更新日:2015.06.14
文/石山英次 写真/クライスラー
全長5021mm、全幅1880mm、全高1505mmのフルサイズボディに、ある種凄味を感じさせるフロントマスク。シャシーコンポーネンツの多くはメルセデスEクラスと共用しており(約20%)、走りの良さも確約されている。そんな魅力的なクルマが、ダッジマグナムである。
ダッジマグナムはクライスラーが2005年モデルとして投入したプレミアムスポーツワゴン。当時トップグレード・マグナムRTに搭載されるエンジンは、5.7リッターV型8気筒OHVヘミ。このエンジンは、340ps、トルク53.9kg-mを発生し、0〜100km/h加速を6.3秒でこなしてしまう。
デビュー当初マグナムには、上記RT以外にも2グレード存在し、ミドルレンジのマグナムSXTは3.5リッターV型6気筒SOHCエンジンを搭載。250psを発生し、同じく0〜100km/h加速を8.5秒でこなす。ボトムレンジのマグナムSEは2.7リッターV型6気筒DOHCエンジンを搭載。190psを発生し、0〜100km/h加速を10.7秒でこなす。
これらエンジンに組み合わされるミッションは、RT搭載のヘミのみがオートスティック付き5速ATとなり、他は4速ATのみの設定となる。
インテリアは、圧倒的な個性を主張するエクステリアからすると、非常に大人しいかつシンプルだ。だが、このマスクとエンジンがあれば…、と当時はなぜか許せてしまっていた。
他に比べるものの存在しない個性的なルックスと340psものパワー。そしてメルセデスとメカニカル・コンポーネンツの多くを共用するという、ある意味理想のスポーツワゴン。アメリカの大胆とドイツの緻密さが融合したこれこそ夢のクルマ。
このクルマなら、かつて大ブレイクしたカプリスワゴンの記録を打ち破れるような気がしたのだが…。
当時絶賛したダッジマグナムだったが、実際に販売されたのは2008年モデルまでだ。つまり、04年にデビューしているから実質5年の販売となる。
デビュー当時の反響はかなりのものだったが、その後の伸びが振るわず短命となったのは実に残念。ただし、この時代のクライスラー&ダッジ系は、それ以前よりもクオリティが格段に高くなっているので、中古車として探すなら格好のモデルと言えるだろう。
デビューから5年という短命に終わったマグナムだが、その5年の間に2度ほど、大きなチェンジがあった。1つは6.1リッターV8搭載のSRT-8が追加されたこと。もうひとつがフェイスリフトを行った最終後期型のマイナーチェンジ。このチェンジによってフロントマスクにシャープさが加わり、テコ入れを図ったのだが…。
同じプラットフォーム(LXプラットフォーム)を使用する300やチャージャーはその後もリニューアルを繰り返し、今や第二世代に突入しているだけに非常に惜しい。個人的な感想を言えば、ある意味日本人の求める理想のクルマではないかと思っていただけに残念だ。メルセデス、BMW、アウディ、ボルボのワゴンにもまったくヒケを取らないし、個性という点では際立っていた。
ワゴン好きのアメリカンというのは昔からよく言われていたが、今やその座はSUVに奪われ、市場での競争力は確実に失われているというが…、日本においてはまだまだ熱狂的なワゴンファンがいるのは確実で(前述した欧州車系ワゴン、国産レガシィ等)、しかも素の状態の走りが素晴らしいので、その良さが広まれば今後、中古車市場が賑わう可能性はかなり高い。
<関連情報>
>> ダッジ マグナム RT の試乗記を見る
>> ダッジ マグナム SRT8 の試乗記を見る
>> ダッジ マグナム カスタムベースは? を見る
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