1999年に登場した初代エスカレード。2001年に登場の2代目、そして2007年にフルモデルチェンジでデビューの3代目。ちなみに4代目は2015年、5代目が2021年デビューとなっている。
ということで3代目たる2007年型キャデラックエスカレードである。
この年代のエスカレードは、「BVLGARI」ロゴの入ったアナログ時計で有名だった2代目エスカレード時代をベースにフルモデルチェンジを果たし、当時最新のトラック用プラットフォーム採用することでプレミアムサルーンに匹敵する快適な乗り心地を獲得したフルサイズSUV。
フロントマスクを含めたデザインは当時の「STS」や「CTS」同様の「アート&サイエンス」をデザインコンセプトとし、シャープなデザインに一新され、当然駆動系の進化も著しく、エンジンには403hpを発生させる6.2リッターV8 OHVが搭載される。
それに同期してミッションはそれまでの4速ATから一気に6速ATに進化し、一気にモダンになった印象を与えてくれた。こうした3代目への進化は、初代から2代目への進化とは比べ物にならないレベルのものだった。
2代目までは当然ながらいわゆるアメ車の範疇であり、バタ臭さは健在である。ところが、3代目ではそのバタ臭さが消え、一気に近代化され洗練された。その進化は2世代分とも言われるほどに。
で、こうした3代目エスカレードの人気は未だ健在である。だから中古車需要が非常に多いのだが、その理由は以下のように推察される。
たとえば搭載エンジンは基本4代目や5代目と同機であり(もちろん進化しているのだろうが基本ベースは同じ)、そういった高年式車両は中古車であっても600~900万円くらいするし、5代目の新車となれば1500万円~2000万円あたりになる。
だが「状態の良い中古個体でいい」と思うならば、歴代モデルと比較し若干インテリアの華やかさに劣る3代目だが、(状態にもよるが)200万円台から個体を探すことが可能になり、8速や10速ATといった洗練性はないにしても、逆に荒々しいV8フィーリングを感じることも可能であり、「アメ車」に乗っている感が強く味わえる・・・。
ただし、そういった個体は走行距離がかさんでいたりボディに小傷が付いていたりインテリアが汚れていたりすることが多いのは致し方ない部分ではある。と、まあこんな感じである。
ということで、2007年型エスカレードを取材した。走行7.8万キロの個体である。サンルーフやHDDナビが付き、純正の22インチアルミを履いている。
すなわちカスタマイズを受けた部分がないのが個人的には非常に好ましいと思った。購入時に個体の素の状態がわかりやすく、購入後に自分色に染めることが可能であるから。
で、エンジンは非常に調子が良く、またエンジンルームも非常にクリーンな状態(人工的な作業が施された形跡は皆無)が維持されており、コンディションの良さが伝わってくる。
だが。これだけ調子が良い機関を持っているということは、そして7.8万キロの距離を走っているということは、ちゃんと乗りちゃんと整備されているという証拠ではあると思うものの、どこかにそれなりのしわ寄せが生じるものである。なんてったって約16年前の車両であるから。
この個体の場合、それがインテリアであった。特にシート。いわゆる使い込んだ末にレザーに刻まれたひび割れ、シワ、そして汚れ。
特にこのエスカレードの場合、ベージュというか白っぽいインテリアがベースになっているから、余計にヤレや汚れが目立つ。
ということで、今回エスカレードを取材したブルートでは、販売車に関して納車前のリフレッシュを行い(彼らは納車整備の一部と呼んでいる)あるレベルまで状態を上げた上で販売しているというから、その部分も同時に取材している。
たとえばクリーニング。エスカレードでは、フロント部分のフロアカーペットを剥がすことができないが、セカンドシート以降の部分は剥がすことが可能なため、剥がしカーペットを丸洗い&車内クリーニングをする等、独自ノウハウを駆使した中古車リフレッシュを行っており、多くの反響を得ているという。
特に中古車、比較的安価なエスカレードであっても、しっかり手が入るために、前オーナーの痕跡が消され、非常にクリーンな状態で乗れるわけだからこんなに嬉しいことはないだろう。
くわえて以前のエスカレード取り扱い記事でも説明したが、この年代のエスカレードの弱点を知り尽くしており、そう言った部分にも手を入れてくれるわけだから、非常に安心感が高い。
ちなみに、この年代のエスカレードの良いところは、走る止まる曲がると言った部分における重要要素となるエンジン、ミッションといった機能系パーツが非常に頑丈なところである。
すなわち、こうした強さを生かすためにも、中古車としてヤレた部分を解消してやることで生き返ることが可能になり、結果長く乗れるわけである。
今回の取材車のフロントシートにはかなりの使用感が目立っていたため、張替えとペイント補修を行いシート再生を施している。
たとえば他店であれば、ヤレたシートをシートカバーにて隠すという方法を取るかもしれない。
だが、この方法の場合シートとしては違和感のない状態にすることが可能かもしれないが、レザーシートの風合いがなくなり、シートカバーのレベルによっては安っぽい感じになってしまうかもしれない。
一方、ブルートで行っている張替え&補修であれば、補修用の材料を入手し、下地処理をしっかり行うことで、そして専用の塗料でペイントすることで、レザーシートの風合いを残しながらキレイな状態に仕上げることが可能になる。
もちろん、こういったノウハウがあるショップだからこそ可能な技であるのは間違いないわけで、どこのショップでも可能というわけではないということは知っておくべきである。
ちなみに、エスカレードの場合、年式によりレザーのカラーリングに若干の違いがあるということで、今回の年式では調色をして色あわせしながら仕上げたというから、「さすがキャデラック専門店だな」と思った次第である。
ということで、取材した2007年型エスカレードは、7.8万キロという走行距離を走ってはいるものの、ヤレたシートを再生したりすることで200万円台で購入できる3代目エスカレードの中古車としては断然魅力的な1台となっているのである。
330,000円
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