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アメ車チューニングショップ・HPPによる『悪魔』のモワパワー

2018 ダッジ チャレンジャー SRT デーモン vol.2

シャシダイを振り切るほどのパワーアップ

2018年に登場した限定マシン、チャレンジャーSRTデーモンはノーマル時点ですでに840hp。そいつをさらにチューンするのはアメ車のスペシャルチューナー・HPPの長池氏だ。

更新日:2019.10.02

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/HPP  TEL  [ホームページ]
     LUXZ (車両協力) TEL  [ホームページ]

デーモンをスーパーデーモンへ

 2019年型でチャレンジャーヘルキャットワイドボディが登場しているにもかかわらず、あえて2018年型のデーモンを探し購入された岐阜のスペシャルショップ・LUXZの某オーナー氏。

 金額的にも、フェラーリやランボルギーニが買えてしまうだろうと勝手に想像するが、それでもあえての「デーモン」ということで、チャレンジャーにおける悪魔的存在の魅力にハマってしまったのだろう。

 たしかに実車を見ればその思いに同調してしまう。やはり相当の迫力がある。特にエンジン周りの意匠には特別な雰囲気が多分に備わっている。

 で、今回、このデーモンをベースにさらなるチューニングを施し、スーパーデーモンに進化させる。チューナーに選ばれたのはHPPの長池氏。この車両はLUXZとHPPにおける「EDGE CUSTOMS × HPP」と称し企画進行されているのだ。

 各種パーツを取り寄せ、早速開始。HPPの長池氏はこれまでにもチャレンジャー、チャージャーのヘルキャットやグランドチェロキートラックホークをベースにパワーアップのチューニングを幾度も行っている。そして結果を出している。

デーモンに搭載されるエンジンは、ヘルキャットの6.2リッターV8スーパーチャージャーがベースだが、スーパーチャージャー本体、ピストン、ロッド、バルブトレイン、燃料噴射システムなど、25にわたる主要コンポーネンツがアップグレード。それによって史上最高の840hpを発生させる。

今回そのエンジンをチューニングし、さらなるパワーアップを図る。具体的にはスーパーチャージャーのプーリーを交換しブーストアップ、さらにインジェクター変更、レーシングプラグ、レーシングサーモスタット、エアフィルター、アイドラプーリー追加等を行っている。

日本でデーモンのエンジンをいじれる方はそうはいないはず。

このチューニング施工後にHPPに新たに導入されたダイナモメーターにてパワーチェックを行ってみた。

チューニングの完成形とは目標達成と壊れないこと

 すなわち、ヘルキャットエンジンをベースとするデーモンのエンジンにも応用可能なチューニングプランが事前にリストアップされており、そういう意味では、他店における施工よりも経験値と応用力と技術力のレベルがまったく違うわけである。

 チューニングというのは、目的(求めるパワー数)に対する到達度で評価されることが多分にあるが、じつはそれは間違いである。

 実際には、チューニング後の使用時における継続した安定性こそが重要であり、それすなわち、壊れずにずっと安心して乗り続けることができて初めて完成ということになる。なので、目的には達したが、後に壊れてしまうようなことがあっては成功とはならないのである。

 ちなみに、50hpアップという目的があったにもかかわらず、その50hpにも満たない結果しか出せないショップは論外であるが。

 ということで、作業開始。スーパーチャージャーのプーリーを交換しブーストアップ、さらにインジェクター変更、レーシングプラグ、レーシングサーモスタット、エアフィルター、アイドラプーリー追加等を行い、最後にECUの現車セッティングとなる。

 今回使用されたパーツ類は、あえてすべてを明記しておらず、実際にはこれ以外にも細かな調整や交換が行われているが、そこはショップ独自のオリジナリティということで非公開。

チューニング最終メニューとなる現車セッティングの一部を拝見した。ECUのセンサー情報や現車セッティング用空燃比等をロギングしながら、低回転域からレブリミットまで全域でベストな状態(エンジンが壊れないように最大限のパワーとトルクが出る)になるようセッティングを詰めていく作業のことである。

この現車セッティングにはダイナモメーターを使用。これにより直接道路を走りながらのセッティングが避けられるようになり、安全性が格段に向上している。

また今回導入したダイナモメーターは後輪のハブに直接アダプターを装着してパワー測定を行うタイプで、純粋にタイヤが回る力のみを計測するタイプとなる。

自社でチューニング作業とパワー計測を可能とするショップは日本では数少ない。

回転全域でベストな状態が出せるよう最終セッティング

 それでも作業後半のECUの現車セッティングを拝見することで、デーモンの進化ぶりがハッキリと認識できたのである。

 今回最終調整となる現車セッティングとは、ECUのセンサー情報や現車セッティング用空燃比等をロギングしながら、低回転域からレブリミットまで全域でベストな状態(エンジンが壊れないように最大限のパワーとトルクが出る)になるようセッティングを詰めていく作業のこと。

 また、パワーやトルクの数値だけではなく「実走行においてもきちんと速い」ということも考慮されデータが作成されるから、まずはしっかりとした目的達成を確認することができる。

 さらにその目的パワー数を、エンジンやミッションが壊れないような状況で、かつ日常的な使用時においても使いこなすことが確認&実行されるから、すなわち、この状態の認識力とセッティングの応用力のずば抜けた優秀さが、HPPの信頼度を圧倒的に高めているのである。

