2014年にデビューしたC7だが、デビュー1年後に早々のミッション進化。まあこれに関していえば賛否両論あって、キャデラックエスカレードでも同様に1年後に8速AT搭載となるも、ディーラー車は6速のままという、なんとも理解しがたい状況なのだが、コルベットに関していえば、C6時代にも似たような状況があって、デビュー4速ATが翌年6速ATに進化という、まさに歴史は繰り返される(笑)ということか。
もしかしたら、こういったハイパフォーマンスモデル購入者においては、まったく気にならない、もしくは瞬時に買い換えるようなことができるのかもしれないが、メーカーのやり方に正直どうなんだろう? と思わなくもない…。
まあ、それはさておき、8速AT搭載車である。昨年2014年モデルに試乗した際は6速ATであって、それ自体に特に不満はなかったのだが、8速になりどう進化したかが気になるところ。
ちなみに余談だが、チャレンジャー&チャージャー系に搭載された8速ATは抜群であった。小刻みな変速に適切なギアセレクト。正直、「マジでATでいい」と思わせた最初のアメ車でもある。
聞けば、GMが自社開発したそれは、スポーツカーに搭載すべく開発されたスペシャルな変速がもたらされるATであり、そのシフトレスポンスはポルシェ911のデュアルクラッチ・トランスミッションよりも素速いという。
しかもそのATは最先端を行くデュアルクラッチ仕様ではなく、トルコンAT。同時に優れたパフォーマンスと燃費効率を備えており、もの自体も軽量かつコンパクトという、画期的なミッションである。
さすがはコルベット。同じスポーツカーというセグメントでも、ライバルの後追いをせず我が道を行くそのポリシーに敬服する。と同時に、「どれだけのものなのか?」という興味は尽きない。
ちなみにひとつ説明すると、各メーカーがこぞって開発しているデュアルクラッチ・トランスミッションは、たしかにスポーツシフトとして確実な変速フィールを与えてくれるのだが、のんびり走りたい時はじつは鬱陶しかったりするから面白い。
要するに楽しい反面、煩わしい一面を持っており、その両立が今後の課題ともなるのだろうが、今回コルベットに搭載される8速ATは、トルコンATだから普通に走るときは普通のATである。で、スポーツ走行するときは、例のパドル操作で一瞬にして変速するという、まさに夢のATとなる(笑)。
8速AT仕様は6速直結となっており、7速8速がオーバードライブレシオになる。一方で旧6速ATは、5速6速がオーバードライブとなるから、6速当時4速ギアでまかなっていたギアを8速ATは6速でまかなうことになり、要するに6速時よりも小刻みな変速により加速性能が向上するという。
実際の8速ATは過去のアメ車のATはまったく異なる洗練の極みだった。いわゆるタメ、間、とも称される若干のラグがまったくなく、アクセルレスポンスの良さと相まって普通に走っている程度では「自由自在」の感でいっぱいである。だからこそ、6速AT車に乗っているオーナーさんが可愛そうで仕方がない…。
それにしても単なる多段化とせず、スポーツカーとしてのATを本気で極めようとするGMの技術力には尊敬せざるを得ない(やり方は微妙だが)。
このAT、6速時とのギア比を見比べても積極的に加速重視の方法をとっており、燃費を気にしつつも性能重視としたことに拍手を送りたい。しかもパドル操作のレスポンスは電光石火のハヤワザである。
車重が1500キロ台と比較的軽いコルベットだからこそ、8速ATを積極的に使用することで抜群のスポーツ性能が得られるようになっているのが素晴らしい(日本の道路交通法以内においてはもはや無敵だろう)。
SSJが直輸入したこのコルベット、直輸入らしく『赤』でまとめた1台となっている。
外装赤、ブレーキキャリパーも赤、そしてレザーシートはもとよりフロアマットやラゲッジルームのマットも同色でコーディネートされており、スポーツ性能だけでなく洗練されたコーディネートによって一段と魅力的なスポーツカーに生まれ変わっている。
この車両は、女性ユーザーに納車されるというから、時代も変わり、硬派な存在から洒落たスポーツカーしての認知度も上がっているのだろう。
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