2008年モデルとして誕生したUSトヨタ専売モデルのセコイアは、モデル通算2代目となるモデルチェンジを受け登場。当時のマーケット的にはキャデラックエスカレードやリンカーンナビゲーターに匹敵するフルサイズSUVである。
ベースとなったのはピックアップトラックのタンドラであり、エクステリアに関してもタンドラ同様に押し出し感の強いフロントマスクが特徴となる。
だが。タンドラとシャシーが共通とはいえ、セコイアは多人数乗車をメインに想定されたフルサイズSUV。よって足回りはリアサスをダブルウィッシュボーン独立懸架に置き換えることで後席の快適な乗り心地を実現しているし、搭載される5.7リッターV8DOHCエンジンは、381hpのパワーを発生させ、トヨタ流の超静粛性を伴って悠然と走らせる。
当時のグレードは、「SR5」「Limited」「Platinum」とあり、駆動方式に関してはいずれもFRと4WDが選択可能であった。
余談だが、搭載エンジンは4.6リッターV8と5.7リッターV8の二機種があり、ともに6速ATと組み合わされていた。
さて取材個体である。2008年型セコイアSR5。5.7リッターV8搭載、走行10万9850マイル(約17万5760km)の個体である。
セコイアは、タンドラほど日本において流通しておらず、本気で欲しいと思ってもなかなか見ることが叶わない車両だけあって、筆者も超久しぶりに出会った感じで新鮮である。
そんな中で、パッと見の印象は「やっぱりデカイなぁ」というもの。ベースはフルサイズピックアップのタンドラであるから当たり前といえば当たり前だが、タンドラと並べてボディ全体を比較すると、リアが荷台ではなくワゴンボディになっている分、塊感が強く、タンドラよりも大きく見える。
だが、逆にそこが断然オススメの理由ともなる。
フロントマスクは、タンドラ同様に押し出し感の強いマスクとなっており、これまた「迫力」がもの凄い。この点においては「洗練」「品格」に軸足を置く当時のキャデラックエスカレードやリンカーンナビゲーター以上と断言できる。
インテリアも機能重視のものになっており、質感が飛び抜けて高いわけではないのだが(トヨタ流の高級感)、ひと昔前の質素な空間を特徴とするアメリカンSUVと比較すれば、かなりデザインチックであり、プライス以上の満足感を得ることができるだろう。
で、一つ気になる部分があるとすれば、10万マイルを超える走行距離になるだろう。
だがセコイアは、本国アメリカにおいて20万マイル以上を走っていることも珍しくなく、そのくらいの耐久性が実績としてあるということ。
さらにこの個体は、基本、日本にてその距離数を刻んでいるというから、すなわち、その都度定期的に車検を受けてきたという歴もあるしっかりある=アメリカには車検制度がないからアメリカの道を10万マイル走ってきた車両との整備の差は明確だろう。
また、そうした走行距離を刻んだ車両を仕入れ販売するのがトヨタ車に詳しいフレックス系のUSトヨタガレージであるということ。
要するに、「これはまだまだ乗れる」という専門店の判断により売られている個体であるということであり、いわゆるエンジン、ミッション、足回りといった基本部分がまだまだ生きているという実践的判断によっての個体であるから(経年劣化が見られる部分はもちろんある)、「ザ・トヨタ」的なフルサイズSUV、しかも適価にて欲しいなら、なかなかの個体ではないか、と思うのである。
なお、3ナンバー登録では8人乗車であるが、1ナンバー登録も可能であり、その際は5人乗車になるという。
個人的にも、アメリカ的フルサイズを凌駕する迫力と大きさを備えた、レクサス系ではないトヨタの左ハンドルSUVとしての安心感を優先するならば、セコイアの「価値」は明らかに高いと思う。
さらに街中での視線は、今となっても新鮮そのもの。だから人とは違うSUVを求めるなら、アメリカンな迫力とトヨタ製の安心感を備えたセコイアは、格好の1台と言っていいだろう。
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