今年3月の記事でテスラ生活の3年間を振り返ったが、その時所有していたのが2021年型モデルXと2022年型モデルYともう一台のモデルXの計3台(それ以前に3台のモデルXとモデル3も所有していた時があったから3年間で合計7台のテスラ車と過ごしていた)
それから半年が経ち、再びテスラ車について話を聞くと、所有していた2台のモデルXがすでに旅立っていた。テスラに乗っていた方の乗り換えと、もう一方はモデルXに乗っていた方がステップアップでの乗り換えを行ったという。
そして同時に新たな増車が行われていた。2024年型モデル3、通称ハイランドと呼ばれるモデル3パフォーマンスである。
話は少々逸れるが、今年初めから世界各地で起こったテスラ離れ。イーロンマスクを筆頭に世界中で中傷され、欧州ではテスラ離れが加速、販売台数も激減した。

▲モデル3には「スタンダードレンジ」「ロングレンジ」が先にラインナップされ、その半年後に追加された「パフォーマンス」

▲林氏は2024年型パフォーマンスの認定中古車を購入されている。
そんな世界中での出来事にユーザーとして何を思ったのだろう。
「私はそんなに気にすることはなかったです。自分で乗ってみてモビリティ(移動手段)として、安全性や快適性などのメリットを体感していますのでイメージが悪くなるということはありませんでした」
確かに世界中での数字上のテスラ離れは明確にあった。が、実は日本においてはその限りでは全くない。編集部調べの数値だが、テスラの昨年の日本における販売台数は5500台程度。
一方、今年はすでに9000台を超えている。およそ1.8倍である。
恐らくだが、テスラジャパンもかなり努力しているということだろう。最近はテスラのインスタ広告がやけに目につくようになったし、都内に販売ショップを期間限定で増やし、テスラ車と触れる機会を増やそうと積極的に動いている。
そういった諸々の、これまで全く見られなかった企業努力(?)も加わって、日本でのテスラ車人気は逆に上がっているとも言える。

▲メーターパネルのない超シンプルなコックピット。ステアリングはヨークステアリングに交換されている。

▲ウインカーレバーさえなく、ウインカーはボタン操作にて行われる。

▲車両とのコミュニケーションのほとんどをセンターディスプレイで行う。
くわえて今年の夏から、日本国内でもテスラの市販車ベースの自動運転公道テストも行われ始めている(FSDと呼ばれるテスラのレベル2自動運転である)=林氏は昨年アメリカにてFSD自体を体験している。
すなわち、テスラの企業価値の根幹をなすFSDテクノロジーがついに日本にて動き出す可能性が高まったということで、今後再びテスラ車の躍進が見込まれているのだ。
さて、そんな中で今年8月に林氏が購入した2024年型ハイランドモデル3。グレードはパフォーマンスで走行2万キロの中古車で、購入時にEAPをオプション装着している。
EAPとは、具体的にはEnhanced Autopilot(エンハンスト・オートパイロット、EAP)でオートレーンチェンジ、オートパーキング、ナビゲートオンオートパイロット、サモン、スマートサモンの機能が使用可能になる。
「研究対象ということで、いろいろなテスラ車に触れるため、あえて新車での購入はしていません。新車で購入すれば補助金が出ますが、4年乗らなければならない(それ以前に降りれば補助金返金)という縛りが出ますので中古車で購入しています。今回のハイランドモデル3は、まだ出たてということもあり出物が少なく、テスラ認定中古車で購入しました」
1年もしくは2年程度で乗り換える林氏の乗り方はかなり特殊な部類と言えるが、一般的には、購入価格が見合えば新車で購入し補助金をもらい4年以上乗ることで、EV車としてのメリットや価値が体感できるはず。
もちろん中古車での購入も可能であり、買いやすくなった年式の個体も徐々にだが市場に出回るようになってきている。

▲シフト操作は、センターディスプレイの運転席側に表示されるクルマのイラストを上に動かすと「D」に、下に下げると「R」に入る。

▲林氏がこれまで所有してきたテスラの大多数がホワイトカラーのインテリアを有していた。

▲「このハイランドモデル3は自動車としての質の部分が大幅に進化しています」と林氏は語る。
と言うことで、ハイランドモデル3パフォーマンスの紹介である。林氏は旧時代のモデル3も所有していたから当然、進化の度合いが分かるはず。また、中古車購入ということで、耐久性や消耗等、メカニックとして気づくことが多々あるはず。
「正直、ソフトウエア自体の飛び抜けた進化を感じることは少ないです。以前のモデル3ですら相当のレベルでしたから。ですが、今回はクルマとしての性能が格段にアップしていると感じます。まず、ボディ剛性がびっくりするほど高く、また遮音性、静粛性が高く、めちゃくちゃ静かです。そういう意味では高級感も確実に上がっていると言えます。そしてアダプティブサスペンションによるコーナリング性能の高さが際立っています。本当にノーロールでコーナーを曲がって行きますし、コーナリング中にアクセルを強く踏んでも挙動が全く乱れないんです」
林氏のコメントをまとめれば、以前のモデル3で感じた「足りないと思ったところ」が全て煮詰まっているということだろう=EVというかテスラ車としての面白さに加え、クルマとしての性能が熟成されたということになれば、それこそテスラ車以外を選ぶ理由がない。

▲パフォーマンスを示すバッジがリアに貼られている。

▲「新しいモデルに触れるたびに『進化』が感じられ、乗る楽しみが増えているように感じます。当然、ジュニパーモデルYも視野に入れています」と今後の動向にも注目だ。
自動車評論的に言えば、車重1850kgのボディに460hpのパワーで0-100km/hを3.1秒、そして最高速が261km/h。航続距離は610kmである。またボディ前後重量配分は50:50で、デュアルモーターAWD、足回りのリアルタイムダンピングによるコーナリング制御で圧倒的に速い。それでいてボディは強固で静粛性が非常に高いということである。
またデザインであるが、筆者はかつて「旧型モデル3の宇宙船みたいなデザインが好きだから、ハイランドモデル3は好きになれないな」と多くの方に話していたのだが・・・。実車を見たら手のひら返し。
ハイランドモデル3、めちゃくちゃいい。フロント&リアともに旧型とは比較にならないほどシャープでデザイン的に優れている。
また、クルマに乗り込んだ段階で自動的にシステムが起動し、シートベルトを締めブレーキを踏むと(クルマの後方に壁があると)自動でドライブに入り、そのままアクセルを踏むだけで発進できる、といった独特の使い勝手が(慣れると)最高=シフト操作せずに移動可能である。
ちなみに手動でシフト操作をする場合は、センターディスプレイの運転席側に表示されるクルマのイラストを上に動かすと「D」に、下に下げると「R」に入る。「P」は一番上の「P」を押す。
「D」と「R」は一般的なシフトレバーの動きと逆になっているから注意が必要だが、とにかく各部の手動操作が大幅にカットされているのが特徴である。

▲自動車メーカーが作るEVとは発想そのものが決定的に異なっており、そこがテスラの最大の魅力と言えるだろう。
こういったテスラの、EVならではの機能やドライバーとのコミュニケーションといったところに、多くの方々が魅了されていくのだろう。
くわえてクルマとしての「質」が確実にアップしている2024年型ハイランドモデル3を体感してしまうと、「なら、2025年に発売されたジュニパーモデルYはどうなんだ?」と思ってしまうのも、テスラに魅了された人々の性なのだろう。
ということで、今回はハイランドモデル3の納車報告であり、次回以降にて試乗等の詳細やASE認定のテストで再びアメリカを訪れるというからその訪米報告ができればと考えている。
138,000円
PERFORMANCE
GDファクトリー千葉店
18,900円
EXTERIOR
ウエストクラブインターナショナル
132,000円
PERFORMANCE
ウエストクラブインターナショナル
3,300円
OTHERS
ウエストクラブインターナショナル