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エイブルの最も得意とするサードカマロ

1992 シボレーカマロ コンバーチブル

想像以上のコンディションの良さ

蒸し暑い梅雨時期が始まったが、その合間を縫ってコンバーチブルの取材をした。エアコンガンガン効かせて快適ドライブが可能だった。

更新日:2019.07.01

文/椙内洋輔 写真/古閑章郎

取材協力/エイブル TEL 0448571836 [ホームページ] [詳細情報]

直近まで実働のサードカマロ

 エイブルにて1992年型のカマロコンバーチブルに試乗した。Z28ということで240hpを発生させる5リッターV8が搭載されている。走行距離は8万6000キロ弱。この車両は、以前エイブルが売ったものが、乗り換えのため再び戻ってきたものという。

 だから、直近まで実働車だったわけで、眠っていたものを起こしたり、ボロボロだったものをプチレストアしたりして再生したものではないから、走ることに関して不安感がまったくない。

 この車両、前オーナー時にステアリング関連のリンケージパーツをフルで交換し、マフラー部分の中間パイプも純正オリジナルで交換済みである。

 ということで、そこらにあるボロボロのサードカマロとは全く異なる、手が入っている車両ということである。

 その他、ホイールがトランザムのものに交換され(ボイドよりマシでしょう)、車高が若干下がり、室内のステアリングホイールが小径タイプに交換されているが、総じてノーマルに近い状態が維持されている、と言っていいだろう。

92年型5リッターV8エンジン搭載のZ28。ディーラー車で約8万6000キロ走行車。写真ベースを見ても分かるようにほぼフルノーマルの状態を保っている。

ホイールが交換されているが、さすが兄弟車。ということでトランザムのホイールがよく似合っている。

もう27年前のスポーティーカーということで、正直速いということはないが、それでも楽しいと思えてしまうから不思議。サイズ的にも車高的にも十分に日常的に使える個体だった。

現代のカマロに続くデザインの車両が今の時代にまだまだ味わえるのだから素晴らしい。

現代の交通事情にも即応するコンディション

 取材当日は、約10日前の6月20日。ジメジメとしたまさに梅雨時期であり気温も27度越えが続く不快極まりない気候。だが、臆せずオープンにして試乗した。

 深く考えればすでに27年前の車両である。見た目の状態の良さは理解するも、やはり気は使うものである。だが、エアコン全開にして、いざ出発。

 いや~、気持ちいい。面白い。走り出せば旧さを感じる部分はあるものの、オープンにして走ればすぐに気にならなくなる。しかも乗り心地の当たりが非常に柔らかい。ハンドルの効きも想像以上に良い。ブレーキのみ、90年代のアメ車らしく、シッカリ踏まないと効かないからそこに慣れれば、まったく普通に走れる。

 ただ、風の巻き込みは意外に少ないものの、幌の収まるリアスペース内で幌が上下に動いてガシャガシャ音がするのはご愛嬌。帰路にて幌をクローズして走ったら、幌が閉まった分、それらの音がなくなり、ものすごく静かで快適なドライブが可能になった。

搭載されるエンジンは5リッターV8。Z28ということで、240hpを発生させる。決してパワフルではないが、濃密なフィーリングを伴ってドライバーを鼓舞してくれる。

距離に応じた使用感はあるが、たとえばダッシュがひび割れていたり汚れがあったり、下手な改造パーツが付いていたりといった中古車あるあるがまったくないのが嬉しい。ステアリングはノンオリジナルだが、小径サイズなため、意外にも運転しやすくなっていた。

搭載ATは4速。シフトゲートに3速があるから、街中を3と4速を使って走ると走りやすい。

小径のステアリングの反応が日本の道路にマッチしているからか、意外にも街中が楽しいアメ車。休日の都心をオープンにしてドライブすると最高に楽しいだろう。

一粒で二度おいしいとはこのこと

 もちろん、エアコンもガンガンに効くので、至極快適。のちにエンジンルームを見たら、エアコンコンプレッサーが新しく、さらにオルタネーターも新しかったことを確認するに、前オーナーがシッカリメンテナンスしていたことが伝わったのである。

 くわえてボディサイズも今となってはちょうど良いサイズ感。国道246から一本横道に入って住宅街を走っても難なく通過。同時にエンジンやミッションの変速も違和感なく小気味よくなめらかに走る。

 しかも、車高も絶妙で、いわゆる一般段差で下回りを擦ることを気にせず走れるので、想像以上に実用性が高い。その昔、C5コルベットではコンビニでの段差で擦りまくりだったことを思い出した(笑)

 帰路は幌を閉めて走ったのだが、この時代は手動だが全く問題なくスムーズに動くし、リアウインド-はアクリルだが、ほんの若干白っちゃけた状態になっているものの、実際に走ってみてまだまだ十分な視認性が確保でき問題なく走れたことを報告しておく。

各種メーター類の動作確認も行った。もちろんどこにも異常なし。それにしてもこの時代のアメ車のインテリアはそれなりチープだが、各意匠に味がある。

シートもインパネと同様に距離なりの使用感はあるが、これまた想像以上のコンディションであると断言できる。過去にシッカリ手を入れていた証拠である。

ご覧のとおり、ダッシュ各部にひび割れ等は皆無。

幌は、スクリーン部分がほんのわずかに白くなってはいるが、実際に使用してみて問題はなかった。あくまで新品同様ではないという意味。

コンディション的に絶好の一台

 で、そのまま国道246を気持ちよく自走したが、このサード、運転自体に慣れてしまえば現代の交通事情にそのまま適合できるし、なにより100キロ/h以下の速度域での楽しさが半端ではない。

 具体的に言えば、まずは幌の開閉によって別グルマに変身する。いわゆる一粒で二度おいしいというやつ。さらに低速トルクが太いから日本の道路事情に合わせやすい。さらにリアルなV8サウンドが聞け、何よりカッコイイ。

 しかもこの個体なら、このまま自家用車としても即通用するだろうし、土日祭日だけの自分だけの玩具としても十分に楽しめるだろう。特に、スピードに対するコダワリがなくなった方なら、この楽しさがよくわかるはず。

 それとデザイン重視や旧車ファンという方にも積極的に見てもらいたい。

 デザイン的には旧さとアメ車らしいバタ臭さが混じりあった年代の車両だし、それでいて現代の交通事情にも即応するコンディションを有しており、さらにトラブルが起きた場合も、60年代、70年代ほどパーツや整備には困らない。しかも、今となってはこのサードカマロ自体の中古車を見つけること自体が非常に困難な時代の出物。

 そういう意味でも、この時代のカマロを探している方には絶好の1台かと思うのである。

時代の流行り廃りに関係なく創業当時からのコンセプト「エイブルはアメ車の入口を支える」を貫き通す代表の原氏。サードカマロは、今でも楽しめるよう常にアンテナを張り巡らせ個体の情報収集を怠らない。

エイブルでは、余計なエアロや社外のマフラーやショックは外されて、クルマの素の状態を重視し、その状態で車両を見極める。だから比較的ノーマルに近い販売車両が多い。中古車は状態重視が鉄則であり、状態を見極めるにはノーマルに近い方が見極めやすからである。

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