「現代 HEMIエンジン」というタイトルだが、ようは現行チャレンジャー、チャージャー、300Cといった、5.7リッターV8、6.1リッターV8、6.4リッターV8等を搭載している車両全般についてである。
それらは基本的に丈夫なエンジンを搭載しているということで、定期点検の重要性を説きつつも、下記のような細かい部分での注意事項があるということだから、参考にして欲しい。
「2015年からZFの8速ATが採用されていますが、このATのオイル管理が非常にシビアです。オイル交換時には電子デバイスを使用し油温とオイル量を図りながら交換する。そして一度走らせオイルを循環させエア抜きをして、最終的な量の測定を再度する必要がある。こういった作業を無視してオイル交換を行えば、ミッションがスリップしてエラーコードが発生する。もしくはその前段階で不具合が発生する。これ以前のモデルのATで、同じようなトラブル修理を何度も行った経験がありますので、ミッションオイルの交換時には注意した方が良いです」
こうしたトラブルは、オイル交換時に必要な要領を認識せず作業を行ってしまった場合に起こることが多く、言ってしまえば人災であり、車両のせいではない。とはいえ、DIYメンテナンスをする方以外は必ずやメカニックの存在が必要になるはずで、そういう意味での選択眼を磨く必要があると言えるだろう。
また、定期点検とその都度の適切なメンテナンスを施工すれば安定した楽しさが得られるHEMIエンジンではあるが、時に不慮のトラブルが発生する場合がある。そういった突発的なトラブルとしては、CPU関連の事例が非常に多いという。CPUとは、いわゆる電子制御ユニット=車載コンピューターである。
車載コンピューターは、年々制御が複雑になり、複数搭載されるようになっている。そしてCAN(controller area network)通信を介した車載ネットワークを利用して、コンピューター同士の通信のスリム化を行っている。その一方で、こうしたCPU類にトラブルが起こる可能性が高くなり、修理の難易度を上げている。
「こうしたコンピューター類にトラブルが起これば、昨日まで動いていたメーター類が動かなくなったり、エンジン自体がかからなくなったり、といったような不具合が突如として起こります。故障診断で必要となる専用の電子デバイス・wiTECH2.0を持っていても、そのデバイスはエラーコードしか示しません。そのトラブルの原因となる箇所はメカニック自身が見つけ出さなければなりません。しかも、原因となる不具合に対しての『騙し』、二次的症状や三次的症状が出ていた場合、それらに捕らわれてしまい根本的な原因の解明&治療が行えずに、ずっと治らないままの車両が誕生してしまうのです」
クワッドドライブが、メーカー純正の電子デバイスや電圧計測テスター等を使用し、時にオシロスコープを駆使して波形まで見るのは、こうした故障診断における正確性を増すためであり、そうした努力とこなした診断データの積み重ねが、多くのアメ車乗りからの信頼に繋がっているのである。
「基本は並行輸入車ですから、まずは早めに頼れるメカニックを見つけ、定期的な検診を受けることです。そうすれば10年10万キロはまったく普通にこなせるでしょうし、並行輸入車だからといって徒に恐れる必要もないと思います」
なお、クワッドドライブでは、人間で言うところのドック的な定期点検を、電子デバイス診断込みで行ってくれ、価格も1万5000円(税抜)というから積極的に活用してみるといいだろう。
上記動画の車両は2013年型ダッジ チャレンジャー SRT8392・車両本体価格:468万円(税込)
・走行距離:1万5975km
・排気量:6400cccc
・ミッション:5AT
・ボデイカラー:ブラック/ホワイトGTライン
・内装:スエード/レザーコンビ
・新車並行輸入車、ワンオーナー車
という車両です。
カスタムポイントは以下の通り。
・HREフォージドホイール
・ミシュランパイロットスポーツタイヤ
・強化ダウンサス
・強化スタビライザー(アンチスウェイバー)
・コルサマフラー
・Vibrantエアクリーナー
・カロッツェリアナビゲーション
このSRT8は上記記事に登場しているクワッドドライブの在庫車両になります。
非常に綺麗な車両で、見るからに状態が良さそうな1台ですが、それもそのはず。メンテナンスはもちろん、タイヤ&ホイールの交換や足回りの強化、吸排気系のライトチューンなども全てクワッドドライブで行っているそうです。
ライトチューン仕様ですが、装着されているのはいずれも一流メーカーの高級品ばかり。いかにも経済的に余裕のある大人の車好きが所有していたという感じの1台です。
500万円を超える価格は、6年落ちの中古車と考えると高い感じを受けるかもしれませんが、新車時の車両本体価格と、購入後にかけられた金額、そして現在の車輌の状態を考えれば、決して高いということはないと思います。というか、コストパフォーマンスはかなり良いと思いますね。
◾️撮影&編集:田中享
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES