エアサスには「壊れる、危険」とか「メンテナンスが大変」というイメージを持っているユーザーが少なくはない。が、実際のところ、どうなのか。
ジェットシティ萩原氏(以降:萩原):エアサスが壊れるというのは大昔、20年も前の話です。シボレーアストロ、カプリス、C1500などが流行した当時のエアサスはまだ完成度が低く、施工するショップの知識や技術も乏しかったので破損したり不動になったりといったトラブルもありました。しかし、現在のエアサスは取り付け方を間違えないかぎり、まず壊れません。
編集:昔のエアサスと現代のエアサスでは何が違うのでしょう。
萩原:「ノーマルサス(コイルスプリング)の代わりにエアバッグを装着し、中のエアを出し入れすることで車高を調整する」という基本的な構造は今も昔も変わりません。しかし、部品の強度や精度が飛躍的に向上しています。
例えばエアサスの最重要部品とも言えるエアバッグは素材がゴムなのは昔と同じですが、エアバッグの中央にショックアブソーバーを通すための穴が空いた“貫通エアバッグ”が登場したり、エアバッグを二重構造にすることで強度や乗り味を向上させたり、ここ10年余りで大きな進化を遂げました。
さらには、一昔前のエアサスはゲージ(メーター)を見ながらオーナーが目視で車高を調整するのが一般的でしたが、現在はワイヤレスリモコンのスイッチひとつで事前に設定した車高に変更できるなど、操作系も変わってきました。
編集:最近は自動車メーカーが純正でエアサスを採用するくらいですし、エアサスも決して特殊なカスタムではなくなってきたわけですね。
萩原:これは私見ですが、バスやトラックといった業務用車両の大型のエアサスは別として、乗用車用のエアサスに関しては自動車メーカーの純正エアサスよりも、我々が使用しているカスタムパーツとしてのエアサスの方が強度も信頼性も高いと思いますよ。
リンカーン・ナビゲーターのエアサスが壊れるのは有名な話でしたし、ポルシェ・カイエンなんかのエアサスも結構トラブルが多いと聞きます。でも、弊社で施工した車両の中には、装着後17年間ノントラブルという車両も存在しています。
編集:17年ですか。 特別なケアなどをしているのでしょうか。
萩原:定期的にタンクの水抜きをして、後は泥などで汚れたらその都度綺麗に拭いてタイヤワックスを塗っているだけです。ゴムは鉄ほど丈夫ではありませんが、オーナーさんがちょっと手間をかけるだけで寿命は飛躍的に伸びるんです。
編集:エアサスを装着するためには、どのくらいの予算が必要ですか。
萩原:オーナーの要望次第で大きく変わります。目的や用途によって必要となるパーツ代と工賃が変わってくるし、施工する車種によっても多少は違うので一概には言えませんが、ノーマルショックのままでコイルスプリングをエアバッグに交換するだけであれば、部品代+工賃で40万円程度で施工可能です。
弊社で推奨している車高調+エアサスの組み合わせであれば70万円前後。圧力センサーやハイトセンサーで車高を自動的に設定する『システム』を組む場合には、さらにプラス30万円くらいです。
あとはコンプレッサーやタンクなどをどこに装着するか? ディスプレイに凝るか? 車体側に加工が必要か? などによって変わってきますが、通常は最大で120万円くらいで収まります。
ということで、写真でエアサスの実際の効果をご覧下さい。
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