初代ダッジラムが登場したのが1981年のこと。ビッグ3の中でこれといった特徴を持たなかったために販売不振が続いたが、だがこれを契機に二代目モデルは躍進することになる。
1994年に登場した二代目ダッジラムは、初代の不振を糧にデザインをリニューアルし、アクの強さを全面的に押し出してきた。特にひと目見てわかる巨大なフロントグリルは圧巻だった。またデザイン以外にもラム特有の選択肢としてV10エンジンを用意したのも人気の秘密だった。
この2代目モデルは、1994年から2001年まで継続され、グレードは最大積載量に応じた1500、2500、3500と分かれ、駆動方式は2駆と4駆がそれぞれに存在していた。ボディは、2ドアのシングルキャブに荷室が備わるクラブキャブ、さらに4ドアモデルのクワッドキャブと3つのモデルと長短2種類のベッドが組み合わされる。
一方、搭載エンジンは、3.9リッターV6から始まり、5.2リッターV8、5.9リッターV8、8リッターV10と用意され、当時シングルキャブ&ショートベッドにV10が組み合わされたハイパフォーマンスモデルも用意されていた。余談だが、このモデルは2WDでだったがために、「トラック界のバイパー」としてプレミアものの価値が付いていた(実際にはこのV10をベースにバイパーのエンジンが造られたというのがホントのところだが)。
取材車輌は1994年型のダッジラム。シングルキャブにエクステンドベッドが組み合わされた2500。搭載エンジンはV10である。
フロント4、リア6インチローダウンされたラムは、ホイールが変えられ、オーバーフェンダーが装備されている。そしてレーシングストライプが加えられているが、じつはこれだけである。鮮やかなブルーのボディカラーは、ストックのままだし(ペイント補修済み)、エンジンや補記類もノーマルのままである。
だが、この迫力。誰が見てもひと目でわかるダッジならではの押し出しの強さである。
早朝の国道にて吼えるV10。最高出力300hp(最大トルク50kg-mを超える)を誇るピックアップトラックは、今やパワフルだとは言い難い。だがストップアンドゴーごとに圧倒的低速トルクで車体の重さを感じさせないエンジンには、やはり脱帽である。
それにV8とはまた違う重低音サウンドが、非常に好ましい。なぜだか遠くにバイパーを感じさせてくれる、神話性みたいなものにも好感である。だからか、乗っていてついついトラックであるということを忘れてしまう。それくらい、走りも気分もスポーティになる。
その昔、「トラックとは荷台の付いたスポーツカーだ」と誰かが言っていたが、まさしくその通り!
このクルマ、当然ながら200キロなんてスピードは出ないだろうが、300キロ出るスーパーカーと同じくらいのキャラとして、ハッタリも十分利くだろう。
年式から言えば、すでに20年前の車輌ということになるが、機能的にまったく衰えていないことに驚かされた。撮影は車検直後ということで(7年乗っている)整備の手が入った後だったが、それでもこれだけ走れば、20年落ちという事実自体を疑いたくなる。
ここ最近の最新ピックアップの躍進は目覚ましく、もはやアルミボディを搭載するにまで至っている。ラムに限っていれば、現行モデルはエアサスを使用し、脱トラックテイスト的な進化がもたらされている。デザインも随分まろやかになったし…。
それはそれで、正常進化なのかもしれないが(もちろん良いこともいっぱいあるし)、こういった旧モデルのテイストもまだまだ捨てるに惜しい存在である。少なくとも筆者は、この22年落ちラムに乗って何一つ不自由を感じなかったのだから。
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES