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“難題整備”のプロフェッショナルに聞いてみた

現代 HEMIエンジンの整備事情

「基本的にHEMIエンジンは頑丈な作りをしていますが……」

これまでにゆうに100を越える台数のHEMIエンジンと向き合ってきたクワッドドライブの林氏に、現代HEMIとの付き合い方について聞いてみた。ポイントは二つ。適切な定期点検とCPU関連のトラブルである。

更新日:2019.12.06

文/石山英次 写真/山田泰弘

取材協力/クワッドドライブ TEL 048-281-5853 [ホームページ] [詳細情報]

ミッションオイルの交換に必須な重要事項

 「現代 HEMIエンジン」というタイトルだが、ようは現行チャレンジャー、チャージャー、300Cといった、5.7リッターV8、6.1リッターV8、6.4リッターV8等を搭載している車両全般についてである。

 それらは基本的に丈夫なエンジンを搭載しているということで、定期点検の重要性を説きつつも、下記のような細かい部分での注意事項があるということだから、参考にして欲しい。

 「2015年からZFの8速ATが採用されていますが、このATのオイル管理が非常にシビアです。オイル交換時には電子デバイスを使用し油温とオイル量を図りながら交換する。そして一度走らせオイルを循環させエア抜きをして、最終的な量の測定を再度する必要がある。こういった作業を無視してオイル交換を行えば、ミッションがスリップしてエラーコードが発生する。もしくはその前段階で不具合が発生する。これ以前のモデルのATで、同じようなトラブル修理を何度も行った経験がありますので、ミッションオイルの交換時には注意した方が良いです」

 こうしたトラブルは、オイル交換時に必要な要領を認識せず作業を行ってしまった場合に起こることが多く、言ってしまえば人災であり、車両のせいではない。とはいえ、DIYメンテナンスをする方以外は必ずやメカニックの存在が必要になるはずで、そういう意味での選択眼を磨く必要があると言えるだろう。

エンジンの基本部分は頑丈であり、弱点も存在しない。だが、そういった良点を生かし続けるには油脂類の適切な交換を心がける必要がある。特にミッションオイルは交換時には電子デバイスを使用し温度と量の管理を正確に行わなければならないだけに注意が必要である。

現代のHEMIエンジンの故障診断をするには、専用の電子デバイス、wiTECH2.0が必要になる。さらにこれらデバイスを使用した場合でも、故障箇所の回答まではくれない。正しくは「ヒント」はくれるが直接的な「正解」はくれないから、そのヒントをベースに正確な回答を導くのがメカニックの使命となる。

現代の車両は、車載コンピューターにトラブルが起こるが稀にある。そうした場合、こういった電子デバイスが必要になり、「何にエラーが出ているのか」を確認する必要がある。

突然起こるCPU関連のトラブル

 また、定期点検とその都度の適切なメンテナンスを施工すれば安定した楽しさが得られるHEMIエンジンではあるが、時に不慮のトラブルが発生する場合がある。そういった突発的なトラブルとしては、CPU関連の事例が非常に多いという。CPUとは、いわゆる電子制御ユニット=車載コンピューターである。

 車載コンピューターは、年々制御が複雑になり、複数搭載されるようになっている。そしてCAN(controller area network)通信を介した車載ネットワークを利用して、コンピューター同士の通信のスリム化を行っている。その一方で、こうしたCPU類にトラブルが起こる可能性が高くなり、修理の難易度を上げている。

 「こうしたコンピューター類にトラブルが起これば、昨日まで動いていたメーター類が動かなくなったり、エンジン自体がかからなくなったり、といったような不具合が突如として起こります。故障診断で必要となる専用の電子デバイス・wiTECH2.0を持っていても、そのデバイスはエラーコードしか示しません。そのトラブルの原因となる箇所はメカニック自身が見つけ出さなければなりません。しかも、原因となる不具合に対しての『騙し』、二次的症状や三次的症状が出ていた場合、それらに捕らわれてしまい根本的な原因の解明&治療が行えずに、ずっと治らないままの車両が誕生してしまうのです」

 クワッドドライブが、メーカー純正の電子デバイスや電圧計測テスター等を使用し、時にオシロスコープを駆使して波形まで見るのは、こうした故障診断における正確性を増すためであり、そうした努力とこなした診断データの積み重ねが、多くのアメ車乗りからの信頼に繋がっているのである。
 
 「基本は並行輸入車ですから、まずは早めに頼れるメカニックを見つけ、定期的な検診を受けることです。そうすれば10年10万キロはまったく普通にこなせるでしょうし、並行輸入車だからといって徒に恐れる必要もないと思います」

 なお、クワッドドライブでは、人間で言うところのドック的な定期点検を、電子デバイス診断込みで行ってくれ、価格も1万5000円(税抜)というから積極的に活用してみるといいだろう。

年式によって異なる電動ファンの形状だが、ファンが二機のタイプは一機が故障してもそれなりの冷却ができてしまう。だが、この状態は大事に至る前兆でもあるから、早期に故障箇所の特定を行うべき。

電子デバイスを確実に使いこなし、対象車両からの変化や異常を感じる取る感覚的な能力、そして理論的な修理知識を融合させた最先端の故障診断を行うクワッドライブの林代表。同店は、プロフェッショナルな仕事ぶりを提供してくれるが、決して敷居の高い工場ではないから、診断以外で気になることや困っていることがある場合にも積極的に活用してみるだけの価値は大いにあると言えるだろう。

上記動画の車両は2013年型ダッジ チャレンジャー SRT8392・車両本体価格:468万円(税込)
・走行距離:1万5975km
・排気量:6400cccc
・ミッション:5AT
・ボデイカラー:ブラック/ホワイトGTライン
・内装:スエード/レザーコンビ
・新車並行輸入車、ワンオーナー車
という車両です。

カスタムポイントは以下の通り。
・HREフォージドホイール
・ミシュランパイロットスポーツタイヤ
・強化ダウンサス
・強化スタビライザー(アンチスウェイバー)
・コルサマフラー
・Vibrantエアクリーナー
・カロッツェリアナビゲーション

 このSRT8は上記記事に登場しているクワッドドライブの在庫車両になります。
非常に綺麗な車両で、見るからに状態が良さそうな1台ですが、それもそのはず。メンテナンスはもちろん、タイヤ&ホイールの交換や足回りの強化、吸排気系のライトチューンなども全てクワッドドライブで行っているそうです。

 ライトチューン仕様ですが、装着されているのはいずれも一流メーカーの高級品ばかり。いかにも経済的に余裕のある大人の車好きが所有していたという感じの1台です。

 500万円を超える価格は、6年落ちの中古車と考えると高い感じを受けるかもしれませんが、新車時の車両本体価格と、購入後にかけられた金額、そして現在の車輌の状態を考えれば、決して高いということはないと思います。というか、コストパフォーマンスはかなり良いと思いますね。

◾️撮影&編集:田中享

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