このダイナモメーターの内部には巨大なブレーキシステムが内蔵されており、ハブから伝わる後輪パワーを内部のブレーキが受け止め、その力をパワー換算する仕組み。

ハブ式のダイナモメーターを正確に繋ぎ、車輌情報等を打ち込み、セット完了。

デーモン自身の車内モニターに映し出すダッジパフォーマンスページにてミッションの油温等を確認する。

こういった絵柄を見たことがある方は多いはず。筆者は初めて作業に同行したが、かなりの正確性を伴う作業だと改めて認識した。非常に緊張感ある作業。

純粋にタイヤが回る力のみを計測する

 で、今回、HPPに新たな機器が導入されている。ダイナモメーターである。このダイナモメーターは、よく見かけるローラー式のダイナモではない。

 後輪のハブに直接アダプターを装着してパワー測定を行うタイプであり、一般的なローラータイプのように駆動系(トランスミッション・デフ)による損失が計測出来ない、純粋にタイヤが回る力のみを計測するタイプになる。

 ローラータイプのダイナモは、回転ローラーの上でタイヤを回すタイプのことであるが、ローラーには曲率があり、タイヤの変形抵抗が平坦な実路上とは異なってしまうため摩擦抵抗が異なり、スリップも起こる。また、タイヤの発熱や摩耗もあるし、高負荷を長時間かけ過ぎればバーストすら起こる可能性もある。

 そういったネガな部分を極力排除するため、ハブに直接アダプターを装着するタイプのダイナモメーターをチョイスし導入したのである(※現状測定は二駆のみ)

 ということで、今後HPP内にて直接パワーチェックが可能になったことで、作業前後の変化や作業結果を直接ユーザー自身に見せることが可能になり(時間の都合が合えば、作業中の立会いも可能)、作業効率が良くなっただけでなく、さらなる信頼をユーザーから獲得することができるはずである。

 さて、デーモンにおける現車セッティングが終わり、最後のパワーチェックである。

 ハブ式のダイナモメーターを正確に繋ぎ、セット完了。デーモン自身の車内モニターに映し出すダッジパフォーマンスページにてミッションの油温等を確認し、さらには車両にディアブロスポーツのデバイスとPCを繋ぎ、ECUのパラメーターを確認しながら測定開始。

車両にはディアブロスポーツのデバイスとPCを繋ぎ、ECUのパラメーターを確認しながら測定を開始する。

ご覧のような測定状況がモニターできる。筆者のような素人には何がどう表現されているかはまったくの不明だが。

こちらECUのセッティングと調整を同時におこなっている。HPPはこうした調整能力と「どうすればどうなる」といった応用力が格段に優れている。

ダイナモメーターの測定限界を超えてしまった

 しばらく測定を繰り返し、上記ダイナモメーター使用時のデメリットをひとつ伺った。長池氏から伺った内容をそのままお伝えする。

 「今回のデーモンのようにかなりハイパワーなスーパーチャージャー搭載車両に関しては、セッティング後の確認で行うパワーチェックにて、ダイナモメーター内部のブレーキサイズの関係とブレーキ制御プログラムの関係だと思いますが、きちんとした数値が計測出来ず、かなり少ない数値が表示されます。

 もちろん、設定した各回転数でアクセルをパーシャルから全開までのセッティングを行うということに関しては3000rpmであろうと6500rpmであろうと、しっかりと車両のパワーを受け止め、まったく問題はないのですが、パワーチェックを開始する2000rpm程度からアクセルを全開にすると急激なトルクの立ち上がりにブレーキ制御が追いつかないようで、設定を色々と変更したり製造メーカーに相談はしていますが、これについてはまだ完全に解決していません。

 ゆくゆくはソフトウェアのアップデート等も含めて解決するのでは? と考えておりますが、現状このようなハイパワー車両については、正確な数値をお伝え出来ないということをご了承下さい。

 なお、このデーモンはロギングしたデータで確認出来るインジェクターの稼働率を計算すると、少なく見積もっても950hpは出ていると思います」とのこと。

 なるほど。正直かつ正確な表現をモットーとする長池氏らしい丁寧な説明である。要するに、(あくまで素人の稚拙な表現だが)今回の測定に関して言えば、「現状での測定限界を超えてしまった」ということになるだろう。

 ちなみに、きちんとした数値が出ないのは残念だが、導入直後にデモカーのC6Z06で動作テストを行っておりNA車両にはまったく問題がないことを確認しているので、ダイナモメーター自身が壊れているという可能性はない。

 ということで、今回の測定において正確な数値は出ずとも、パワーを出すために必要な大量の燃料を消費しているという事実は残るわけで、それこそがこのスーパーデーモンの力を証明しているとも言えるのである。

今回は各回転数でのパーシャルから全開までのセッティングは完了したものの、2000rpmあたりからのフルスロットルになると、あまりに爆発的なトルク量にダイナモメーターの測定限界を超えてしまっていた。

ということで、セッティングは完了したものの、最終的なパワー数値の確認はできなかったが、インジェクターの稼働率等から少なく見積もっても950hpは出ているという。

チューニングとは単なるパーツの交換ではない。取り付け、調整、確認といった、このレベルまでやって初めてチューニングと言えるのだろう。

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>> 2018 ダッジ チャレンジャー SRT デーモン vol.1 を見る

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