TEST RIDE

[試乗記]

2年間という短命だからこそのレアモデル

1979 フォードブロンコ

エイブル仕上げで復活した良好コンディション

ある程度の状態で購入し、乗りながら直しながら車両の状態を上げていきたいという方には最適なブロンコに試乗。2年間という短命モデルだが、そのデザイン的魅力によりレア度も人気も高いモデルだった。

更新日:2021.04.05

文/田中享 写真/古閑章郎

取材協力/エイブル TEL 044-857-1836 [ホームページ] [詳細情報]

2代目は2年間のみの短命モデル

 ジープCJ-5などの人気車に対抗すべく1966年に生まれた初代フォードブロンコ。CJ、シボレーK5ブレイザーとともに60年代、70年代を代表するアメリカン4WDの1台である。

 そんな初代ブロンコは1966年から77年まで生産され、通称「アーリーブロンコ」とも呼ばれていたが、その後に登場したフルサイズボディの2代目モデルが今回の取材車である。

 この2代目は初代とは異なりF100ピックアップがベースになったことからボディが拡大し、ライバル車がひとクラス上の、ジープで言えばワゴニア等になったのである。

 ちなみにこの2代目だが、1978年から1979年の2年間のみの販売であり、当初は1972年から開発が行われ1974年にデビューするはずだった。

 が、オイルショックにより開発&デビューが遅れ、それが2年間という短命に終わった理由の一つと言われている。

 だが逆に、今この2代目ブロンコを見ると、2年間という短命だからこそのレア度が増しているとも言えるわけで。実際、このブロンコは即日sold outになっている。

1978〜1979年という2年間の短命モデル。だが、デザイン的にはこの2代目が一番バランスのとれたモデルだと思う。旧車の世界でも人気が高いし。

グリーンとホワイトのツートーンカラーのボディがアウトドアらしいカラーリング。リアのキャノピーは取り外し可能。ペイントもリペイントされているから状態はかなりいい。

6.5リッターV8エンジン搭載モデル

 筆者も、ブロンコに関しては初代からずっと取材をしているし、4代目&5代目モデルはかなりの数の個体を見てきた。さらについ先日、6代目の復刻版ブロンコスポーツを取材したばかりだから、ブロンコに関しては多くの経験値を持つ。

 で、そんな筆者をしてブロンコの中ではこの2代目モデルのデザインが一番好きである。

 もちろん、初代アーリーブロンコのデザインの可愛らしさや走りの楽しさは認めるものの、やはりフルサイズボディの迫力と固有のデザイン、さらに2ドアという、アメ車としてのあらゆる部分のバランスが整っているように思えるのである。

 今回取材した個体は1979年型の6.5リッターV8エンジン搭載モデルで、第一印象は非常に良い。だが聞けば、この車両は「元はそれほどの状態ではなく、ここ数ヶ月間で仕上げたもの」という。左横の写真を見ればその時の状態が良く分かるだろう。

 その状態からエイブルがコツコツ仕上げた状態で現状八割程度の仕上がりというところで取材させてもらった。

昨年末、エイブルに入庫した時の状態がこれ。パッと見は惨状と捉えるかもしれないが、エイブルは「中身の状態」を重要視し引き取り。実際、下記のような状態に導いた。

街中を軽快に走るブロンコ。大柄の2ドアSUVはアメ車ならではの存在。めちゃくちゃカッコイイ。

搭載エンジンは6.5リッターV8。オルタネーター、ディストリビューター、ラジエーター、ウォーターポンプ、燃料ポンプ、パワステポンプ、さらにブレーキマスターシリンダーといった部分に手が入り、安定した走りを実現。V8サウンドも最高。

オリジナルパーツをクリーニングして使用しているインテリアは非常に好感。また気持ち良く街中を走る。

エイブル仕上げで復活

 ちなみに、機関部分ではオルタネーター、ディストリビューター、ラジエーター、ウォーターポンプ、燃料ポンプ、パワステポンプ、さらにブレーキマスターシリンダーといった「走る、曲がる、止まる」部分にちゃんと手が入っているし、エーデルブロックのキャブレターの調整も行われている。

 また外観では、グリルやバンパー、ボンネットフード、リアゲートが新品に交換され、ボディもグリーン部分の一部をリペントしているから、見た目のリフレッシュも効いており、かなりパリッとした印象を与えてくれる。

 加えて、インテリアも一部加修されており、インパネ内のメーターはオリジナルを一度取り外し清掃することで見違えるような状態に生まれ変わり(その際にウインカーライトにLEDを使用)、旧車によくありがちな反応が悪いウインカーも補修され、しっかり「カチッ」と反応するようになっているし、インパネ全体もシンプルだが非常に高感度の高い質感に生まれ変わっている。

オリジナル度の高いインテリア。唯一ステアリングがノンオリジナルなのが惜しい。だが、非常に印象が良い室内空間。

メーター類は一度取り外され、内部をクリーニング。その際にウインカー用ライトにLEDを使用しているから、ウインカー使用時に明るく光る。

こういった部分は元から状態が良かったということで、オリジナルのまま使用されている。

正直、このままでも十分に楽しめる状態になっているし、今後、足回りやホイールといった部分を好みに応じて変えていくことで、違った印象を与えることも可能だろう。

不安定さが微塵もない

 エイブルは、こうしたクラシックな年代に足を踏み入れたような車両を数多く扱っており、そうした車両の整備及び調整に長けているショップである。

 特にフルレストアまでの金額は出せないが、「使えるパーツは使い、ダメなものを見極め交換していく」という方法で乗りながら&直しながら車両の状態を上げていきたい、というようなユーザーに支持されているショップであるからこそ、今回のようなブロンコの再生が可能だったのである。

 さて、試乗。「見た目はめちゃくちゃかっこいいしアメ車ならではの迫力」とは言うものの、実際に乗るとなると慣れるまではボディのデカさが気になる。はっきり言ってめちゃくちゃデカく感じるし、室内に入ってもかなり広い。2ドアモデルだが、室内はまるで4ドアのような広さである。

 エンジンは一発でかかり、アイドリングも安定しているし、キャブレター車にありがちな不安定さが微塵もないのが嬉しい。さらにATのシフトにも節度感があり、ウインカーの感触も良いから旧車に感じる華奢な印象が全くないのも頼もしい。

 大きさに若干の戸惑いは感じるものの、エンジンがかなりしっかりしているそんな2ドアブロンコは、何ら不安定さを見せずに川崎付近の街中と国道246を走り回った。

 足回りはかなり締め上げられているのか、左右に大きくロールをすることなく車体をしっかり制御するし、かといって路面のゴツゴツに敏感に反応することもないから快適であり、特に時速40〜60キロ以内くらいで走る街中走行はかなり気持ち良い。

 しかもステアリングがかなりしっかり反応するから、大きなボディとはいえ右に左にコントロールすることが苦ではなく、狭い街中での対向車とのすれ違いもかなり楽(ボディの見切りもいい)。

大柄なソファーのようなシートもオリジナル。確かにヤレているが、オリジナルだからこその良さもある。

後席の状態は、前席よりも確実に良く、今後の使用にももちろん難はない。全体的に室内空間の程度はかなり良いと言えるだろう。

リアドアのガラスウインドーは電動で開閉可能であり、現車ももちろん動作する。ウインドーのスイッチはセンターコンソールにあるレバー。そのレバーの上下でガラスも上下する。

旧車への対応がすぐれているショップ

 同時にブレーキも予想以上にしっかり効くから、当初のボディのデカさに対する不安もすぐに消え、それ以降はまるで普通のクルマのように楽しむことができたのである。

 今の時期は、気温15度くらいから20度前後ということで、キャブレター車にとっても、特にしっかり調整してある車両にとっては安定した状態が楽しめる季節だけに、旧車の出番が増えるはず。

 さらに現在、世界中で旧車人気が高まる一方ということで販売面もかなり良好というから、上記したようにある程度まで仕上げた状態で購入し、「乗りながら状態を高めていきたい」というような思いを持つ方は、エイブルのような長けたショップに相談するのが良いと思うのである。

このデザインのバランスとフロントマスクのデザインの良さが、この2代目モデルの最大の特徴であり、人気の秘密である。アメ車ならではの存在感に6.5リッターV8エンジンという組み合わせが素晴らしい。

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