2リッターを越える排気量のエンジンを積むクルマは分不相応なゼイタク品。3ナンバーなんてトンデモナイ! 3万9500円ごときの自動車税の支払いでさえ、毎年アップアップしてる私は、そんな貧困症が染みついて離れない典型的な小市民でありました。が、排気量としては4〜5リッターあたりがごくごく普通のアメ車たちにまみれた今では、例えばマスタングの3.8リッターのV6あたりを見ても、「なーんだ、ちっちゃいエンジンやなぁ」などと思うようになった始末。
ボディサイズもまた然りでありまして、当初はアストロの全幅1969mmという数字にビビリまくっていたものですが、いやはや、慣れとは恐ろしいもので、今ではアストロあたりは「コンパクトなミニバン」という認識が頭の中を支配しております。ハマーH2の取材を終えた後に目に入ったゲレンデヴァーゲンが、本気でジムニーに見えるんですから。
けれども、いかにそこまでマヒした頭をもってしてもC1500 454SSの「7.4リッター」って排気量にはさすがに仰天させられるものがあります。排気量&ボディサイズはデカけりゃデカイほどアメ車乗りとしての醍醐味がある、なんて思っていながらも、アクセルペダルを最初にひと踏みする瞬間には冷たい汗が背中を伝わりました。
ちなみに454SSとは、90年から93年までの4年間でわずか1万7000台弱が販売された、7.4リッタービッグブロックエンジンを搭載したC1500レギュラーキャブのことである
わずか2000回転弱で53kg-mもの極太トルクを発生させるエンジンの感触は、乗り味が濃いめのアメ車たちの中でもひときわ独特で、まるで周りの地面ごとくり抜いてクルマに纏いながら移動してるかのごときであり、とてつもなく重たい物体を、とてつもなく強い力で押し出して瞬時に動かす感覚というのは、やはり重量級大排気量アメ車でしか味わえない世界であります。
空いた高速道路で蛮勇を振るってベタ踏みしてみた時の加速の仕方もまた独特。
たとえば国産の高性能車のように、自分の体液が背中に集まっていくかのような息の長い加速Gではなく、454SSは、クルマの後ろから巨人の手が押してくれてるみたいな不思議な感覚で、さらに1速から2速にシフトアップする時には「ドカッ」と大地が揺らぐ非日常性を味わえます。
ちなみに、このクルマにハンドリングなどといった細かなことは似合いません。一応、普通にコントロールできる範囲で、すべての動作はC1500と同じ感覚。
ただし、フル加速した時分のブレーキには、早めの意識が少し必要かと思う次第。個人的には、買ったらブレーキだけは強化するかもしれません。
実は最初はトラックだからとタカをくくっていたんです。が、試乗を終えた今となっては、コイツは「まさしくスポーツです」と断言できます。現代の国産車基準の頭では到底理解不能な現実ですが、他に代え難い大きな醍醐味があることに違いありません。あ〜7.4リッター、恐るべし!
C/K1500シリーズのモデルネームはシャシーのタイプを表している。CとKは駆動方式で、Cは2WD、Kは4WDを意味する。そして4桁の数字は荷台の積載量を表している。1500は2分の1トン、2500は3分の4トン、3500は1トン積み。したがってC1500といえば2WDの半トン積みトラックとなる。
ボディバリエーションは、6種類のシャシーにレギュラーキャブ、エクステンディッドキャブ、クルーキャブ(ダブルキャブ)の3タイプのキャビン。そしてショートボックスとロングボックスという2種類の荷台が用意されている。
さらにはエンジンが4.3リッターのV6をはじめ、5リッター、5.7リッター、7.4リッターのV8、そして6.5リッターのV8ターボディーゼルと多彩なラインナップを誇る。
これらの順列組み合わせにワークトラックパッケージ、シャイアントリムパッケージ、シルバラードトリムパッケージと3タイプのグレードが用意されているのである。
330,000円
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