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[試乗記]

豪雨時に試乗したコンバーは奇跡的なコンディションだった

1992 シボレーカマロ Z-28 コンバーチブル

旧車のように刺激的だがしっかり手入れをすれば現代の交通事情にも適応する

まるで見本となるようなサードカマロを取材した。

更新日:2021.11.15

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/エイブル TEL 044-857-1836 [ホームページ] [詳細情報]

雨だからこそ理解できたこの個体の良さ

 ちょうど先週の火曜日に取材したから一週間前ということになるが、その日は生憎の雨(一時豪雨)。それまでずっと晴天でその後もずっと晴れだから、「雨男パワー炸裂」と一瞬自分の運のなさを憂いたが、一転、だからこそ分かったこともたくさんあったから、イーブンか、と開き直る。

 そう、取材車はコンバーチブル。だから雨だときついと決めつけていたけれど、幌を閉めたまま一時間以上走っていたわけだから、開けっ放していたら気付かなかったことにも触れられた(と思っている)。

 まず、ベースのサードはエイブルが過去に仕入れ販売した車両で、あるオーナーさんの元で7年間維持されてきた個体。その間に、見た目ではキャンディレッドにペイントされ、赤いバケットシートや18インチホイールが入れられる等、手が加えられ今に至る。

 ただこのカマロ、ぱっと見の印象だと「若干ケバいかも」と思ったりもしたが、実際にはそんなこはなく、驚くほどしっかりメンテされ、乗ればその状況が手に取るように一発でわかる。

 今回、雨だったから幌を開けずに走ったわけだが、だからその状況では嫌でもエンジンやミッションの状態が伝わってくるし、足回り等のハンドリングに関しても雨で慎重になるからこそはっきりと認識できた部分がある。

▲1992年型カマロZ−28。走行12万キロ超だが、各部に丁寧に乗られてきた形跡がうかがえる超コンディション良好車。

▲一目でわかるサードの美しいリアスタイル。幌も2年前に張り替えられているから、耐候性も十分にある。

過去の記憶を更新するコンディション

 まずエンジンやミッションだが、驚くほどしっかり調整されている。聞けば、7年間きっちりメンテナンスのために時間と労力が割かれているということで、もう言葉が出ないほど滑らかで不安定な振動やショックも皆無で、とにかく良過ぎることに驚く。

 しかもそれらは純正時のままのものが搭載されているというから(新車並行で輸入されてから現在までに約12万ちょいの距離を刻んでいるが)、丁寧にメンテナンスされてきたことが伝わってくる。

 もちろん、普通であれば12万キロなんて距離は当たり前に走るはずだが、一時期ブームになったサードだからこその粗雑な扱いをされた個体もあるわけで、過度なチューニングやハードな走りによってエンジンやミッションを乗せ換えたりしている個体は後を絶たないから、そうじゃない個体があること自体にやはり驚きを感じるのだ。

 くわえて、エアコンをつけたりヒーターをつけたりしながら一時間以上走り続けたが、何ら問題はなし(当然だが)。ミッションも時に3速や2速を使ってみたりしたが、変化なし。その際のマウント系のヤレも全く感じなかったから(当然メンテされている)、「こりゃサードの中でも極上だな」とつぶやいてしまった。

 ちなみに、筆者がなぜサードについて詳しいか。それはもう編集部にはサードカマロに5台ほど乗っていた男がいたから(笑)。チューニングしたりサーキットで潰したり、街中で事故られたりしていろいろなサードに乗り換えていたのだが、その際の個体に全部乗っていたので、当時の記憶が嫌でも蘇る。

 だがそんな記憶を更新するほど気持ちよく走れるのが今回の個体であり、正直「売るのがもったいない」と思えるほどのレベルだった。

▲エンジンルームを開けて驚いた。こんなにも綺麗な状態が維持されていることに。しかも、状態が良く、手入れがしっかりなされていることも伝わってくる。

▲レカラのステアリングと後付けナビが変化している部分だが、全体的なヤレが非常に少なく、状態の良さがこれまた一発でわかる。

▲こちらはエイブルさんのHPにて紹介されていた写真だが、下回り等も映されており、コンディションの良さを知ることができる。

手間と労力とお金が注ぎ込まれた個体

 なので当然聞いてみた。なんで前オーナーさんはお売りに?

