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SUVなのにあえて2ドアをセレクト! 一体なぜ?

1997年型 フォード エクスプローラー

FORD EXPLORER EXPEDITION

ここで紹介するエクスプローラーは1994年から1999年まで続いた2代目モデル。しかも2ドアボディだ。程度を優先したというが、一般的にはレアな中古車物件。果たしていかに?

更新日:2011.12.16

文/石山英次(ishiyama eiji) 写真/田中享(Tanaka Susumu)

取材協力/ガレージ JOKER TEL 0479257740 [ホームページ]

名称はエクスプローラー・エクスペディション?

 1990年にブロンコIIの後継車として登場した初代エクスプローラーは、強靭なラダーフレームを持ち、4リッターV6OHVエンジンを搭載したSUVであった。

 ここで紹介するエクスプローラーは1994年から1999年まで続いたその2代目モデル。しかも2ドアボディで4リッターSOHCエンジン搭載車。2ドアモデルは、1994年からエクスプローラー・エクスペディションという名称で正規輸入され、4ドアが1996年から右ハンドル化されたにもかかわらず、2ドアは左ハンドル仕様のみであった。

 90年にデビューしたエクスプローラーの2代目モデルには、エクステリアの大幅変更が施され、空力を考慮した丸みを帯びたデザインへと進化した。エンジンは、4リッター(3958cc)V6 OHVを搭載し、162ps、トルク31.1kg-mを発生。それとともに、新4リッター(4009cc) V6 SOHCが新たにバリエーションに加わり、210ps、トルク34.4kg-mを発生した。駆動方式はコントロールトラック4WDと呼ばれる自動制御式で、走行状況に合わせて駆動力を配分するタイプである。ちなみにグレードも各種あり、「リミテッド」、「エディーバウアー」、「XLT」、「XL」、それに2ドアボディの「エクスペディション(EXPEDITION)」などが存在。ここで紹介するエクスプローラーは、 V6 SOHCを搭載した97年型の2ドア・エクスペディションとなる。

この2代目モデルは、空力を考慮した丸みを帯びたデザインへと進化した。

リアには、まだ初代の無骨さが残っていることが分かる。

各種グレードが存在したが、この2ドアモデルは、エクスペディション(EXPEDITION)」というグレードで、あのエクスペディション(フルサイズSUVね)が登場するまでのネーミングとなる。

第一印象は、14年落ちの普通の中古車だった

 クルマ(アメ車)はやっぱり乗って見なくちゃ分からない!。たとえば、2000年型、実走行1万キロのD車ともなれば、仮にそれが11年前の中古車だとしても、「極上の部類に属するクルマかもしれないなぁ」と、ある程度は予想できるはず。たとえそれがネット上の写真だけを見たとしても。
 だが、この4万4500キロ走行の、しかも97年型2ドアSUVを見て、「へぇ〜」と思う方はいるかもしれないが、その個体が「調子良さそう」だと思う方が、一体どれだけいるだろうか? しかも58万円。14年前の中古車としてもかなり安いと思うし、この情報だけを頼りにするならば、大方の読者が「それなりかな?」と想像するに違いない。
 実は筆者もそのうちの一人だった(店頭で実際にその個体を目にしても、それまでの予想を裏切るようなことはなかったし)。第一印象は、14年落ちの普通の中古車だった。

 撮影に際して、代表の小川氏とともに試乗を開始した。改めて車両について聞くと、97年型フォードエクスプロラーの2ドアモデル。4リッターSOHCエンジンを搭載したD車である。現状、リア荷室にキャンピングキットを搭載し、8ナンバー登録となっている。車両価格は58万円。

 撮影場所につき、いよいよ試乗である。事前の概要を頭に入れ中古車と向き合う。これまでに15年、ざっと500台以上の中古車に乗ってきたので、ある程度の経験値はあると自負しているし、何というか、中古車って運転席でも助手席でも、乗った第一印象でだいたいわかる(気がする)。酷いのは酷いし、それなりはそれなりだし、良いものは良い。当たり前だが、この第一印象こそが、重要!
だがこのエクスプローラー、最初に助手席に座ったのだが、そのシートが非常にふかふかで、意外にヤレていないことに驚いた。そして走っても骨太な感じがまだまだ十分に残った、非常にたくましい走りが可能だった。実際に運転させてもらうと、まずステアリングの反応が非常にシッカリしている。しかもガッチリしたボディの感覚は、「さすがラダーフレーム」と唸るほど剛性感が伝わってくるし、ブレーキなどのタッチもかなりのレベル。第一印象こそ14年落ちの普通の中古車だったが、この時点で、当初の予想からかなりの方向修正が必要だった。

 試乗した場所は銚子界隈で、アップダウンや道幅の増幅など、知らない道ということもあり、かなり気を遣う運転だったが、クルマが余計な動きをほとんどせず、ドライバーの意図した、予測通りの動きを確実に遂行してくれるため、そういった道でもかなり楽しい走りが可能だった。

スペック:4565×1875×1745mm、ホイールベース2590mmから想像するほどボディの大きさは感じない。

2ドアモデルだからか、余計にボディのシッカリ感が伝わって来る、非常にたくましい走りが可能だった。SUVなのに2ドア? と当初は思っていたが、実際に乗ると個性的だし、何より良く走る。

ステアリングの反応が非常にシッカリしていて、ブレーキなどのタッチもかなりのレベル。懐かしのコラムシフトを握りながら、ドライバーは悦に浸れる。

1台1台にメッセージを込めて…

 撮影に際して各部を見て行くと、足回りにはビルシュタインのショックが装着されており、これが動きのダイレクト感を高めてくれていた可能性が高いと発見。エンジンルームは、初見だが、かなりキレイな部類に属すると感じた。しかもそれは、この取材のために手を入れた感じ(人工的なギトギト感)ではなく、ある程度定期的にメンテナンス等をしていたような自然なヤレ方をしているのが分かる。
 一方、内装にはそれなりの使用感が各部に見られた。インパネ周りには以前に使用されていたナビかレーダーのような跡がはっきりと分かるし、スイッチ類にもそういった使用感が残る。だが、それら各部の動作機能に衰えや異常はまったく見られなかったことは報告しておこう。

 余談なのだが、このクルマの販売元であるガレージジョーカーというのは、非常に面白いアメ車屋さんである。聞けば「売れるクルマを探して売るよりも、売りたいクルマを売る」という。代表の小川氏が、その辺りをミュージシャン話に例えて語ってくれた。
「たとえばさ、今ってグループ組んで流行っぽいメロディにして、イマドキの振り付けいっぱい入れてさ〜、そんな感じで歌えば売れそうな感じがするじゃん。だけど、そういった流行を追いかける人々が大勢いる一方で、コダワリのある奴らってのもいてさ〜。そういった奴らってあえて『歌いたい曲』を歌うわけよ。売れるとか売れないとか関係なくね、自分たちのメッセージを発するんだよ。そういうものが商売として成り立つかどうかなんて関係なくさ。実際に商売になっていない方が多いかもしれないんだけどね(笑)。

 クルマも同じなんだよ。うちのクルマたちは、ボクが自分で仕入れているアメ車ばかりなんだけど、流行とか売れる売れないとか関係なく、アメ車が好きなボクが自分のコダワリで選んだものなの。そのコダワリをあえて言葉で表せば「個性と走り」になるかな。うちの中古車をみてもらえればわかるけど、なんら脈絡のないラインナップ。どれも個性的だよね。けど、商品として出す前に走るということに関してだけは、不満が出ないようにやってる。1台1台に『ここを味わって欲しい』というメッセージを込めて整備してるんだよね」

 ちなみに小川氏は、自ら整備士の資格を持つメカニックでもある。氏が自ら仕入れた中古車は、走行距離数にとらわれない、実践的な目利きによるものなのだ。

 こういう話を聞くと、このエクスプローラー、なんとなく分かります!。ショップとしてのメッセージが込められた1台。つまり、見栄えや内装のキレイさとか、そういった目に見える部分ではなく、中身にコダワった1台。中身とはつまり、エンジンとか走りとかそうった実の部分。
 だからか、一見すると普通の14年落ち中古車。だがその実、走ると驚くほど良く走るかなりの上物。

 パッと見のキレイさにこだわる人には向かないかもしれないが、『アメ車』が大好きという方にはたまらないほど輝いて見えるはずだ。

この時代のエクスプローラーには、4リッターV6と言えども、2種類のエンジンが存在し、この2ドアモデルには、210ps、トルク34.4kg-mを発生させるV6 SOHCエンジンが搭載される。V6だが、4リッターのパンチ力は意外と強力で、予想外の好印象だった。

懐かしのインテリアは、コラムシフトを備えたもの。センターコンソールには、ナビやレーダーらしき装備がされていた跡や若干の使用感が残るが、操作系に不備な所はまったくなかった。

シートは、モケット系のオーソドックスなタイプ。もう少しヨレヨレな状態を予想していたが、実際にはかなりシッカリした状態だった。多少の使用感はあるものの、程度自体は悪くない。もとがD車であるためか、「走行距離と全体のヤレ方とのつじつまが合うんだよ」と小川氏は教えてくれた。

氏のメッセージが込められた中古車は、走る機能に関して可能な限りの整備が施されて納車される。だが、それはあくまで「走り」に関してであって、内外装に関しては中古車としての現状が維持されている。その部分が価格に反映されているからこそ、「安価」が実現できるのだ。逆に内外装のコンディションを気にする方には、この良さが伝わらない場合もあるが、もろもろを理解した上でこの個体を見ると、かなりの「上物」と判断できる

各部に使用感は残るものの、全体的なクオリティは悪くない。

シートの前後移動や背もたれの移動も滑らかに動く。

パワーウインドースイッチ等も当たり前だが、普通に動く。

リアシートには、使用した形跡がまったくなかった。2ドアモデルだからだろうか?

8ナンバー登録車ということで、リアの荷室にはしっかりとしたキャンピングキットが装備されている。

動作確認をしたが、まったく不備なく動く。さらにこういった使い勝手の良さはアメ車の真骨頂だろう。

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