すでに大人気のコルベットC8。本国ではC7コルベットの価値が上がっているそうだが、それに比例してC8コルベットの評価もぐんぐん上がっているという。
C8のデビュー当初は、「FRこそコルベット」といった方々が多数いたが(筆者もそのくちだった)、何度が試乗しているうちにかつてのFRコルベットの印象も薄れ、日増しにミッドシップC8の虜になっていった。
「やっぱり乗ると楽なんですよ(筆者談)」
本気でポルシェのような気楽に乗れるスポーツカーになっているし、各部の扱いも非常にスムーズだから乗っていてストレスがない。そしてフル加速を試みれば鬼のように速い。
それでいて、レクサスのような国産高級車に乗っている方々が乗り換えできるような価格帯。しかもミッドシップスポーツとなれば売れないはずがない。
ちなみにディーラーで何度か取材しているが、気になるようなトラブルはほとんどないということだから(唯一言われたのがバッテリーを上げると厄介なので気を付けてということ)、余計に売れるはずである。
だが。いわゆるコロナ禍の影響や半導体不足により日本国内への入荷が格段に減った。欲しいと思っても半年後、もしくは1年後と言った感じである。プラスして2022年モデルは減産なんて声もチラホラ聞こえてきているから、来年は入手するのにもっとも厳しい年になりそうである。
で、だからそんな時こそ直輸入車へ目を向けてはどうだろう。
本国仕様の直輸入車なら国内正規ディーラーものと違って左ハンドル。筆者は右ハンドルに5回ほど乗っていてさほど違和感は感じなかったが、だが左ハンドルだと全くのノー違和感。
C8はサイドミラーが比較的大きいから車線変更時のしにくさもないし、ドライバーが車体の中心前にいるから、さらにフロントフェンダーの盛り上がりがボディ前方の位置関係を把握しやすいから運転がめちゃくちゃしやすい。
唯一難があるとすれば、右ハンドル用対応の駐車券発行時くらいなもので、それはどのアメ車も同じだろう、だから左で困ることは全くない。
逆に「右のディーラー車は買いたくない」という方がいるくらいだから、その気持ちもわかる。
ちなみに今回取材したベルエアーは店舗と5キロくらい離れたところに自社工場があり、その工場はフォードの認定サービス工場にもなっている。さらにダッジ、フォード、USトヨタ、US日産、USスバル車も販売しており、そうした車両の改善や整備を自社で行っているほどの実力社。
くわえて販売は、新車中心の全て現車ありきで行っているから、「買うなら輸入しますよ」という怪しげな店舗とはまるで異なる信頼重視のショップである。
で、取材車は2021年型C8コンバーチブルの新車。2LTのボディカラーがラピッドブルー。
まず、C8コルベットのクーペのボディサイズは全長×全幅×全高:4630×1934×1234ミリ、ホイールベースが2722ミリ。車重は乾燥重量で約1530キロといい、コンバーチブルは約1566キロ。
搭載エンジンは、6.2リッターV8LT2エンジンで495hp/6450rpm、最大トルク470lb-ft/5150rpmを発生させる。
このエンジン、直噴V8のドライサンプ仕様で、オイル量を増やし1Gを超える旋回時にもオイルの偏りをなくすよう、手が尽くされている。
そしてオープンは史上初の格納式ハードトップを備えたコンバーチブル。歴代コルベットには必ずやコンバーチブルが存在していたが、格納式ハードトップは初。
だが、過去にキャデラックXLRやシボレーSSRで実績を積んでいたGMにとっては満を持しての格納式ハードトップなのだろう(めちゃめちゃ精緻な動作感)。
この格納式ハードトップの開閉は約16秒のワンタッチ。開閉のボタン操作はなんとドライバーズシート横にあるウインドースイッチ類に並ぶ。これは走行中にブラインドタッチならぬブラインド操作が可能になるよう考え抜かれた結果という。
ちなみに時速50キロ未満なら走行したまま開閉が可能というから、咄嗟の雨にも対応できるし、日本の道路事情にはもってこいの存在かもしれない。
個人的に驚いているのが、こうしたハードトップ型オープンにもかかわらず、オープン化での車重増がたったの約36キロに収まっていること。
一般的にオープンカーはボディ補強と開閉機構のパーツ単体重量で100キロ程度(もしくはそれ以上)の重量増が見込まれる。それによりボディが重くなり加速が若干鈍くなるというのがオープン化に伴うネガだったが、C8に関してはそのネガがほとんどない。
これは電動化に伴う油圧部分のパーツを6つの小さな電動モーターに変更したことが理由のひとつ、ということであり、そういった数々のトライが高機能なコンバーチブルをもたらしている。
逆に言えば、これだけネガのないオープンモデルなら積極的にコンバーチブルを選んだほうが良いのではないか。というのも、クーペを選んでも手動で屋根が取れるから。であるなら、それを自動で行ってくれる格納式ハードトップの方が格段に便利であり、使い勝手に溢れ、クーペもオープンもどちらも同じくらいの割合で楽しめるからである。
プラスして、「お決まりのゴルフバック2セット収納可能」的な謳い文句通りの実用性が与えられているから、かつて一世を風靡したメルセデスベンツSL的な使い方も可能なのである。
もちろん、価格的なネガはあるが、こういった価格帯の購入を検討している方々なら余裕で飲み込めてしまうだけの余幅だと思う。
この個体、鮮やかなラピッドブルーにインテリアがベージュ、いわゆるタンカラーであるから、非常にアメリカ的で好感。こうした派手なボディカラーにはインテリアとのコンビネーションが必要であり(コンバーチブルであるから余計にそう思う)、それを見事かなえているのも素敵である。
ライトな感じで使えるミッドシップスポーツは、C8とポルシェケイマンくらいだろうが、ポルシェと比較しても動力性能で劣ることもなく、さらにSLのようなラグジュアリーにも使えるミッドシップスポーツだけに、新車の即納個体を求める方には絶好の1台だろう。
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