キャデラックXT6は、2020年に発売されたミッドサイズSUV。ボディサイズ全長×全幅×全高=5060×1960×1775ミリだから、数字だけを見れば結構デカく感じるが、隣に並ぶ旧時代のエスカレードと比較すると「そうでもないな」と納得する。
プラットフォーム自体はXT5と共通で、ホイールベースも2860ミリと同じであるが、全体の印象は全く違う。
その大きな違いは、デザインでありサイズ感であり室内空間の設定であり、アピールする層も全く違うのだろうと想像する。
余談だが、XT6はXT5をベースに作られている。それすなわち、格段に良くなったXT5を、さらに時間をかけ一段と良くしたのがXT6であるから、両者にはそうした開発時間がもたらした明確な「違い」が存在するのは当たり前のことである。
搭載されるエンジンは、3.6リッターV6で314ps、最大トルク368Nmを発生させる。トランスミッションは9速ATで駆動方式はFFベースのフルタイム4WDで、状況に応じて制御を切り替えられるドライブモードセレクターが装備されている。
で、XT6は個人的に最新エスカレードに次いで好きな一台であり、最新のエスカレードに似たデザインや洗練性が非常に好みである。もちろん、エスカレードが買えることに越したことはないが、中古車でも1000万円を優に超える新型の価格帯はちょっとキツい。
であれば、その代役としてXT6はかなりレベルの高い満足度を与えてくれるのではないかと考える。フロントマスクも精悍だし、ブランド品としての価値も高い。何よりインテリアの質感が最高だろう。
最新のキャデラックらしい質感や素材感、さらにはデザイン等を持ち合わせたインテリア空間は非常にゴージャス。「メイプルシュガー/ジェットブラックアクセント」の内装色が本当にいいし、ダッシュボードやセンターコンソールまでレザーが縫い込まれた高級感は流石である。
くわえて静粛性も高く、剛性も高く、それでいて扱いやすさもあるのだから、これ自体で立派な高級SUVである。
XT5も同様のプラットフォームや素材を使用して作られているが、後発のXT6は輪をかけて良くなっており、最新キャデラックを象徴する品質感に溢れている。
またXT6は、3列シートを備えるミッドサイズSUVだが、2-2-2の6人乗車であり、キャプテンタイプのセカンドシートのリクライニングで広大なセカンドシートスペースが得られるから、大人4人がミニバンのような快適さで乗車できることも特徴である(さすがはFFベース)。
もちろん3列目シートに大人が座ることは可能。だが、その空間レベルは正直、フルサイズのエスカレードには及ばない。が、子供用とすれば十分に使えるのは間違いない。
取材車は2020年型のプラチナムでボディカラーはクリスタルホワイト。走行2万5000キロ走行の個体であったが、シートや室内空間全般にヤレのようなものがほとんどなく、状態の良さがすぐに伝わってくる状態であった。
スタッフの関さんいわく「初めてのキャデラックとして、特にファミリー層へのアピール度が高いSUVだと考えております。また旧型エスカレードから乗り換えても満足いく存在ではないかと思います」
個人的にも、2014年以前のエスカレードに乗っている方が乗り換えても満足いく質感を有していると思うし、現代車両としてキャデラックというブランド品に相応しい質感や品格を備えていると思う。
なおブルートは、80年代&90年代キャデラックから最新のエスカレードまでを扱う専門店であるから、それらに即した整備対応が可能である。もちろんXT6やXT5に関しても可能であるから非常に心強いショップと言えるだろう。
ちなみに最新のXT6プラチナムの新車価格は1030万円であるから、4年落ちの2.5万キロ走行とはいえ600万円台の購入価格は非常に魅力的に見えるに違いない。
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