スーパーカー業界ではかなり有名なPYONさん。その愛車遍歴を聞けばたまげてしまう。たとえばランボではムルシエラゴ。フェラーリなら458。だがそんなPYONさんがチョイスしたアメ車は69年型のカマロZ28。
「もう疲れちゃったんですよね。やり尽くしたと言いますか。最後に乗った458チャレンジはレーシングカーで、それを公道で走らすためにディーチューンまでして走らせました。でもってやり切ったんですが、最後は『もう速いのはいいや』って。そしてたまたまそんな時にこのZ28に出会いました」
PYONさんが購入したZ28は、フレームオフのフルレストアがなされた極上車。エンジンには350HOの新品エンジンが搭載され、各種配線&配管も新品なので、この真夏でもまったく難なく走りきることができる。
ちなみに、このZ28は雨の日、もしくは雨が降りそうな日は一切走らせない。なので、本来なら6月中旬くらいの取材を予定していたのだが、梅雨時期ということもあり、さらに週間予報で雨マークが付いていたため、取材日の一週間前にて中止。すでに一度順延させていたのである。
そしてそれから約一ヶ月半後の8月のお盆直前に再度取材アポ。だが、取材班としては暑さを懸念していたのだが、「了解です!」とひとこと。
取材当日は気温35度の酷暑であったが、エアコンをつけて首都高に乗り颯爽と取材場所に現れた。しかもその後、約一時間半もの撮影を難なくこなし、エンジンも常に一発始動。「本当にキャブ車ですか」との声があがるほど、すべてが安定していたのである。
「すでに購入して一年半くらいですか。その間に一度、パワステに不具合が出たことがありましたが、それ以外のトラブルは皆無ですね。ですから、都内から九十九里や栃木、群馬といった関東近県くらいには普通に出かけます。
ただ、クルマはまったく大丈夫なんですが、運転姿勢やら昔のシートやらでドライブしている人間の方が先に疲れちゃいますよね(笑)」
スーパーカーという特殊な速さを持つクルマ達にドップリハマっていたPYONさんが今現在魅了されているZ28。そこには、デザインの魅力が多分にあるという。
「やはり映画とかで見たアメ車ですよね。男臭いといいますか。それとリアの白煙。ホイールスピンしながら走らせるシーンをよく見ましたし、そういうのに憧れがありました。ですが、実際に入手しようと思うとどれも不安要素ばかり。だからこの車両が目の前に現れたときは、運命を感じましたね」
この車両は、本当に美しい。ボディはガンメタリックカラーではあるが、グリーンが含まれているような印象を与え、エンジンもキャブもミッションもサスペンションもエアコン関係もすべて新品。室内にいたっても同様に見事なクリーンさを保っており、メーター類はオートメーターのカマロ用のアフターパーツを使用し、それ以外は可能な限り当時の雰囲気を保っている。
で、購入後にPYONさんが手を入れたのは、ホイールとタイヤを変更し、トラクションバーとラインロックを装着した程度。
ちなみにラインロック装着後は、憧れのバーンナウトを連発(笑)。ある時、某国道にて信号待ち後に行い、白バイ警察を笑わせたという。
この車両のトータルのメンテを行っているレーストラックの高橋氏は「もちろん、旧車を直しながらコツコツ楽しむのも良いですが、本気で楽しみたいなら、こういった旧車が一番手っ取り早いですよね。いろいろな車両を見てきましたがお見事なZ28です」
「映画で見たアメ車」とは良く聞くフレーズだが、古いアメ車にはスーパーカー好きをもうならす魅力が満載なのである。
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES