更新日:2020.07.06
文/石山英次 写真/古閑章郎
2020年のチャージャーにおけるトピックスといえば、ヘルキャットワイドボディの登場であった。
ワイドボディは、通常ボディに幅3.5インチのフェンダーを両サイドに装着するから太いタイヤが装着できる。よって、サスペンションを同時に締め上げることでコーナリングの限界値が高くなり、スピードも高くなる。当然、直線加速時のトラクションも上がるから、エンジンパワーのある車両であればあるほど有効に働く。
もちろん、ワイドフェンダー装着による視覚的な効果も高く、ハイパフォーマンスカーならではのオラオラ感が一層強くなる。
チャージャーは、ワイドボディの登場と同時に前後バンパー形状も変えたから、雰囲気が一層「悪」になり、硬派な印象が際立っている。
そんなチャージャーSRTヘルキャットには6.2リッタースーパーチャージャーエンジンが搭載され、707hp、最大トルク650lb-ftという圧倒的なパワーを発生させるから、ワイドボディ仕様となることでそのエンジンパワーをより一層有効に使うことが可能になったのである。
実際、ワイドボディのチャージャーSRTヘルキャットの公式タイムは、0-60マイルを3.6秒、1/4マイルを10.96秒で走り、スキッドパッドによるコーナリングGは0.96gを記録する。
さらにサーキット走行では、同コースを走行したノーマルヘルキャットよりも1ラップにつき2.1秒速く走り切ったのである。
この速さの秘密は、新たに装着された極太の305 / 35ZR20タイヤだけではない(2019年までのヘルキャットには275/40ZR20)。サスペンションには、ビルシュタイン製の3モードアダプティブダンパーにハードスプリング、より径の太いスウェーバーが装備され、全体的にリニューアルされている。
くわえて、新型の電動パワステが組み合わされてたことにより、よりダイレクトかつスムーズはハンドリングが実現されているのである。=世界最速の量産セダンの進化である。
だが。たしかにこうした進化は拍手喝采で迎えられるべきだと思うが、どうしても気になっていたことが片隅に常にあった。そう、レッドアイの存在である。
この時点で、そうしたアナウンスは一切なかったが、兄弟車たるチャレンジャーにはヘルキャットワイドボディの上位に「レッドアイ」がこの時点で存在し、そいつは717hpに対して797hpを発生させていたから、「いつかはチャージャーでも同じことが…」との思いが常にあったのだ。
そして、つい先日、その発表が行われた。2021年モデルとしてのダッジチャージャー SRT ヘルキャット レッドアイの登場である。
想定通り、797hpの世界最速かつパワフルな量産セダンの誕生である。
当然、エンジンは内部から見直され、強化。ミッションのトルクコンバーターも増強され、プロペラシャフト等の駆動系の強化もされている。ブレーキやサスペンションも調整され、20インチの軽量カーボンブラックホイールに6ポッドのブレンボブレーキといった、使用パーツ面での抜かりは一切ない。
そんなレッドアイは、ヘルキャットワイドボディに対して公式発表で、1/4マイルを10.6秒で走り、同サーキット走行では1ラップにつき1.2秒速く走っている。
2021 ダッジチャージャー SRT ヘルキャット レッドアイは、今年秋頃からの発売が見込まれ、ボディカラーが13色、インテリア6色のバリエーションが存在し、さらにセンターストライプ等のカスタマイズオプションが複数存在するというから、オリジナルなレッドアイが製作可能になる。
707hpのヘルキャットワイドボディでも十分にパワフルだし、性能的な不満足はまったくないと思われるが、797hpという数字になぜだか惹かれてしまうのは、筆者だけではないはずだ。
12,810円
PERFORMANCE
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