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走行1万キロ弱の16年落ち中古車

1996年型 リンカーン コンチネンタル

LINCOLN CONTINENTAL

走行距離、1万1500キロ弱の1996年型のリンカーン コンチネンタルに乗った。1996年型といえば、すでに16年前のアメ車。距離数が1万キロ弱とはいえ、果たしてどうなのか? やっぱり単なる中古車なのか? それとも奇跡の1台なのか? 

更新日:2012.01.16

文/石山英次(ishiyama eiji) 写真/田中享(Tanaka Susumu)

取材協力/ガレージ JOKER TEL 0479257740 [ホームページ]

業者間で言われるフォードの低走行車

 1987年に登場したリンカーン コンチネンタルは、リンカーン史上初のFFモデルとしてデビューした意欲作。デビュー直後は3.6リッターOHVエンジンを搭載し、コンピューター制御のエアバッグや独立懸架サスペンション、前後左右レベリングシステムなど、先進的な技術満載なラグジュアリーサルーンだった。
 リンカーンブランドの高級FFサルーンとして進化を重ねたコンチネンタルは、1996年にフルモデルチェンジを実施。全体的に丸みを帯びたボディは5200ミリ×1800ミリ(全長×全幅)を超える堂々たるボディサイズに進化した。またエンジンは4.6リッターV8を搭載するにいたり、これにより名実ともにリンカーンのフラッグシップサルーンに進化したのである。

 ここで紹介するコンチネンタルは、フルモデルチェンジ直後の1996年もの。ワインレッドメタリックのボディカラーにライトグレー系のレザーインテリアがもたらす雰囲気は、高級サルーンに相応しいエレガントそのもの。しかも走行距離は1万1500kmにも満たないという、程度の如何によっては「極上モノ」と言って差し支え得ない個体である。
 「これは某法人使用車で新車から当店に入庫するまですべてフォードディーラーにて整備されたクルマなんですが、まるっきり使用感を感じさせないほどのクルマです。これまでの経験から言っても、距離数は実測数値間違いないです! アメ車初めての方から、何台も乗りこなしているベテランまでオススメできる1台で、個人的にはこのクルマから、アメ車ならではの大型ボディがもたらす『余裕・味わい』みたいなものを感じ取ってもらえればいいですね」とはジョーカー代表の小川氏の弁。
 1996年型といえば、すでに16年前のアメ車。距離数が1万キロ弱とは、正直奇跡の1台と言っても過言ではない。そんなアメ車の味とはいかに? 業者間では、稀にこういった低走行車に出会う場合があるらしいが、そういう場合決まって車両は「フォード」だという。しかも十中八九「D車」。恐らくこの車両もそんな稀な1台なのだろう。

オールアルミ製4.6リッター V8DOHC EFIエンジンを搭載し、260ps/5750rpm、最大トルク36.6kg-m/4750rpmを発生させる。有り余るパワー感は感じないが、通常走行においてアメ車らしいトルクフルな印象は健在。

16インチホイールは純正品が装着されている。目立ったキズもなく、程度の良さを物語る。

フルサイズセダンさながらの広大なトランクルーム。ほとんど使用した形跡がないのも、このクルマの特徴。

まるで雲の上を走っているような浮遊感

 実はこのクルマの取材に際しては、事前情報を一切聞かずに試乗を開始した。というか、この時代のリンカーンに対しての予備知識がほとんどなかったために、何を聞いていいのか、分からなかっただけなのだが…。
 とりあえず、ドアを開けて雰囲気を確かめる。中古車にしては、非常にきれいなインテリア。ほとんど跡のないレザーシート、ステアリングやATシフトノブ、さらにカップフォルダーには若干の使用感は見られるが、ウインドー開閉等の各種スイッチにはほとんどキズ跡のない、驚くべきコンディション。それでいて販売価格78万円という。思わず、“えっ”と声が出る。
 シートに座りエンジン始動で、いざ出発。全長5メートルを超えるフルサイズボディありながらも、着座位置とボディ四隅の視界が良好なこともあり、「大きさ」をあまり感じさせない。というか、非常に乗りやすい。近年のキャデラック系のような低い着座位置に乗り慣れている人間にとっては、特に乗りやすいと思う。今さらながら思うが、旧年式のアメリカンフルサイズセダンは、ホントに良く出来ていたんだなぁと、改めて感心する。

 走り出しても驚きの連続だった。コンチネンタルの乗り味は、想像以上に甘口だったのだ。包み込むような優しいシートに軽い操舵感、そして滑らかで静かなエンジンと変速。乗り心地は、まるで雲の上を走っているような浮遊感を感じながらも、車体のピッチングやロール、ヨーイングなどがほどよく制御されて、路面の凹凸をタンっタンっといなしながらも、ボディの水平はしっかり保っている感じ。いわゆる絹の上を這うかのごとき、というやつだ。個人的な印象にある、旧アメ車の走り(非常に大きな無様なロールなど)とは、似ても似つかない感慨深いものだった。

 シートの感触、ステアリングの切れ、ペダルの踏力&ストローク、ステアリングを切ったときのクルマの動き等…、そのすべてに調和がとれていて、総じて運転のリズムが非常に刻みやすクルマだった。パワーは260馬力とそれほど高いとはいえないが、低中速のトルクがぶ厚いからか、痛痒感を感じることはほとんどない。また、ドライバーからの視界が良好なこともあって、運転していてホントに気持ち良かった。

中古車として見ると、かなりきれいなインテリア。雑に扱われた形跡等は微塵もなく、またルームクリーニング等で各部の調整をした形跡もない。とにかくすべてが自然な印象で、驚いた。

非常に造りの凝った自発光式のメーター。質感の向上はもとより、視認性の向上にも務めている。

ATのシフトレバーの操作性も滑らか。カップフォルダーには、使用感が見られるが、インテリア全体の、中古車としてのクオリティは格段に高い。

「新車」と言われても信用してしまう

 96年型のリンカーンコンチネンタルは、言ってしまえば「昔のアメ車」ということになるのだが、それこそ現代のアメ車では味わえない感触、それは往年のアメ車の個性と言い換えてもいいが、そんな「古き良きアメ車」が、現代においてまだまだ旬な状態を味わえるというのだから、オススメしないわけにはいかないだろう。16年落ちの中古車だったが、正直「新車」と言われてもそのまま信用して乗ってしまっていたかもしれない。そのくらいパリっとしたものだった。

 最後に。このクルマの車両販売価格は、このクルマの中古車としての「性能」を物語っているわけではまったくなかった。それは単純に当時のリンカーンコンチネンタルというブランドバリューの低さによるものであり、それを適正価格にて販売しているに過ぎないのだ。いわゆる「旧車」と呼ばれるオールドカーには手は出せないが、現代的なアメ車とは異なる「味わい」を感じたいと思うなら、フルサイズセダンこそオススメだし、数ある中古車の中でも最適な1台と断言して良いだろう。

使い込んだ跡のない、包み込むような優しいレザーシート。助手席などは、シートとしてのコシがまだシッカリ残っている状態だった。

中古車のインテリアで一番気になるのが、こうした各部の使用歴。このリンカーンには、気になる箇所がまったくなかったのが逆に驚きだった。

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