 すると「そのオーナーさんは、68カマロ、タホリフトアップ、C7コルベットを今も所有しておりまして、その他にハーレーも複数台所有されております。今回は車庫の空きの関係で弊社に戻された感じです」

 さらに「7年間所有されておりましたが、定期的なメンテナンスを欠かさず、足回りはショックからブレースバーやパンハードバーといったパーツ類でしっかり固められていまして、18インチタイヤが装着されています。マフラーはウエストクラブのものですね」

 なるほど。サードは意外にボディの見切りが良くて狭い道でも走りやすのが特徴だが、その際のハンドリングのキビキビした感じは足が固められているからこそのものであり、だからロールもさほどなく前後ピッチングも抑えられているから、ブレーキングも良好で、とにかく走りやすかったのだろう。

 続けて「もう何度も申し上げていますが、年式的にもこのレベルのサードカマロが売りに出されることはほとんどない状況ですから、皆さん乗ればきっと驚いてもらえるはずです」

 実は、「ちょっとケバいかも」って思ったのは、事前の情報をエイブルのHPで確認した時であって、実際に見た個体のキャンディレッドは、雨で薄暗かったこともあり「品の良いワインレッド」に見え、室内の赤いバケットシートは、「赤い外装に赤い内装はめちゃくちゃお洒落だわ」に変わっていた。実際に非常に洒落ている雰囲気だ。

 そしてこの個体の幌は2年前に張り替えられているということだから、耐候性はあり、リアウインドーの視界もまあまああったから、さらにサードの扱いやすいサイズ感もあり、とにかく乗りやすいという印象が際立っていた。

 プラスして5リッターV8の濃密なV8サウンドが伴っているわけだから、めちゃくちゃ楽しい遊びグルマと言えるだろう(もちろんある程度の実用性もある)

▲メーター各部の動作確認を行ったが、どれも普通に動くし、狂いも生じていない。メーター走行距離75000マイル弱なので12万キロ超だが、全体的に状態はいい。

▲センターコンソールやミッションゲート&シフトノブも純正時のまま。ミッション自体の状態も良い。

▲前オーナーさんが入れたという赤いバケットシートは意外にも座り心地良好だった。純正シートもあるというからノーマルに戻すことも可能だろう。

30年前の車両だが現代の交通事情にも難なく対応する

 しかも、こうした状態のサードは、ずっとサードを扱ってきているエイブルだからこその個体でもあり(実際にこの個体のメンテナンスを7年間行ってきており)、この先のオーナーさんもパーツやメンテナンスの心配をせずに乗れるのという安心感もある。

 今現在でも、店頭在庫がなくてもサードカマロに関する問い合わせが非常に多いということだから、人気の高さがうかがえるのだが、そうした中で現在流通している個体は、過去に日本で販売された、もしくは日本に直輸入されてきた車両が、複数オーナーの元で使用されてきたものと断言してまず間違いない。

 だから、オーナーカーとしてそれなりの使用歴を積んできているだけに、消耗&劣化は当然のこととして受け止めなければならず、今回の個体のように、そうした消耗&劣化に対してきちんと手を入れていたオーナーカーは、だから非常に価値が高い。

「すでに30年前の個体ですからね。人間で言えばご老体。車体等の状態を見極めつつ、適切な整備と必要な補強を施していく必要があるのですが、それらを施せばまだまだ十分に楽しめるのがサードなのです」

 最新のアメ車からは得られない、ならではのスタイルに旧車のような刺激的なフィールを併せ持つサードカマロ。今回の個体は、しっかり手を入れていれば現代の交通事情でも十分に楽しめてしまうという良い見本であった。

▲車体の大きさを感じさせないほどにキビキビ走る。ハンドリングもエンジンもミッションもブレーキも現代の交通事情に難なく対応するから驚きである。

▲過度なチューニング等で激変させることなくとも、十分に楽しいサードカマロ。コンバーチブルであれば、幌を開けた時にはまた別の楽しさが味わえるから二度おいしいかも。

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