たしかに世の中、エコだ環境だって大騒ぎして、そのためにプリウス買ってみようかって気持ちがわいてきて…。そういう流れが否定できない状況にあるのは事実です。商売としてプリウスを題材にしたカスタムカーを制作したり、パーツ売ったり、そいうショップも増えてきていますよね。でも、われわれアメ車屋から言わせると、一過性じゃないかと思うんです。というのも、プリウス買った人に聞きたいんですが、「あなたはプリウスのどこが気に入ったの?」。単なる移動手段として、燃費の良い安いクルマを買いたいという意識ならまだしも、もしクルマとしてプリウスを買ったというなら、何が楽しくて、どこがかっこ良くて買ったのか? 聞いてみたいんです。「あなた、ホントにプリウス、楽しいですか? 単にお金が好きなんじゃないですか?」ってね。
だってそうじゃないですか? これって単なるプロパガンダ(※特定の思想・世論・意識・行動へ誘導する宣伝行為)でしょ。別にトヨタはプリウスだけを売ってるわけじゃないし。リッター5キロ程度しか走らないエコとは無縁の大きなバンだって売ってるわけだしさ。それなのに、プリウスプリウス、ニッケル水素電池だ、リチウム電池に移行だ、なんてエコ関連の情報ばかり流して。終いには、20万円近い税制優遇が得られる始末。CM見てると分かるけど、あれってどの車種にも適応されるわけじゃないし、特に輸入車なんて全く当てはまらず、優遇されないし。けどそれでいて意外にも国産ディーラーに人を呼び込む呼び水にはなっているから、「ディーラー行けば、20万くらい安くクルマが買える」なんて勘違いしている人もいるんですよ。ほんと酷い話ですよ。ちなみに、今年の東京モーターショーって輸入車がほとんど出なかったよね。あれって、この政府のやり方に反発して、一斉無視で出なかったらしいよ! もう日本はいいって! 中国行こうってさ。
別にプリウスを責めているわけではないんです。ただ単純に自分の望む物を簡単に諦めて欲しくないだけなんですよ。アメ車が欲しいなら、こんな時代だけど、胸張って乗って欲しいわけですよ。だってアメ車は面白いじゃないですか。それによく、「アメ車は燃費悪い、重い、大きい」なんてネガティブなこと言われるんだけど、逆に今の時代だからこそ、アメ車が引き立つこともあるんですよね。なんで、もう一度考えるべきですよ、「アメ車の利点」を! たとえば、重さね。重い=燃費悪い、なんて言われますが、たしかにそれは一理あるんですが、その燃費の悪さは、先ほども言いましたが、トヨタのアルファードに匹敵する程度のもので、仮にアメ車の燃費が未だにリッター2〜3キロなんて思っている人がいたら、考えを改めないとダメですよ。それって70 年代とか80年代前半の話であって、今やアメ車だって普通に7〜8キロ、高速巡航では10キロ程度は楽に走りますから。
そして骨格。重い=頑丈って話は当然成立するわけで、今の国産車の骨抜き軽量ボディが事故を起こすと大変な状態になるの、見たことないですか? ニュースとかでさ。グシャグシャになっちゃうでしょ? パッと見て「ダメだこりゃ」って思う事故車、ホントに良く見ますよ。でもあれって当たり前でさ。だって柱減らして軽くして、軽くしたぶんもちろん燃費は良くなるんだろうけど、でもそれで強いボディなんてものが、たったの150万円で手に入れられると思いますか?
たとえばレーシングカーってさ、1台いくらするか知ってます? なんで高いかわかる? 軽くて強いからでしょ! 一般的に売られているクルマがレーシングカー並みの強度を持っていると思いますか? ハッキリ言わせてもらうけど、メーカーもずるいから良い点ばかりを宣伝して、そういったネガは絶対に表にださない。だから知らない人もいるんだろうけど、骨抜きのクルマで事故起こせば、そりゃだめですよ。もちろん事故を起こさなければ問題ないんだけど、事故って、もらう場合もあるわけでさ。
そういう意味で考えても、アメ車は頑丈ですよ。まあ、設計が古いといわれればそれまでだけど(笑)、今の自動車界の中で考えても強度は断然強い。つまり、骨格がしっかりしてるから、いざというときに人間を守ってくれるんですよ。それで重いから、当然その分のネガはあるけど、でも人に自慢してくださいよ、『僕は家族の安全のために、アメ車乗ってますから」って! それだけでも十分、アメ車に乗る理由になると思いませんか?
ただ、そう言ったところで、今のアメ車業界において魅力的なアメ車があるか、って問われたら答えに窮するんですよね〜。なんか、パッとしないというか。でもそうは言っても業界全般がつまらないかと言えば、そうでもない。個人的には現代版マッスルがオススメだね。カマロとかマスタングとかチャレンジャーとかね。それもMTね。こういうマッスル達って、なんとなくカーボーイ的なイメージがあってさ、それをMTで乗りこなすって凄い面白いことだと思う。例えばBMWのM3みたいなのって、サラブレッドでしょ。ヘタにいじくるとバランス崩して壊したり、そもそも高速でぶっ飛ばさないと楽しめないから。けど、カーボーイは街中で十分楽しめるから! それにアメリカンV8は、MTになるとまた違った味があるからね。バイパーやコルベットはスポーツカーだから、これまたヘタにいじりたくないし、コーナリングは速くて当たり前でしょ。けど、マッスルはスポーツカーじゃないから、それを乗りこなすのがまた楽しいんだよね。それともう1つが、過去に少し戻ってみることかな。たとえば、年明けにアストロのエンジンのカムシャフト変えたりするんだけど、そういった過去に盛り上がったアメ車に今乗ってみる。旧型タホやサバーも面白いと思う。値段は昔に比べたら全然安いから、多少リフレッシュして乗ってみる。で、楽しくなったら少しずついじれば、もっと楽しくなるよね。
ま、こんな風に考えてみても、アメ車の将来が真っ暗なんて全然考えてないですよ。逆に面白いからって、積極的に選ぶ人が増えると思います。まあ政府は、国産車が売れるように、この先もいろいろ手を変え品を変えやってくるでしょうけど、だんだん国民も分かってくると思いたいね。エコはつまらないって。もちろん、エコも大事なんですけどね。ただ、すべてをエコに切り替える必要はないですよ。自分で考えて必要だと思うことだけ、エコにすればいいんですから。というわけで、今は過渡期かな。しばらくすれば、また変わりますよ。そのためにもアメ車ワールドは頑張らないとだめでしょうね!
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