TEST RIDE

[試乗記]

F8グリーンのシックな雰囲気とT/Aの組み合わせ

2019 ダッジチャレンジャー R/T T/A

R/Tのマニュアル車であるということもオススメ理由

終焉が近づくダッジチャレンジャーの選択肢としてR/T T/Aを取材した。

更新日:2023.03.28

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/BUBU / ミツオカ TEL 0120-17-2290 [ホームページ] [詳細情報]
     BUBU横浜 TEL 045-923-0077 [ホームページ] [詳細情報]

我が道を行くチャレンジャー選びとして理想的な個体

 クルマは機械の集合体であるから、極端なことを言えばたとえ新車であっても「100%完璧」なんてことはありえないわけである。よって中古車になればなおのことあり得ない。

 特に中古車ともなれば、どこで誰が乗っていたかも含め、様々な使われ方から様々な消耗や摩耗が起こり、それらが複雑に絡み合った程度となって後々現れる。そしてそれらを完璧に見極めることはある意味不可能に近い。

 だからそうした中古車を購入するにあたって<リスクを減らすこと>を考えれば、履歴のハッキリした車両を購入する方が、そうではない車両を購入するよりもリスクを減らせる可能性は断然高い。少なくとも理論的にはそうである。

 BCDが販売を行っている「認定中古車」とはまさしくそうした履歴のハッキリした車両ということである。

 くわえて自社基準における確認項目のチェック及び消耗交換パーツ等を経て販売される車両であるから、安心の高いかつ安定感のある中古車と言えるだろう。

▲2019年型チャレンジャーR/T。走行3.4万キロの個体でF8グリーンのボディカラーのT/Aである。

▲くわえてBCD車両がベースとなっている認定中古車である。

 もう少し具体的に説明しよう。上記の認定中古車とは、BCDがアメリカ本国から自社流通にて直輸入したBCD車両がベースになっている。こうした車両には、BCDのオリジナルプランを利用した車両が多く、すなわち販売後もBCDにおける管理車両とも言える存在たち。

 だから購入後に2万キロ走行した場合であっても、その2万キロ内に「いつ、何の整備をしたか」の履歴が明確にあり、もしくはトラブルがあった場合でも「どんなトラブルがいつ起こったか」の履歴が残っているから、例えば国内流通している履歴のわからない中古車よりも、少なくとも履歴がハッキリしているという点において、中古車として圧倒的に優れていると言えるのである。もちろん、修復歴なしの個体たちである。

 すなわち、そうした履歴のハッキリした中古車両こそが認定中古車なのである。

▲搭載エンジンは5.7リッターV8で372hpを発生させる。

▲R/TのT/Aでブラックホイールに前後共にブレンボブレーキを採用する。

▲T/Aならではのデカールとブラックアウトされたフード、リーフ、デッキリッド。

 ということで認定中古車のT/Aを取材。ベースとなっている個体は2019年型チャレンジャーR/T。走行3.4万キロの個体である。そしてF8グリーンのT/Aである。

 T/Aといえば、赤やオレンジやサブライムグリーンといった派手なカラーリングが印象としてあり、また原色のカラーが多いというイメージもある。

 が、この個体はF8グリーンとT/Aというメタリックカラーとブラックの、なんともシックな組み合わせにレア感を覚える。

 くわえて個人的にイチオシカラーのF8グリーンとブラックデコレーションが抜群の雰囲気を醸し出しており、派手な印象を求める向きには全く向かないが、玄人好みのシックなチャレンジャーが好みなら、この大人な印象を与えてくれるカラーコンビネーションは最高の1台になるかもしれない。

▲F8グリーンのボディカラーにT/Aの組み合わせは派手な原色カラーとはまた違う大人な雰囲気をもたらしてくれる。

▲洗練されたコックピットにドライバー側に向けられたセンターコンソール。

▲若干傾けられたシフトノブは、シフト操作が抜群にしやすい。シフトのゲートは明確でストロークは若干長い。が、クイックシフトではないがアメリカ的で操作して楽しいMT。

 プラスしてこの車両はマニュアル車である。なので走りは通常のATよりも楽しく、NAエンジンだからこその鋭い吹け上がりが気持ちよく、ずっと走っていたい衝動に駆られるほど魅力的である。

 「R/Tだから372hpエンジンか」と思うかもしれないが、MT操作を介してダイレクトなアメリカンV8の咆哮を存分に味わっているとAT車の1.3倍くらいはパワフルに感じるから、少なくともパワー数値に関する少なさを感じることは皆無だし、6.4リッターV8に対する劣等感的なものを感じることもほとんどないだろう(もしかすると6.4リッターV8をMT車で乗りたいと思うことはあるかもしれないが・・・・)。

 ちなみに、チャレンジャーのマニュアル車は、着座位置からのステアリング、ギア、クラッチ等の3ペダル類の配置が適切であり、クラッチの繋がりにもクセがないから、国産車のMTがドライブ可能なら方なら誰もが簡単に運転することができる(と思う)。

 慣れれば、アイドリング状態でのクラッチ操作だけで走り出すことが可能になるし、シフトフィールもチャレンジャーに相応しいストローク量で、ホントに乗りやすいからオススメ。

 R/Tにも様々なバリエーションがあり、例えばR/TのT/Aやシェイカー、さらにはそのMT車等、日本国内に出回っている既存の中古車とは異なるバリエーションモデルがたくさんある。

 で、そうしたバリエーションモデルを数多く直輸入しているのがBCDであり、だから当然認定中古車にもそうした数多くのレアな組み合わせモデルが数多く集まるから、R/Tとはいえ、人とは違うモデルを入手し、長く安心して楽しむことができるわけである。

▲ペダル配置が適切で全く違和感なく走行できる。クラッチは適度な重さで繋がりも比較的簡単。クラッチの上げ下げで発進できる。誰でも操作できるMTであるのもオススメ理由。

▲エンジンは同じであってもMT車の方がタコメーターの針の動きがダイレクトに感じられるから、好きな方にはたまらないと思う。

▲バケットタイプでホールド性が良好の純正シート。適度なバケットシートだから乗降性も悪くなく、車両のイメージに非常に良くマッチしている。座面のスエードに若干の使用感は見られるが、総じてコンディションは良好。

 チャレンジャーも今年9月をもって生産終了となることが決まっている。生産終了だからといってすぐに買えなくなるというわけではないが、間違いなく言えることは日本への流通量は確実に減るだろう。

 となれば、これまでのように毎月アメリカから車両がやってくるということがなくなり、今後は日本にすでにある中古車個体の中から選ぶことが求められるだろう。

 となれば、日本におけるチャレンジャーのMT率は10%あるかどうかであろうから、「MTのチャレンジャーに乗ってみたい」と思うのであれば、できるだけ早いどこかの段階で一度乗っておくのが良いのではないか、と考える。

 くわえてBCDの認定中古車なら履歴がはっきりした程度が確保されているから最高レベルの選択肢だろう。

 個人的には、「チャレンジャーには長く乗り、一生ものとしたい」という思いがあるから、MT車の方が長く乗るのに機械的な安心感も高いと思うからベストだと思うし、くわえてF8グリーンの大人な雰囲気が非常に好きなだけに、R/Tとはいえ我が道を行くチャレンジャー選びとしては理想的な1台と言えるのではないか、と思っている。

▲BCD認定中古車とはBCD車両がベースとなった履歴のハッキリした車両であるから、中古車購入の不安が断然少ない。

▲チャレンジャーのMT車は、日本国内にある全個体数の10%もないだろうから、欲しい方は出物があるうちに検討すべし。

▲R/TのT/AでMT車であるという個体自体が非常に少ない。

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