ダッジデュランゴがデビューしたのが1997年(98年モデルとして販売開始)。それから2003年までの6年間生産されたモデルであるが、その間、システム面での変更は多々あれど、エクステリアデザインに関する変更はほとんどなかったといっていい。
つまり、デュランゴは見た目から年式を判断することが難しい車種である。だが逆に、見た目が違わないだけに、どの年式のモデルを手に入れても、満足度は変わらないという利点もある。
またそれはエンジンに関しても同様で、デュランゴに搭載されたエンジンは5.9リッターV8、5.2リッターV8、それに3.9リッターV6(超レア190hp)と3種類となり、2000年には4.7リッターV8OHCが登場するも、翌年それによって5.2リッターV8が消滅。
それぞれのパワーも240hp、230hpと最大トルク数値に若干の違いがあれど、中古車となった今、さほど気にするべきパワー差とは思えない数値となっている。つまり、デュランゴを中古車として入手する場合(3.9リッターV6を手に入れる場合のみ別だが)、余程の好みがない限り年式や搭載エンジンには左右されずに「程度」を重視すべきなのである。
ということで、試乗チェック。車輌は1999年型の5.2リッターV8搭載車。オドメーターは4万4千マイルを表示。この車輌は、もともとガレージ510の知人が購入したもので、その知人が別のアメ車に乗り換える時に引き取ったもの。購入時から面倒を見ていたこともあり、程度を把握していることが引き取りの決め手になったという。
またこの車輌は、リアテールを換えている以外(室内にナビを付けたりはあるが)、基本的にフルノーマルであることも要因である。ちなみに下取り時はガレージ510の社用車にすることを考えていただけに、引き取り後すべてのオイル交換を済ませ、ブレーキ関連のメンテナンスも済ませている。
ある意味自慢の車輌ということもあり(?)、試乗はガレージ510のある都筑から大黒パーキングまでの下道と高速を含めたものになった。
エンジンも足回りもフルノーマルということで、見た目に若干腰高な印象を受けるも、これが本来の姿ということになるのだろう。エンジンも一発でかかり、動き出しの印象もずっと眠っていたクルマとはまったく違うスムーズな反応を示す。
デュランゴの最大の特徴は、ダイムラークライスラーとなったことで手に入れた硬質なハンドリング。デュランゴには過去に何度も乗っているが、この絶対的なステアリングの安心感だけはどのクルマにおいても感じられたわけで、それはこの99年型デュランゴにおいても同様であり、街中でも高速でも非常に安心感ある走りが楽しめる(余談だが、デュランゴをベースにローダウンして足回りを硬めたカスタムカーは、だからこそスポーツカーのようなハンドリングを示すわけである)。
とはいえ、さすがに完璧なコンディションでないことは価格の表示が示す通り。個人的な印象として、高速走行時にショックの消耗による減衰力不足を感じることが所々であったために、この車輌を購入した場合はショックとタイヤを交換することが望ましいと思う。ブレーキに関しては、ビックリするほど効きが良く、スポンジーなペダルタッチも改善されているだけに、足回りに関しては、ショックとタイヤを換えるだけで見違えるほど変わるだろう。正直、価格には見合わない良好な印象に驚いた。
それ以外に関して、インテリアの使用感が全体的に見られること以外、特に気になる点がなっかったことは予想外だった。たとえばステアリングの消耗やシートのヤレ、汚れやシワ等…はあるが、他に何か問題があるかといえば何もない。ちなみに取材時は10月末の意外に暑い日中だったが、エアコン使用もまったく問題なく作動し、リアエアコンも寒いほどの効きだった。
なので、インテリア各部のコンディションをよく確認しつつ、タイヤとショックの交換を想定した状態で購入する気があれば、非常に良いベース車となるに違いない(もちろん、カスタムせずにノーマルのまま乗ることもお勧め)。
デュランゴの魅力は、ミッドサイズのボディにフルサイズのパフォーマンスを詰め込んだことであり、それはまた90年代のアメ車だからこそなし得たわけで、ある意味一時代を築いた「名車」と言っても過言ではない。そしてそれは日本の路上にベストマッチなSUVでもあるのである。
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