよく聞かれるが、いやいや、「全然違いますよ」と答える5.7と6.4との差。

■HEMI 5.7リッターV8:375hp@5150rpm、410lb-ft@4300rpm(MT車)
■HEMI 6.4リッターV8:485hp@6100rpm、475lb-ft@4100rpm

▲AT車だと斜に構えた乗り方も可能だが、MT車であるから、正面を向いてしっかりした姿勢をとる必要がある。

▲6速MT車は何度触れても良好なシフトフィールが好感。マッスルカーに相応しいガチッとしたフィールもチャレンジャーによく似合っている。

▲3ペダルの配置も適切で特にクラッチは何ら違和感なく絶好のフィールで操作可能である。

 スペックにして約110hp、最大トルク75lb−ftの違いだが、実際には数字以上に体感上の違いがある。だからもし今5.7リッターに乗っているなら是非とも一度は6.4リッターに乗って欲しいし、またこれからチャレンジャーに乗るなら、一気に6.4リッターへ行ってはどうか、と思う。
 
 もちろん、排気量による自動車税の違いが年2万4000円ほどあるが、所有した満足感はきっとそれを上回るはず。

 しかも世界中から消えかけている大排気量V8NAエンジンという点においても、もしくはメルセデスやBMWといった他メーカーの外車オーナーに対しても極上の優越感で圧倒するはずだ。くわえてMT車ならなおのこと圧倒する!

 歴史に残る名機、6.4リッターV8エンジンは、低回転域から3000rpm程度まで回せば十分に楽しめるから、街中でも楽しく、高速道路の加減速で楽しく、とにかく身近に楽しめるのが最大の特徴であり、現代アメリカンV8の魅力(サウンド、トルク感といった感触)の最高峰を所有する醍醐味が味わえる。

 しかもBCD車両ならMT車が選べ、グラナイトというボディカラーが選べ、シェイカー装着車までが選べる。

▲MT車であるから、タコメーターの動きを中心に見守り、逆にその動きがドライバーを鼓舞する。

▲まるで新車のようなコンディションであるから、シート等にヤレ等は一切ない。

 2022年型R/Tスキャットパック。走行距離約300キロのBCD車両。この車両の極めて素晴らしいポイントは、まるで新車のような佇まい。そしてある意味ワンオフ的な一体感。

 まずワイドではなくノーマルナローボディにグラナイトというグレーメタリック風のボディカラーが新鮮であり、いわゆるガンメタと言える流行りのカラーがブラックよりも似合っている。それにシェイカーパッケージが装着されているから、旧時代のチャレンジャーを連想させるカッコよさ。全体のトーンが統一されていて非常にシックなチャレンジャーである。

 それでいてMT車というから、乗って楽しく、飛ばして速く、現行チャレンジャーにおける人との差別化にはもってこいの一台ではないか。

 別項でサブライムグリーンの個体を紹介しているが、そうした原色カラーがもたらすチャレンジャーのヤンチャな感じが一切ないから、それとは対極をなす大人なムードを求めるファンに最適ではないかと考える。

 それでいて超硬派な印象も与えられるだろうから、硬軟自由自在に対応可能なチャレンジャーとしてお勧めである。

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